ダンジョンの記事一覧
2022/09/28
【第九章 帰路】第九十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「カズト様」 「どうした?」 シロから話しかけてきた。なにか有るのだろう。 フラビアとリカルダは、エリンと一緒にライから受け取った肉の調理をおこなっている。 俺がやっても良かったのだが、カイとウミとエリンに反対された。刺激が強すぎるという事だ。意味がわからない。 フラビアとリカルダが喜々として準備を始めたのでそのまま任せる事にした。 「・・・あぁカズト様は、私たちを・・・」 「許したわけじゃない。だが、お前たちが考えて、アトフィア教が正しいというのなら、それは尊…
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【第九章 帰路】第九十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「それでは、ライマン老。ロングケープ街を頼むな」 「はい。代官を勤めさせていただきます」 結局、出立が2日伸びてしまった。 ライマン老との話し合いもだが、前領主たちが起きて騒ぎ出したからだ。黙らせる事は簡単だったが、黙らせるよりもそのまま檻に入れて連れ出す事にした。街中を引き回した結果、見事な囮役になってくれた。 まずは、街の中で前領主たちの罪を公表した。その上で、ライマン老が領主代行になる事が発表された。 夜に、前領主たちを助け出そうと忍び込んだ者たちが居た。…
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【第九章 帰路】第九十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ヴェネッサがシロの名前を気に入っている理由がわからないが、本人がそれでいいというのなら俺としてはこれ以上何も言わない。シロを連れて、領主達が押し込められている部屋に向かう。 約束の期限には早いがいいだろう。 部屋の中からは話し声も聞こえない。 ドアの所にいるエントに確認をする 「どうなっている?」 「大主様。昨日くらいまでは罵り合っていましたが、今はおとなしくなっています」 「そうか・・・寝ているのか?」 「いえ、寝る必要はないだろうと思い、寝たら起こすようにし…
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【第九章 帰路】第九十一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちは、ロングケープ街に戻った。 「ノーネーム殿」 ヴェネッサが声をかけてくる。 「食料だろ?少し待ってくれ。用意させる。さっきの子供が居た辺りで食料を配る事にしよう」 「頼む」 「いや、いいさ。どのみち、配給はしようと思っていたからな。さて、お前たちはどうする?配給に立ち会うか?」 二人は、配給に立ち会いたいという事だが、ヴェネッサは俺についてくると言っている。 「姫様」 「大丈夫だ。それに、さっきの戦いを見ただろう?ノーネーム殿だけではなく、二匹のフォレス…
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【第八章 進展】第九十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 念話の着信?で起こされた。 昨晩は、念話で指示を送り続けて疲れてしまった。ロングケープ街につながる街道に作っていた石壁が完成したのだ。それと同時に、ロングケープ街から退避していた獣人の所に、支援物資が届けられた。 どうやってこの距離を運んだのか・・・答えは簡単だ。オリヴィエとリーリアとクリスが、街道をまっすぐに支援物資を格納して、駆け抜けてきたのだ。アトフィア教の敗残兵が居たが気にしないで突っ切ってきたようだ。 今回は、オリヴィエが暴走した。活躍の場面だと思った…
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【第八章 進展】第八十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 執事服をきっちりと着こなしたエントが俺たちに向かって歩いてきて一礼した。 隣に居るヴェネッサは居ない者として扱うようだ。 「大主様」 「おぉどうだ?」 「はい。議会場は掌握いたしました。領主の屋敷も抑えました」 うん。上手く行ったようだな。 「わかった。犯罪者共は?」 混乱に乗じたバカどもにはきつい仕事を頼むことになるからな。 「大主様の指示どおりに、議会場の一室に閉じ込めてあります」 問題はなさそうだな。 「犯罪奴隷共は?」 「比較的綺麗な奴隷商に押し込めてあ…
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【第八章 進展】第八十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアの報告を聞く限り、本当に敗走という言葉が適当なのだろう。 殿(しんがり)もおいていない。来た道を戻るだけしかできていない。 当然、ブリットからは突撃指示が出る。 今度は、俺への確認は必要ないと言ってある。現場の判断だ。 聖騎士を各個撃破している。 本来なら、聖騎士は強いのだろう。ブリットたちがこんなにあっさり勝てる相手ではないのだろう。 さて、そろそろ本当に一度寝ることにしよう。 念話を切る。 — 朝・・・ そろそろだろう。 エリンとウミとカ…
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【第八章 進展】第八十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちが乗っている船は、前世?の記憶では、クルーザよりも少し小さめの船だ。居住スペースはエント達が急ごしらえしたようだ。 眷属から行軍の様子や聖騎士の情報が続々と届けられる。 両軍の行軍情報を得ながらタイミングを図っている。 突撃部隊に居るリーリアや後衛部隊に居るクリスとも、数カ所の”念話中継魔核”を通して繋がっている。 今回の戦いで俺が1番懸念していたのが情報伝達の方法だ。念話は便利だが到達距離に制限がある。魔力が、距離と通話品質?に影響を与えるのかはまだわか…
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【第八章 進展】第八十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 小型ワイバーンにエントとドリュアスと魔蟲達を載せて、ロングケープ街に潜入させた。予想通りの報告が上がってくる。完全に、戦争の準備をおこなっていると考えて間違いないだろう。 ”面倒な事になった”が正直な感想だ。 表の対策と裏の対策を行う事にした。 表の対策は、難しいことではない。獣人族を中心に、ペネム街の軍を組織してもらう事だ。 こちらは、ミュルダ老に任せた。いろいろ任せすぎて、何を任せたのか忘れているが、サポートも増えているし大丈夫だろう。 ペネム軍の中核は、ブ…
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【第八章 進展】第八十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ログハウスに戻ってみると珍しく、スーンが面会を求めてやってきていた。 すぐに許可を出して、執務室に通した。 「大主様。申し訳ございません」 「どうした?なにかあったのか?」 普段、スーンは連絡だけなら、念話でおこなってくる。 面会を求めてやってくるとはよほどの事があったのだろう。 「はい。実験区のモルモットから聞き出した事ですが・・・」 実験区。ペネム・ダンジョン内に作っている、アトフィア教や俺が死刑だと判断したやつらを使って、スキルの実験をおこなっている所だ。…
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【第八章 進展】第八十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアに命令して、ログハウスや居住区で見かけない食材や調味料は一通り集めるように言ってある。 同じ様に、リヒャルト商隊にもこの辺りでは食べる習慣が無いものや、珍しい植物を見つけたら一通り買ってきてくれるように頼んでいる。それらの報告が、執務室に置かれた嘆願書の中に混じっていたのだ。 新しい食材や調味料の発見は嬉しい。 サラトガやアンクラムやミュルダでは普通に入手できていた物の中にもいろいろな食材や調味料になる物が存在していた。 ユリの花が見つかった、簡単に言え…
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【第八章 進展】第八十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 学校施設に向かう。 作られた学校は、自由区の中では1番大きな建物になっている。 学校に到着すると、ミュルダ老が待っていた。 少し慌てた様子で俺の所に駆け寄ってきた。 「ツクモ様。何か有りましたか?」 スーンにでも聞いたのか? 「ん?なんでもない。学校がしっかり回っていると聞いたから見てみたくなっただけだ」 明らかに安堵した表情になる。 そうか・・・俺は、出資者って事になるのか?でも、俺の命令で作ったのだよな? 「ありがとうございます。もう学校は、ペネム街になくて…
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【第八章 進展】第八十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 公開から1年と数ヶ月が過ぎていた。 ペネム・ダンジョンを公開してから、街は大いに発展した。 表向きには、アンクラム-ミュルダ-サラトガの元街を含む、サイレントヒル地域全般をさして”ペネム街”と呼ぶようになっている。 各元街は、アンクラム区やミュルダ区やサラトガ区と呼ばれるようになった。SAやPAは、そのまま数字で呼び名を付けていたが、それぞれに名前を着けて欲しいという要望が上がってきた。 SAが21箇所。PAが18箇所。ダンジョン内にできた街/集落が14箇所。全…
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【第八章 進展】第八十一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ペネム・ダンジョンが正式オープンして、3階層を突破したと、クリスから連絡が入った。そろそろ、6階層・・・実質の7階層以下を作らないとならないだろう。 俺が進めていたチアルダンジョンの攻略は七十九階層で止まってしまっている。 意図して止めているわけではない。 ログハウスを一日留守にすると、翌日に決裁が必要な案件/書類が”嫌味”なのか大量に置かれている。しばらく無視していたら、しっかりたまり続けて行く。 俺は楽がしたい。そもそも、13歳の子供が行う仕事量ではない。ミ…
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【第七章 暗雲】第八十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 新領主のシュイス・ヒュンメルの屋敷からは、10歳以下の幼女が大量に見つかった。心が死んだ状態で・・・だ。肉体的にも死亡している者も存在していた。 そして、案の定プロイス・パウマンの屋敷から、心が壊れたり、本当に死んでしまった男児が見つかった。同時に、それらを調達していたのが、アトフィア教の獣人殲滅部隊であることが解る証拠も見つかった。 後始末を、シュナイダー老に任せた。 殺さないように苦しんでもらう事にした。当初は、磔状態で村々を回らせるつもりだったのだが、シュ…
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【第七章 暗雲】第七十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ツクモ殿」 「ゲラルト殿?」 何やらすごい顔をしている。 「本当に、いいのか?」 なんだ、鱗が本当に欲しいようだ。 「いいですよ?俺が持っていても価値は”綺麗な飾り物”以上にはならないが、ゲラルト殿たちが鍛えれば”素晴らしい剣”や”素晴らし盾”になるのだよな?それに、”優秀な職人”を雇える機会があるのならそちらを優先する。これ以上望むのは贅沢というものだ。それでも気がすまないのなら、俺が作って欲しいと思う道具を、ペネムで沢山作ってくれればいい。売れない物も出て…
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【第七章 暗雲】第七十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ツクモ殿。お時間を頂き申し訳ありません」 「いや、いいですよ。ミュルダの新領主様に、昼前までは宿に居ると約束しているだけで、他に約束はありませんからね」 朝から来るとは思っていたが、タイミングとしては悪くないのだろう。ミュルダの新領主との話し合いもしてきて、決裂すると考えての・・・この時間だったのだろう。 「そうだったのですね」 白々しい まぁいい冒険者ギルドの関係者よりは話ができそうだな。 「そちらの方ははじめましてですよね?」 「そうでした!鍛冶師長老の1…
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【第七章 暗雲】第七十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺が、領主の館から帰って来て、すぐに執事が訪ねてきて、少し待って欲しいとだけ伝えられた。 執事にはメッセンジャーになってもらって悪かったのだが”俺には用事はない。明日には、獣人(ペネム)街に帰る”とだけ伝えてもらった。 執事が帰ってすぐにヒュンメルが宿に訪ねてきた。 「ツクモ様。申し訳ありません」 「何を謝っているのですか?ヒュンメル殿に謝罪されるような事は無かったと思いますよ?」 「いや・・・私の後を継いだギルド長があの様な態度をとってしまった」 商隊や商人か…
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【第七章 暗雲】第七十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 蕎麦を得るために、寄道をしてしまった。寄道に一切の後悔はない。 時間も遅くなってしまったために、村長宅で一泊する事になった。 村長宅で、村の生い立ちを聞かされた。 もともと村は、アンクラムの領主主体で作られていて、アンクラムに食料を提供する目的があったのだと言っていた。今の村長で、3代目だという事だが、二代目の途中くらいから、麦が取れなくなってしまって、細々と作っていた”蕎麦”に切り替えたのだと説明された。 ミュルダの異端認定騒ぎがあって、もともとアトフィア教の…
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【第七章 暗雲】第七十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ アンクラムの宿をダミーでとった上で、アンクラムから抜け出す。前金で、2日分を渡している。宿の主人が横柄な態度だったので、多少罪悪感は消えたのが救いだ。 後は、領主同士でうまく話をして欲しい。 『あるじ。スーンから連絡が入った。あるじが”蕎麦”と呼んでいた穀物確保したって』 「おっありがとう」 『それでね。眷属が大量に買い付けたら、村長?から村の子供1人でも2人でも構わないから連れて行って欲しいと言われたらしいよ?』 「それで?」 『あるじに確認しますと言って、そ…
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【第七章 暗雲】第七十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ アンクラムに到着した。 商業区で見送りを受けてから、カイとウミとライとエリンを伴った”徒(・)歩(・)”の旅だったが、カイとウミが大きくなり、俺とエリンをそれぞれが載せて、ライは俺の持つバッグに入った。 それから、移動速度が信じられないくらいに上がった。魔物との遭遇も何度か有ったが、カイとウミとエリンが出るだけで、殆どの場合は逃げていく、ただ、ゴブリンとオークだけは気持ちの問題で、殲滅の指示を出した。集落らしき場所も発見した。 集落は、結界を張った上で燃やし尽く…
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【第七章 暗雲】第七十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 商業区での作業は、それほど多くない・・・はずだった。 ミュルダ老は、どう考えているのだろうか? 俺は、13歳の餓鬼だぞ? 俺がスーンから予定を聞かされた時の感想だ。 なんだよ、この打ち合わせの予定は? 居住区と、ミュルダからの人が来る?俺に話を通したい? 勝手にしろよ。 お前たちのほうが経験が有るだろう。うまくやってくれよ。報告だけは聞くから、計画段階のことまで説明しなくていいよ。 打ち合わせの予定をこなしながら、当初の予定だった商業区の下にダンジョンを作る作業…
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【第七章 暗雲】第七十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ さて、ダンジョンも攻略したし、ペネムというおまけまで入手できた。 『主様』 『どうした?』 『掃討が終わりました』 『早いな』 『いえ・・・あっ魔物は全部ライが収納しました』 『有益なスキルカードは出たか?』 『・・・いえ、すでに保有する物ばかりです』 『わかった。こっちも終わったから、確認しながら、地上にむかう』 『わかりました』 「クリス。聞こえていたよな?」 「うん」 「地上に出て、リーリア達と合流してから、商業区に向かうぞ」 「はい!」 ペネムを見る。 …
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【第七章 暗雲】第七十一話
/*** サラトガ領主 Side ***/ 「それでどうなった?」 「・・・はい。どうやら、ダンジョンが攻略されたわけではなさそうです」 「は?それでは、なぜ、スキルカードも魔核も出てこない!」 執事が申し訳なさそうにしている。 「よい。話せ。何が解った?」 「はい・・・」 冒険者たちが持ち帰った情報だと前置きされたが、サラトガのダンジョンの秘密というか・・・サラトガ領主家にまつわる秘事だと言ったほうがいいだろう。 サラトガのダンジョンが、1人の男に寄って維持されているのは知っていた。知っていたが、それは領…
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【第六章 開発】第七十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ モゾモゾしていて、起きた。 クリスが起きたのだろう。起きて、自分の状況を確認しているようだ。 『カイ。ウミ。起きるぞ』 『起きています』『うん。大丈夫』 カイとウミは、もう起きているようだ。もう少し、このモフモフを楽しんでいてもいいかもしれないが、起きるとするか。 「クリス。起きているのだろう?」 「くぅ~くぅ~くぅ~」 「枕を抱え込むな」 「えへ」 「”えへ”じゃないよ。ほら、プロテクターを出すから、身に着けろよ」 「うん。カズトさん。着けて?」 「できるだろ…
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【第六章 開発】第六十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ よく寝ている。 安心しているのかわからないが、今は寝言のような物は聞こえない。 『ウミ。クリスはどうだ?』 『うーん。まだ魔眼に頼っているけど、だいぶ良くなってきたよ』 『主様』 『どうした?』 『スーンには、10日ほどで帰ると言ってあります』 『あぁそうだな』 『あと10階層だとは思いますが、このままでは少し時間がかかってしまいます。次から、僕とライも出ます』 そうだな。 ここまで疲労するのなら、そのほうがいいだろうな。スキルの訓練や調整なら、外でもできるだろ…
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【第六章 開発】第六十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 暑さで目を覚ました。周りの状況を確認して納得した、そりゃぁそうなるよな。 クリスが毛布を身体に巻きつけてから、俺に抱きついて寝ている。器用にミノムシ状態の毛布から腕だけだしている。 ウミとカイは、布団の中で丸くなって、俺の足の辺りで寝ている。 カイと、ウミは、俺が起きた事がわかったのだろう。布団から出て、伸びをしている。 こうやって居ると、普通の猫のようだな。毛づくろいをしている様子を見てから、クリスを起こそうかと思った。 俺から離れようとはしない。それほど強い…
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【第六章 開発】第六十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ウミ。クリスはどうだ?」 「ねぇカズトさん。なんで、ウミ姉に聞くの?僕に聞いてくれてもいいと思うけど?」 「そうか?クリス。どんな感じだ?」 「問題ないよ!」 だろうな。 「そうだろうな。それでウミどうだ?」 「カズトさん。酷いぃ!」 「はい。はい」 『まだまだだけど、なんとか形になってきた』 「そうか、どの程度だ?」 『エリンといい勝負かな?』 「そうか・・・いい勝負は、負けるって事か?」 『どうだろう。ブレスを使わせなければ、クリスが勝つとは思うよ』 「わ…
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【第六章 開発】第六十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ スキル調整も終わったし、クリスのスキル確認の意味もあるから、ダンジョン探索を開始するか。 『あるじ!』 「ん?どうした?」 『うん。ダンジョン。攻略すると、ダンジョンの魔物たちが溢れるけどどうする?』 「あぁ・・・そんな事を言っていたな。ライ。眷属を呼び出して配置させておく事はできるか?」 『うん。大丈夫だよ。エントやドリュアスも呼んでおく?』 「そのほうがいいだろうな。意識芽生えた魔物なら、話ができるかも知れないからな。それ以外は、狩り尽くしても問題ないだろう…
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【第六章 開発】第六十五話
/*** クリスティーネ=アラリコ・ミュルダ・マッテオ Side ***/ 話には聞いていた。リーリアお姉ちゃんからも、カイ兄やウミ姉は別格だと・・・。 サラトガのダンジョンに入ったのは、2時間くらい前だと思う。 既に、5階層まで降りてきている。その間、僕がやった事は、魔眼を使って、魔力の流れを読んだ事だけだ。それも、カズトさんから言われてやってみたら見えただけだ。 イサークさんやナーシャお姉ちゃんから、5階層には、フロアボスが居る部屋があって、その部屋の前には、セーフエリアがあるという事だ。そこまで、一気…
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