ダンジョンの記事一覧
2022/09/28
【第三章 潜入】第三十四話
レベル7回復 イサーク殿の話では、領主の孫娘が、産まれた時から身体が弱くて、咳が止まらない症状だと言っている。 喘息?だとは思うが・・・違うのかな? 咳を抑えるために、スキル治療を定期的に行っているが、治療を施した時には、症状は軽くなるのだが、数ヶ月もしたら、また咳が止まらない状況になってしまう。 それで、領主は、”レベル7回復”を求めているのか。 「レベル7回復かぁ確かに貴重なスキルだけどな・・・どうした?ナーシャ殿?」 「あっツクモ殿。気にしないでくだされ、ナーシャの兄が、レベル7回復を探しに、サラトガ…
続きを読む2022/09/28
【第三章 潜入】第三十三話
/*** イサーク Side ***/ スーン殿が戻ってきた。手には、なにやら小奇麗な袋を持っている。 ガーラントを見る。わからないという顔をしている。デス・スパイダーの作り出す布では無いようだ。 酒の前に、袋の話ができるのは嬉しい。 「ガーラント殿。この袋は、どう見えますか?」 ガーラントが、袋を手に取る。 「!!ツクモ殿!」 「どうされましたか?」 「いや、失礼した。もしや、この袋は、収納のスキルが付与されていますか?」 「えぇそうです。袋そのものは、人族が使っていた物を使っていますが、それに、収納のス…
続きを読む2022/09/28
【第三章 潜入】第三十二話
/*** ヨーン=エーリック Side ***/ 会議室には、族長が揃っていた。 俺が最後のようだ。決められた席は無いのだが、なんとなく定位置のようになっている。 白狼族の定位置は、獅子族の隣で、テーブルの一番端だ。 「皆様。ダンジョンは、大丈夫でしたか?」 「あぁ」 ロロットが答える。 「既に、利用可能になっておりますので、ご自由にお使いください」 「アルベルタさん。大事なことを聞き忘れている」 「何でございましょうか?」 「今回もじゃが、スキルや魔物の素材を手に入れた。これらはどうしたらいい?」 そうな…
続きを読む2022/09/28
【第三章 潜入】第三十話
そうか、ヌラの作った布は、レベル7(100万円)相当なのか? そりゃぁ確かに、気楽に、他人に渡していいものではないな。スキルを固定化した、魔核や武器/防具/道具は、なんとなく、ロロットやヘルズとの話でわかったが、少しだけ自重しようとは思うが、生活が便利になるものだからな。 レベル3(100円)やレベル4(1,000円)なら問題は少ないだろう。”高い”と言っても、全く見つからないわけじゃないだろうからな。今の所作る事ができるのが、”俺だけ”が、問題になっているのだろう。 アルベルタからの報告を聞いて、認識のズ…
続きを読む2022/09/13
【第五章 共和国】第三十九話 噂話
カルラの案内で、共和国で一番大きな国であるデュ・コロワ国の首都に到着した。 移動は、人に見られない場所を全力で駆け抜けた。 ステータスが上がっている関係で、それほど疲労はしていない。 「兄ちゃん?」 「解っている。アル。耐えろ」 アルが音を上げている。俺も、かなり辟易している。 首都に入るのは楽に入られた。王国の貴族章を使わなくても、カルラが用意した”商人”の身分で楽に通ることができた。 宿も、確保できた。 カルラが、報告のために一時的に離れたが、俺とアルで武器や防具や消耗品の点検をしていた。 報告が終わっ…
続きを読む2022/09/06
【第五章 共和国】第三十八話 最難関
黒い石の正体は、待機型のスクリプトだ。”I Love You”ウィルスだ。乗っ取り方ではない。破壊タイプだ。 接触して、魔力の供給を受けると、スクリプトが実行される。バイナリでの配布ではないので、スクリプトを実行するためのバイナリが、ダンジョンに依存している。 ワクチンでの対処が可能だが、単純な仕組みだけど、侵入されてしまった魔物を元に戻すのは不可能だ。侵された部分をパージすればよいかと思ったが、スクリプトを見ると、上書きしてしまっている。同種の魔物からデータを複写する対処も考えられるが、討伐対象なので、討…
続きを読む2022/08/24
【第五章 共和国】第三十七話 ワクチン
データの移行が終了した。 切り替えは、平行作業で行える。ホットスタンバイのような物だ。 接続は、RS-232Cを使っている。PC-88シリーズでもRS-232Cなら接続ができる。ケーブルが接続された状態で、モデムに繋がっている。モデムが接続状態になっているので、モデムを経由してダンジョンを維持している。 モニター上には、PC-88が制御を行っている状況が表示されている。 移行した端末を起動する。 移行した端末の起動が終わって、ダンジョンに接続が行われる。 通常のシステムよりも、簡単に切り替えができる。 デー…
続きを読む2022/08/14
【第五章 共和国】第三十六話 指紋
まだ下層が存在しているようだ。 ボスを倒して、発現した魔法陣に乗って、下層に移動する。全員が乗った所で、魔法陣に魔力を流す。 魔法陣は・・・。 発動したけど、ここで問題が出るのか? ”4桁の数字を並び替えて、最大にしたものと最小にしたものとの差を計算する。これを繰り返すことで、現れる数字を答えよ。ただし、同じ数字だけで構成された整数は除く” また面倒な問題だな。 カプレカ数だろう? 「アル。問題には、選択肢は出ているのか?」 「出てない。4桁の数字を入力する様になっている」 「”6174”と入力してくれ」 …
続きを読む2022/08/06
【第五章 共和国】第三十五話 ボス戦
最下層を目指すのは、初めから決まっていた。 全速ではないが、魔物が出てきた場合でも、対処が可能な状況を維持しつつ、最速で最下層を目指す。 エイダには、全力で索敵を行ってもらっている。 アルバンも、カルラも、問題はなさそうだ。 最下層の直前(だと思える場所)に、ボス部屋が設置されている。 アルバンが、躊躇なく扉を開ける。俺とカルラを見たことだけは褒めてあげるが、開ける前に一言くらいは欲しかった。 ボスは、黒い靄を纏っていない。 「相手は、キングエイプ。エイプ種の手下を5体」 カルラがボス部屋を観察して報告を上…
続きを読む2022/07/28
【第五章 共和国】第三十四話 ウイルス
中層のキャンプ地に、物資を届けた。 途中で狩った魔物や採取した物も一緒に渡した。 共和国内では、少量だがマジックバッグが流通している。容量も大きくないのだが、物が流通していれば、使っても不思議には思われない。 と、いうことで、問題はあるが、使ってしまおうということになった。 今回は、途中で狩った魔物や採取した物を提供する。 中層にキャンプを張って、イレギュラーに対応が可能な者たちだ。俺たちが持っている、マジックバッグを見ても奪おうとはしないだろう。 それに、奪われても、袋ではなくステータスボードに格納してい…
続きを読む2022/07/22
【第五章 共和国】第三十三話 エラー
次のダンジョンの攻略を考えている。 食料の供給元を先に狙おう。魔物の肉だけではなく、ダンジョン内から果物や野菜の採取ができる。 カルラからの情報では、狙っているダンジョンの現状、攻略を行っている階層は、47階層。 それなりに、深い階層を探索中だ。このダンジョンは、50階層が最下層だと予測されている。 攻略がストップしている理由が、40階層から下では食料がドロップしなくなり、物資が不足しだして、47階層で引き返したようだ。カルラが、軽く聞き込みをしてきてくれて判明した。40階層には、主が居るために、戻って採取…
続きを読む2022/07/12
【第五章 共和国】第三十二話 翻訳
装置を見ると、少しだけ面倒だと思える。 「カルラ」 「はい」 「素数って解るか?」 「”そすう”ですか?聞いたことがありません」 アルバンには、聞く必要はない。 そうか、素数は基礎だと思ったけど、スキルの起動時にも意外と関係するのだけどな。 「カルラ。スキルの発動時に、1つ。2つ。3つと発動はできるよな?」 「はい」 「でも、4つの重ねは失敗する」 「はい。神々の喧嘩です」 そう、この世界では、重ね掛けは、素数で管理されている。道具を作るときに気が付いた。同じ素材に4つの付与は失敗する。だから、複数の素材に…
続きを読む2022/07/05
【第五章 共和国】第三十一話 黒い石
アルトワダンジョンを、ウーレンフートから来た者たちに任せて、次の町に向かっていた。 クォートとシャープが野盗たちを引き渡して帰ってきた。 「マスター。マスターの想定した、最悪のパターンでした」 絶望感・・・・。あまり、”感”という言葉は好きではないが・・・。共和国も、結局は形を変えた、権力主義の集まりだと認識した。平等を謳っているだけに帝国や王国よりも酷い可能性もある。 「わかった。カルラ。プランA」 本当は、プランFが良かったのだが・・・。 「はぁ・・・。わかりました」 カルラの気持ちも解る。プランAは、…
続きを読む2022/06/26
【第五章 共和国】第三十話
アルトワのダンジョンを、ベルメルトに任せて、次の町まで移動した。 野盗の頭は、ダンジョンの肥やしになってもらうので、ベルメルトに預けてある。頑丈だし体力もあるので、いい肥しになるだろう。野盗のメンバーも同時に預けている。ダンジョンの中層に放置しておけば、”いい”実験ができそうだ。 元町人の犯罪者たちも、ダンジョンで働いてもらうことが決定している。命の灯火が燃え尽きるまで、ダンジョンから出る事は不可能だ。それが、俺から彼等に課した罰だ。この罰に文句があるのなら、神でも相手になる。 彼等は、俺から、大事な友を、…
続きを読む2022/06/18
【第五章 共和国】第二十九話 処理
ウーレンフートに居たメンバーが、俺の前で跪いている。 見たことがある顔が半分くらいで、残りは知らない(覚えていない)者も居る。前の方に居るのは、よく知るメンバーだ。ニヤニヤしている所を見ると、こいつらの仕込みだと考えるのが妥当だな。 無視するのがいいだろう。 後ろから襲ってきた奴らをしっかりと捕縛している。 「兄ちゃん。遅かった?」 「いや、丁度良かった」 尋問をしているクォートとカルラの方から、悲鳴が聞こえる。 結界を解除したようだ。連れてこられた者たちの顔色が変わっていくのがいい感じだ。 アルトワ町の町…
続きを読む2022/06/10
【第五章 共和国】第二十八話 尋問
さて、苦戦している奴らは居るか? クォートとシャープは、数名を残して始末したようだ。 カルラは、殺しては居ないようだな。アルバンは・・・。アルトワ町に到着したくらいか?探索範囲外にいるようだ。 「エイダ。アルは?」 『合流したようです。こちらに向かっています』 「時間をカウントダウン」 『了。約21分33秒』 20分と少しか・・・。町長の尋問を始めようか? 結界の中で何かを怒鳴っている。 うん。俺が尋問を行う必要はないな。クォートに任せるか? 結界の設定に、少しだけ手を入れよう。 俺たちの声だけは聞こえるよ…
続きを読む2022/06/05
【第五章 共和国】第二十七話 瞬殺
先に動いたのは、クォートとシャープだ。 野盗・・・。盗賊?の動きが少しだけ早いので、このまま放置すると到着してしまう可能性がある。時間調整が必要になってしまう。 カルラとアルバンも、準備を整えたら、迎撃に向かう。二人なら、村人に毛が生えた程度の連中に遅れを取ることはないだろう。 「旦那様。行ってまいります」 「兄ちゃん!すぐに戻ってくる」 「アル。お前は、そのままウーレンフートの連中を誘導する役目がある。解っているのだろうな?」 「あっ・・・。もちろん、おっちゃん達を連れて来る。うん。忘れてないよ」 その顔…
続きを読む2022/05/28
【第五章 共和国】第二十六話 作戦?
馬車は、速度を落しながら進んでいる。ユニコーンとバイコーンは、速度の調整が難しいが、クォートとアルバンがうまく調整をしている。本来の速度の1/3~1/5程度だ。 探索のスキルを付与した端末には、馬車の前方と後方を遮断するようにしている者たちが居るのを示している。 速度を上げると、慌てて走り出す程度の技能だ。多分、後ろからついてきているのは、村長に唆された者たちだろう。手加減の必要はあるだろうが、温情をかける必要性は感じない。俺たちを襲うのは自由だ。だから、俺たちは襲われたら、その者たちを自由にする。 新しく…
続きを読む2022/05/18
【第五章 共和国】第二十五話 出発
カルラとシャープが忙しく動き始める。 カルラは商隊と、シャープは反村長派と連絡を取るためだ。カルラは、わざと影からの連絡を受けているように見せかけている。町の中で連絡を受けたり、町から少しだけ離れた場所で連絡を受けたり、見張られている事を意識しながら、動いている。村長たちは、カルラや俺たちに気が付かれていないと思っているようだが、訓練を受けていない者の尾行だ。中途半端な尾行を見破れないほど、落ちぶれていない。 シャープはもっと露骨だ。 町長の娘婿の家に出向いて、こちらが掴んでいる情報を流している。そして、今…
続きを読む2022/05/10
【第五章 共和国】第二十四話 急報?
地上に戻って、”町(村)”まで戻った。 「ツクモ様」 カルラが、宿で待っていた。 カルラの誘導に従って、宿から場所を町(村)の外れに移動した。アルバンは、カルラから荷物を渡されて、馬車に片づけるために、席を外した。 カルラの険しい表情と、わざわざ場所を移動した意味を考えると、何かよくない知らせが入ったのだろう。 「何があった?」 でも、本当によくない知らせが入ったのなら、クォート経由でエイダが受け取って、俺に知らせても良かったはずだ。 緊急性は低いが、重大な事案なのかもしれない。 日本人だった頃の記憶が薄れ…
続きを読む2022/05/02
【第五章 共和国】第二十三話 帰還
アルバンの宣言通りに、首を切り落とされたレッサーベヒーモスは、崩れ落ちる。 「兄ちゃん!」 アルが俺に向かって駆け寄ってくる。褒めて欲しいのだろう。 「よくやった」 「うん!」 「アル。使った剣を見せてみろ」 「え?剣?」 「あぁ無理していないか?」 アルバンは、素直に剣を俺に見せる。 俺も、剣の良し悪しはある程度は認識できる。簡単なメンテナンスはできる。アルバンの剣は、砥ぎが必要な状態に見える。本格的なチェックが必要な状況には見えないが、芯が歪んで居ると砥いだ時に解るらしい。 「アル。剣を砥ぐぞ。地上に戻…
続きを読む2022/04/27
【第五章 共和国】第二十二話 ボス戦
最下層に降りてきて感じたのは、ウーレンフートの最下層と違うということだけだ。 本当に最下層なのか疑問はあるが、それは自分の感覚を信じる。 そして・・・。 「エイダ!」 『最下層です』 エイダが断言したのだから、最下層なのだろう。 ここで、今まで作っていたプログラム(魔法)を試してみる。 W-ZERO3を起動して、準備していたプログラムを起動する。 探索を行うプログラムだが、確かにこの階層から下に降りる階段は見つけられない。扉で塞がれた場所も、空気(魔素?)が入り込めれば探索ができる。やっと完成した魔法だ。ま…
続きを読む2022/04/20
【第五章 共和国】第二十一話 悪夢
おいらは知っている。 兄ちゃんは、ダンジョンに潜ったり、おいらたちと雑魚寝したり、剣を持って戦わなくてもいい人だ。 王国に住む人なら、赤子以外なら聞いた事がある。ライムバッハ。 それが、本来・・・。名乗るべき家名だ。王国の辺境伯の跡継ぎだった。難しい事はわからないけど、兄ちゃんは目的があって、辺境伯の名前を外して活動している。 兄ちゃんの朝は早い。 寝ている時間は、誰よりも短い。おいらの半分くらいだとカルラ姉ちゃんが言っていた。 おいらは・・・。違う。カルラ姉ちゃんも知っている。 兄ちゃんは、よく魘される。…
続きを読む2022/04/03
【第五章 共和国】第二十話 最下層
W-ZERO3はしっかりと役割を果たしている。プログラムの最終確認をして、アルバンとエイダにも協力してもらった。 空気の膜を作って、俺たちを包んでいる。 割れる様子もない。 これなら、水の中でも大丈夫だ。エイダに外側からスキルで攻撃をさせてみたが、結界に阻まれて、空気の膜は保った状態をキープできている。 アルバンには、物理攻撃を加えさせたが、10回程度の攻撃では問題はなかった。 さすがに、アルバンとエイダの連携では結界が弾けた。 空気の膜だけになってしまうと、スキルでも攻撃でも、膜に触れてしまえば、膜は弾け…
続きを読む2022/03/24
【第五章 共和国】第十九話 攻略中?
「ナベ!」 「ΑД‡ο∝ξ∝с」 「しっかりしろよ」 「♭р∝Г∝Ё∝Φ∝Э∝σ∝ж」 「それならいい。お前を名指しで来ている。指名だぞ」 「∝О∝Φ∝О∝Φ∽≧∝χ∝к∝Ж∽′」 「それで?お前、本当に解っているのか?俺のボーナスがかかっているのだぞ!」 「∝Ч∝Ω∝χ∝и∝в∝ΣΔёΘР∝Ж∝σ∝М∽≧∝Ж∝б∽≦♭ο∝К∝О♪Ч‡○∝Й∝Φ∝Ж∝σ∝ж∽≧」 「関係ないって・・・。まぁいい。案件を奪うぞ!」 「∝О∝Φ∝О∝Φ」 — 懐かしい情景の夢を見た。 俺が話している言葉は、どこの言…
続きを読む2022/02/26
【第五章 共和国】第十八話 攻略中
アルバンとダンジョンに入った。 草原フロアと言ってもいい場所で、眠った。 大丈夫だ。覚えている。 起きてから、探索を再開したが、このフロアは広い。 本当に広い。帰りたくなるが、変える方向も解らなくなっている。 俺とアルバンだけでは厳しい状況だけど、魔物は適度に現れるし、修練にはちょうどいい。難易度は低いけど、縛りを付けた戦闘には丁度良かった。 戦闘訓練にはなっている。 ただ、同じような魔物ばかりで飽き始めているのが問題だ。 「兄ちゃん」 「アル。言うな。俺も飽きてきている」 「そうだよね。ゴ…
続きを読む2022/02/19
【第五章 共和国】第十七話 攻略開始
アルバンとダンジョンに向かっている。 道中に現れた獣は無視した。 盗賊たちが使っていると思われる拠点を発見したが、すでに使われなくなっているようなので、燃やして、穴を掘って埋めておいた。新しい盗賊が住みついたり、魔物の巣になったり、何かの拠点に使われるのは俺が望む未来ではない。 「アル。悪いな」 「いいよ。兄ちゃん。これも大事なことだよね」 「あぁ新しい盗賊が住みついたら、町は大変な目にあう」 「うん」 「それに、この前のようなゴブリンが住みついても厄介だろう?」 「そうだね。おいらの最初の村も・・・…
続きを読む2022/02/09
【第五章 共和国】第十六話 準備
アルバンの武器を作った。 結局、投げナイフは諦めた。作成は可能だったが、単価があまりにも高くなってしまう。同じ単価なら、違う武器を作ったほうがいい。 アルバンに、戯れで作った多節棍を見せた所、何が気に入ったのか解らないが。多節棍を主武器に変更すると言い出した。 武器として考えると取り扱いは難しいが、難しい部分は、プログラム(魔法)の補助を組み込むことで対処を行った。複雑な動きは、アルバンの訓練が必要になってしまったが、プログラム(魔法)の補助を得て、アルバンの思い通りに動かすことができた。 単価で…
続きを読む2022/02/02
【第五章 共和国】第十五話 予感
ふぅ・・・。 落ち着いて考えよう。 アルバンが言うように、ダンジョンの中には”魔物”しか存在しない。 言葉を使わないからだ。理解はできるが納得は難しい。言葉という曖昧な理由ではなく、もっと違う理由があるはずだ。 「なぁアル」 「何?」 「ダンジョンで、魔物を倒す時には、魔核を得るよな?」 「うん」 「動物や魔族では、魔核は得られるのか?」 「え?考えたことがなかった。動物は、多分、ないと思う。解体する時に、魔核を見たことがない。魔族は解らない。そういえば、燃やしてしまうよね?」 「そうだな」 魔核…
続きを読む2022/01/25
【第五章 共和国】第十四話 散歩
アルバンと、町から出て森に向かう。 最初は、クォートかシャープが付いてくると言っていたが、二人には俺とアルバンが町に居るように偽装してもらうために、残ってもらった。 カルラは、町から離れることを印象付けるように出て行った。他の町に、物資の調達をするためという理由だ。そのために、馬車と一緒に旅立った。俺たちが残った理由は、『一緒に商売を行う商隊が遅れていて、待っている』ことにした。 間違っていないが、突っ込まれると困る言い訳だ。 だが、町長夫妻だけでなく、町民は誰も突っ込んでこなかった。 町にお金…
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