ダンジョンの記事一覧
2022/09/28
【第六章 開発】第六十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ サラトガの街に入った。 ミュルダ発行の身分証で問題なかったようなので、俺とカイとウミとリーリアとクリスは、身分証を見せる。カイとウミの身分証を確認した時に、少し苦笑したのを忘れない。別に、眷属が身分証作ってもいいだろう・・・って、今、カイとウミは、眷属ではなく、隷属している魔物に見えるのを忘れていた。 クリスの身分証を確認した時に、少し戸惑ったが、お忍びで来たと言う言葉とレベル5魔核を1個握らせたら、そのまま通してくれた。 これでいいのか? サラトガの街は、ミュ…
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【第六章 開発】第六十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ どうやら、夜の見張りは、カイとウミとライも参加することで、決着したようだ。 それから、クリスが、オリヴィエとリーリアから、樹木のスキルを教わりながら、小屋を作成した。初めてにしては、なかなかうまく作れたと思う。樹木のスキルは、エントとドリュアスの種族スキルだが、野営地を作ったりする時には重宝する。 クリスは、魔眼という特殊なスキルを持っているので、スキルを使う時に、なるべく並列で使うようにさせてみた。魔力の流れが見えるのなら、スキルを使う時に役立つだろうと思った…
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【第六章 開発】第六十二話
/*** スーン Side ***/ 少し、認識を改めないとダメかもしれない。 私が持っていた知識では、統治者は、周りに異性を大量に置いて、交配行為を行うものと思っていた。 だが、大主様は、交配者は1人で良いと言っている。強き者は、複数の交配相手を持ち、子孫を残すことを求められる。獣人族の族長会議でも同じような事を議論していた。だが、大主様は違った考えをお持ちのようだ。 そもそも、我ら眷属は、大主様を中心にまとまっている。ご子息ができても、ご子息に従う事は無いだろう。種族の長としてお迎えするだけだ。また、大…
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【第六章 開発】第六十一話
/*** サラトガ領主 Side ***/ どういう事だ。 ダンジョンに向かった者が帰ってこなくなり、ダンジョン入口に作成していた小屋が魔蟲に攻撃され、破壊された。 それから、ダンジョンに入ることさえできなくなってしまった。 最初は、ミュルダの奴らの嫌がらせかと考えたが、奴らは奴らで大変な様子だ。 どうやら、ミュルダ老が引退したようだ。代わりは、ギルド長を努めていたもので、長老衆の承認も得ているらしい。 情報が錯綜していて、何が正しいのかわからない。アンクラムもおかしな状況になっている。アトフィア教が完全撤…
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【第五章 埋伏】第六十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ミュルダ街からログハウスに帰って来て、3ヶ月が経過した。 ミュルダ街から、ビックスロープまで約6日間の行程だった。道を通す事も考えたのだが、獣人族や街の人たちに任せる事にした。俺が指示したのは、40kmごとに馬車を駐めて休める場所を作る事だ。感覚的には、高速道路のSAだ。人の手配は、カスパル(前領主)に丸投げする。20kmごとに小さな休憩所を作る。こちらはPAだ。 PAでは、食事と休憩が行える。寝るための施設も作ってあるが、馬車に関する施設は用意していない。 S…
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【第五章 埋伏】第五十九話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ 息子エンリコが、ツクモ殿を襲撃してから、一ヶ月が経過した。 昨日、ビックスロープに向かっていた、交流隊が帰ってきた。何やら興奮していた。 今回は、交流というよりも、視察の意味合いが強いのは、誰もが解っていた事だ。ツクモ殿を通して、先方にも伝わっているのだろう。視察は成功した。予定よりも、帰ってくるのが遅かったのが気になったので、長老衆を通して聞いてみた。 思っていた以上に、大きな街になっているという。 行政区として、中央に施設がまとめられ…
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【第五章 埋伏】第五十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ あの騒動から、3週間。俺は、まだミュルダの街で過ごしている。 カイとウミは、街での生活が気に入っているが、オリヴィエとエリンは、窮屈に感じていたのか、2週間程度滞在して、ログハウスに戻りたいといい出したので、許可した。リーリアは、俺の身の回りの世話係として残っている。 今日の午後は、カイとウミを連れて、街中を散策する予定だったのだが・・・。 俺は今イサークから謝罪を受けている。 「ツクモ殿。申し訳ない。あんなに良くしてもらったのに、ナーシャが原因で迷惑をかけた」…
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【第五章 埋伏】第五十七話
/*** クリスティーネ=アラリコ・ミュルダ・マッテオ Side ***/ 「えぇぇぇぇぇぇ」 『クスクス。慌て過ぎだよ。ご領主様が不審に思っているよ』 そうですね。 お祖父様が、勘違いされているようなので、早めに謝罪の言葉を口にしたほうが良さそうですね。 「ごめんなさい。少し考え事をしていました」 「クリス。辛いのなら、部屋で休んでいても・・・」 「いえ、お話を聞かせて下さい」 『リーリアお姉ちゃん、な、な、何を言っているの?お嫁さんって・・・僕、子供だよ・・・』 『リーリア!カイも、ウミも、オリヴィエも…
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【第五章 埋伏】第五十六話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ どうしたらいい? 幸いなことに、カズト・ツクモ殿は、それほど怒っているようには見えない。共回りの者たちもだ。儂の判断を尊重してくれると考えていいだろう。 「ツクモ殿。この者たちは?」 「先程、襲われました。私の従者である。リーリアの持つ、”ただの袋”が目的だったようです」 は? 収納袋ではないのか?儂も何度か見ているが、収納袋のような動きじゃったぞ? 毎回スキルを発動しているとは思えない動きだ。 ツクモ殿は、リーリア殿から、袋を受け取って…
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【第五章 埋伏】第五十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 物見遊山で来たのだけど・・・おおごとになっている。 確かに、エリンはやりすぎたと思う。それは反省した。反省したので、通常プロトコルでの入街を主張した。 俺とリーリアとオリヴィエと、エリンが、身分証を作成するのを見て、ウミが自分も作成したいと欲しがった。 門で審査をしている人に聞いたが、できないことがないという事だ。 実際に、馬などをいれる時に、持ち主札代わりとして作る人が居るという事なので、カイとウミの身分証を作ってもらう事にした。 何やら不穏な雰囲気があるなら…
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【第五章 埋伏】第五十四話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ 竜族が、リーリア殿のご主人様?カズト・ツクモ殿は竜族だったのか? 確かに、竜族の一部は、人の姿を取れる事はよく知られている。確かに、それならば、10歳前後の姿で、イリーガルを眷属化していることもうなずける。 何にせよ。出迎えの準備をしないとならない。 華美にならないように、しかし、質素になってはならない。 街領隊の隊員が、屋敷に入ってきた。 「領主様。いくつかご報告があります」 いくつかと言ったか、当然だろうな。 「わかった。執務室で聞く…
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【第五章 埋伏】第五十三話
/***カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ まずい事になった。 ピムが儂に会いたいという事だったので、ツクモ殿が来られたのかと思ったが違った。 どうすべきか? 謝罪して済むような問題ではない。ツクモ殿が対等な街の領主だと仮定したとして、その領主からら使者を襲って、持っていたスキルカードを奪おうとした。それだけではなく、使者を貶めようとした疑いもある。 そんな事をすれば、戦争になるのは間違いない。全面的な非がこちらにある。勝てればいいが、負けた場合には、総てを失って・・・街の住民総てを…
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【第五章 埋伏】第五十二話
/*** リーリア・ファン・デル・ヘイデン Side ***/ イサークさんたちは、私から離れた位置で待機してもらう事になりました。 連絡方法は、魔蟲を使いに出す事になりました。 スパイダー種がいいだろうと思い、こちらに来ているスパイダー種で影移動ができる者を、紹介します。 イサークさん、ガーラントさん、ピムさんの表情が引き攣っていましたが、紹介したのでもう大丈夫です。それでなくても、ご主人様の客人として、私たちは認識していますので、魔蟲が危害を加える事は考えられません。 さて、クリスとナーシャさんの所に戻…
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【第五章 埋伏】第五十一話
/*** ??? Side ***/ 「どうだ?」 「無理です」 「無理なわけが無いだろう?相手は、12~3歳の女だぞ?さらって犯せば、いうことくらい聞くだろう?」 「そう思うなら、あんたがやればいい。俺は降りる。返すぞ!それから、二度と俺に声を掛けるな」 男は、座っている男に向かって悪態をついてから、持っていた、レベル6スキルカード3枚を投げるように、渡してから立ち去った。 座っている男は、実はこれで3度目の事に呆然としていた。 裏稼業を生業にしている男にとって、よくある仕事だ。失敗する要素は一切なかった…
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【第四章 発展】第五十話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ ツクモ殿が、明日来られるという話を、リーリア殿から教えてもらった。 お付きがいるとの事だ。 カズト・ツクモ殿本人。人族が二人、二人とも、リーリア殿と同じくらいの年齢にみえるらしい。それから、フォレスト・キャットが二体。眷属だと聞かされた。 しかし、儂が放った者達が、12~3歳の男児がミュルダに近づいてきている状況を確認できていない。 数日前から、監視を強化させておるが、そのような人物はいないという報告だ。既に街の中にと思ったが、それは無い…
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【第四章 発展】第四十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 幼女竜に、エリン・ペス・マリオンの名前を与えて、眷属化した。 // 名前:エリン・ペス・マリオン // 種族:スペリオール・ドラゴン // 固有スキル:人化 // 固有スキル:ブレス // 固有スキル:飛行 // 固有スキル:上位竜 // 固有スキル:水・氷系スキル // 固有スキル:火・炎系スキル // 固有スキル:風・雷系スキル // 固有スキル:念話 // スキル枠:—- // スキル枠:—- // スキル枠:—- //…
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【第四章 発展】第四十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ あっダメな奴やつ確定。 大きな影が・・・3つ?4つか? 『森の賢者か、久しいな。何ようだ!』 『貴方こそ、岩山の巣穴に引っ込んで居るのに、何しに来たのですか?』 おいおい。スーン。 挑発しないでくれよ。それでなくても黒狼族は、口を開けて固まってしまっている。 そうか、念話スキルがないから、会話ができないのか? 『スーン。やめておけ』 『はい。大主様』 『何!貴様が、森の賢者の主だと・・・人族・・・ではないな。珍しいな、ヒュームか・・・客人だと、お主、何者だ!3女…
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【第四章 発展】第四十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ツクモ様。あれが、黒狼族の村落です」 確かに、ブルーフォレストにあった、他の村とは違う。 村落という言葉が合っている。簡単な柵で守られているが、それだけだ。 俺たちの住処から、眷属たちが先導しながら、麓を迂回するように進んだ。大河を渡るのに苦労したが、それだけだった。どこから、これだけの水量が産まれているのか不思議だが、この世界は何でもありのご都合主義で成り立っていると割り切ることにした。 ヨーン殿も、黒狼族にお土産を持っている。魔物の素材だ。ダンジョンで自分…
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【第四章 発展】第四十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 61階層は、見渡す限りの湿地帯のようだ。 これがもう少し上の階層にあったら、田んぼに開発するのだけどな。さすがに、61階層では、開発も難しそうだ。 属性付きのワニが出てくる。見た感じ、ワニモドキなので、ワニと認識しておけばいいだろう。属性も、水と風が半々という所だろうか? さすがに、強い。ってよりも戦いにくい。湿地帯で、カイとオリヴィエの機動力が削がれてしまっている。 そのために、スキルの使用を前提に戦う事になってしまっている。湿地帯だから、凍らせて、その上で攻…
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【第四章 発展】第四十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ オリヴィエと、フィリーネを加えた。ダンジョン探索は、ピクニックのようになっている。 30階層程度では、俺が指示する事なく、オリヴィエが突っ込んでく、それを、ウミがサポートする。取りこぼしを、カイとライが始末する。 俺は、フィリーネと一緒に後ろで見ているだけだ。 踏破済みのダンジョンだし、下層への道もわかっているので、サクサク進む事にする。 皆には、目的のスキルカードを伝えてある”レベル7回復”だ。あと、出たら嬉しいのが、レベル8偽装とレベル8完全地図だ。 俺の予…
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【第四章 発展】第四十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアを送り出した。 イサーク殿たちがついていってくれるとは思わなかった。道中で、リーリアの事を鍛えてくれると言っていた。確かに、スキル全開で戦えば、リーリアの方が強いだろうが、剣技の経験では、リーリアは敵わないだろう。 リーリア・・・俺たちにとっても、有意義な事だろう。 俺に対して、遠慮があった事も、リーリア相手なら言えるようだ。念話で逐次報告が上がってくる。それらに対して、許可を出していく。 スーンが、イサークたちに語ったようだが、獣人たちは、獣人たちで独…
続きを読む2022/09/28
【第四章 発展】第四十三話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ 「ふぅ」 イサークたちも疲れてきているのだろう。 「おい。飲み物となにか持ってきてくれ」 扉の近くに立つメイドに頼むことにした。 「ちょっと待ったぁ!イサークいいよね?いいよね?」 「あっあぁ。すみません。領主様。そうですね。カップを、執事長とメイド長の物を入れて、2セット6人分と、大きめな皿を4つ持ってきて頂けませんか?フォークとナイフは大丈夫です」 なにか有るのだろう。ここは、イサークたちに任せる事にしよう。 「頼む。イサークたちの言…
続きを読む2022/09/28
【第四章 発展】第四十二話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ ナーシャたちが帰ってきた? 「領主様」 「あぁわかった。それで?」 「はい。4名揃って、ご相談があるとおっしゃっています」 「相談?わかった」 相談? スキルカードがなくなったか?いや違うな。 会えばわかるか、サラトガに行っていたはずだが・・・。 会議室に向かう。 そこには、馬鹿面の1人の男と、可愛い娘が1人、そして、酒飲みが1人と、街領隊の斥候の1人が座っている。 「ただいま!」 「ただいまじゃない。今まで何をやっていた?」 ふぅ変わっ…
続きを読む2022/09/28
【第四章 発展】第四十一話
/*** イサーク Side ***/ 「大丈夫か?」 後ろから来てる、ナーシャとガーラントとピムを見る。 皆無事のようだ。 「ピム!」 「うん。大丈夫だよ」 ここまで逃げれば大丈夫という事だろう。 少し落ち着こう。ツクモ殿には感謝しなければならないな。収納袋がなければ、こんなに早く移動できなかっただろう。 収納袋の中から、簡易テーブルを出す。 人数分の椅子も用意されている。料理は無いが、食材なら入っている。ガーラントが、なにか簡単に作るようだ。 「ねぇイサーク。イサークってば!!」 「ん。あっナーシャか、…
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【第三章 潜入】第四十話
/*** リア(リーリアの偽名) Side ***/ 「司祭様」 「どうした?」 「門番がご挨拶をしたいという事です」 「わかった」 人族1が交渉したのだが、”御尊顔を”とか言っていたようです。ようするに、確認させろって事だと思いました。 門番も人族だが、汚らしい、臭い。ご主人様と同じ種族だとは思えないですね。 馬車に乗り込む事なく終わってホッとしました。 私の事も怪しむ雰囲気が有ったのですが、人族1が”司祭様の”というと納得したようです。その後で、魔核を3つほど握らせることで問題はなくなりました。私が身分…
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【第三章 潜入】第三十九話
/*** リア(リーリアの偽名) Side ***/ 「リア様」 人族に、ご主人様が私のために考えてくださった、名前を呼ばせるのは、業腹なので、”リア”と呼ばせる事にしています。 獣人族を襲っていた冒険者のリーダーの男です。名前は忘れてしまいました、人族1とでも呼んでおきましょう。人族1の中の私が、話しかけてきます。 「どうしました?」 「近くに、人族の集団が居ます。どうしますか?」 「敵ですか?」 「この者が言うには、アンクラムの兵の様です」 「わかりました。使える人族は何人ですか?」 「この者を入れて、…
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【第三章 潜入】第三十八話
/*** リーリア Side ***/ ご主人様から、武器携帯のご許可を頂いた。 そして、人族が多く住む、アンクラムの街に向かっている。ご主人様が、私のスキルを隠蔽してくれて、種族も隠蔽してくれた。偽装じゃないので、種族が見えない状態になっているので、怪しまれる可能性があると言われたが、仲良くなった、ナーシャさんが言うには、人族でも、種族を隠蔽している人は居るので、それほど不自然ではないと言われた。 ただ、アンクラムでは、面倒な事になるかも知れないと言われてしまった。 ご主人様にも同じような事を言われて、そ…
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【第三章 潜入】第三十七話
/*** リーリア・ファン・デル・ヘイデン Side ***/ ご主人様に、スキルと名前を貰って、はじめての仕事だ。 人族を操って、アンクラムの街に潜入すると言うことだ。 潜入自体は、それほど難しいものではないが、”戦闘訓練だけはしていきなさい”と、カイ兄に言われた。 そうそう、カイ兄さんから、”さん”は外してと言われましたので、カイ兄。ウミ姉。ライ兄。と、呼ばせていただくことになりました。 確かに、私ができる事は、簡単な護身術だけで、あとはご主人様に喜んでいただけるような事しか学んできていない。 私のテク…
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【第三章 潜入】第三十六話
実験を担当している、エントやドリュアスを呼び集めてもらった。 /// 実験1 50階層で取れた卵を、低階層で育てることができるか? 確保/観察も、50階層で活動できる、進化済みのエントが担当していた。結果は、卵が孵らなかった。同じ時期に、産まれたであろう、卵を階層を変えて、観察してみても、同じ階層以外では、孵らなかったということだ。 有精卵でなかった可能性も考慮して、何回か実験するように指示を出していたが、同じ結果だ。 紐づけされているのか、それとも何か違う法則があるのかわからないが、孵らないんでは、その後…
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【第三章 潜入】第三十五話
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/ 非常に困惑している。一昨日の様子だと、明日にも、ミュルダに向けて、兵を進めようとしていた、アンクラム・・・いや、アトフィア教のやつらが、急に尻窄みになったと報告が届いた。時間差があるだろうが、一昨日まで来ている情報では、確実に兵と兵站をまとめていたようだが、昨日の報告では、一部のアトフィア教・・・狂の奴らが、騒いでいるだけで、兵も解散されているようだ。 それに、街に居た奴隷-隷属された-獣人の姿が見えなくなっていると報告に上がっている。 …
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