ご都合主義の記事一覧
2020/08/30
【第三章 裏切り】第二十三話 密約
/*** リン=フリークス・テルメン ***/ おはようございます。 今、俺は身動きが取れない状況になってから、30分が経過している。 昨日寝る時に、二人の美少女に抱きつかれて寝た事は覚えています。そして、今、大丈夫だと勝手に判断した。その時の、自分を殴ってやりたい気持ちでいっぱいです。 昨日寝る時のマヤとミルの服装を思い出しましょう。 日本風に言えば、ワンピース上の寝間着です。それも、日本製と違って、誰でも着られるようにか、ダボッとした作りになっています。 そして、マヤに関しては解っていた事で…
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【第三章 裏切り】第二十二話 面談
/*** リン=フリークス・テルメン ***/ フェムの所から、宿に帰ってきた。ひと仕事終えた感じがして、ご飯も食べないで休みたい気持ちになっている。こういう時に、風呂があればと思ってしまうのは、日本人の気持ちを思い出したからだろうか? 今の所は、無い物ねだりをしてもしょうがない。 どこかで、風呂を作ってもいいかも知れないな 宿屋までの距離が近いのはこういう時に便利だ。宿屋に入って、連泊している部屋番号を告げる。 「あっその部屋番号。新しい部屋に移られていますよ?」 「へ?」 「妹さんと、友達になっ…
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【第三章 裏切り】第二十一話 白い部屋
/*** フェナサリム・ヴァーヴァン Side ***/ 不思議な感じがする人だ。 私たちが使っている部屋から出ていく時にも、1人1人に挨拶をしていった。スキルの事もあるが、それ以上に資金提供を申し出てくれた。 そして、懸案事項で出ていた、トップ人事に関しても、彼がアイディアをくれた。 本当に、リン=フリークス・テルメンは、神崎凛ではないの? 皆、同じ疑問を持っている。まず、なんと言っても、”ミル”が、リン=フリークス・テルメンの妹の所に行って帰ってこない。もともと、本人から”別行動をする”と言わ…
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【第二章 転生者】幕間 ウォルシャタ・フォン・アゾレム
/*** ウォルシャタ・フォン・アゾレム Side ***/ やっと王都に着ける。 全部、あのマガラ渓谷で落ちたやつの責任だ。なんで俺様が居るのに、止められなければならない。 俺様が大丈夫と言ったのに、何を調べると言うのだ! 頭が悪い奴らだ。 アロイの警備兵も、メルナ街の警備兵の奴らも、俺が何者かわかっていないのだろう。 おかげで、2日以上遅れてしまったではないか! — 事実、アゾレム御一行は、予定よりも2日遅く、リン達がパシリカを終えた3日後に王都に到着することになる。 アゾレ…
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【第二章 転生者】第二十話 資金援助
/*** リン=フリークス・テルメン Side ***/ 全員の話を聞いて、真命を変更して、ジョブの変更を申し出る場合には、ジョブの変更を行って、スキルの隠蔽を行う。 皆で、集まって、サリーカが鑑定で見ていく、全員が無事変更できた事が確認できた。 3時間ぶっ続けで、女子と話をしていた事になる。 それも、全員可愛い女の子だ。精神的にも疲れた、話の端々に、日本や地球での事を織り交ぜてくる。誰のアイディアか聞きたくなってしまう。どうせ、サリーカかフェムのどちらかだろう。ひとみならど直球で聞いてくるだろう。…
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【第二章 転生者】第十九話 隠蔽作業
/*** リン=フリークス・マノーラ Side ***/ ドアがノックされて、マヤが、僕・・・俺の首から離れる。 そして、3人の美少女を招き入れる。 二人とは面識がある。もう1人が・・・・静川瞳(イリメリ=ジングフーベル・バーチス)だ。椅子の準備ができなかったので、2つある椅子を、イリメリとフェムに座ってもらう。ミルとマヤは、ベッドに腰掛ける。その横に、俺が座る格好になる。 少しいびつだがしょうがない。ひとみもすごく美人だな。ミルとは違った感じだけど、白じゃなくて、銀髪なのだろうな。 アニメの中に…
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【第二章 転生者】第十八話 協力体制
/*** マヤ=テルメン・マノーラ Side ***/ 僕は、ミルに付き合って、夜の蝶に向かっている。 ミルの説明では、ここに8名の女性が揃っている事になる。あと1名を見つければ、リンの協力者候補が揃う事になる。 あの時の声が言っていた娘は、ミルだと思う。フェムも波長があうというか、近い感覚が有った。ミルを知らなければ、フェムだと思ったかも知れない。ミルと握手した時に感じた同調感はすごかった。まるで、1つの身体かと思うくらいだ。 でも、他の娘がミル以上になるかも知れない。 ミルは是非キープしたいが…
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【第二章 転生者】第十七話 密約
「ミル。実験に付き合って欲しいけど時間大丈夫か?なにか、約束があるのなら、言ってね」 「大丈夫。リンの方が大事」 「うっうん。ありがとう」 僕の両親の話しがあるとはいえ、ここまでしてくれる理由がわからない。 でも、いつもなら、怒り出しても不思議じゃない、マヤが今日は静かにしているし、わからないけど、ミルに寄り添っているようにさえ思える。 機嫌悪くなるよりもいいのだろうな。 「ミルの真命を変えるのと、鑑定でも見えないように、隠蔽してみよう。あと、ジョブも変えよう」 「え?やってくれるの?」 「うん。実際…
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【第二章 転生者】第十六話 鑑定と隠蔽
/*** ミトナル=セラミレラ・アカマース(鵜木和葉) ***/ 宿屋は、朝早くに出た。 そして、フェムの店によって、今日一日用事があると告げてから、門に急いだ。僕が遅れるわけには行かない。凛くんを待たせる訳にはいかない。 よかった。 まだ来ていない。来ないかも知れない。でも、このアドラの”ゲーム”の意味がわからないとは思えない。21人のサバイバルではない。凛くんの奪い合いになるのは間違いない。茂手木くんというジョーカーが居る。でも、僕が知っている事実。これが多分重要な意味を持ってくる。 重久さん…
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【第二章 転生者】第十五話 内緒話
/*** ??? Side ***/ 「どうだ?」 「はい。例年通りです」 「そうか?宰相派閥の貴族がパシリカに来たら、別室に通せよ」 「心得ております」 「まぁそうしないでも、奴らは、”特別”を求めるだろうからな」 「はい。嘆かわしい事です」 1人は、法衣を着ている事から、教会関係者である事がわかる。 もうひとりは、法衣を着ていない。貴族なのだろう。小奇麗な格好をしている。 もうひとり、黙って、二人の話を聞いている人物が口を開いた 「今年、問題になりそう者は?」 「はっアゾレム男爵の跡継ぎがパシリカ…
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【第二章 転生者】第十四話 協力者
和葉から接触してきた。 ”日本語”で書かれている事から、転生者で間違いはない。しまったな。アドラに、転生者は21名だけか聞いておくべきだったな。 重久に、否定されても、和葉は、僕が転生者だと認識したのか?何故そう思ったのか聞きたい。魂が呼びあったからとか言われなければ、何かしらの対策が取れるだろう。 風取り窓から外を見るが、誰の姿も見えない。和葉は、もうどこかに行ってしまったのだろうか? こういうときに、探索系のスキルがあると嬉しいのだけどな。 考えてもしょうがない、明日、和葉が待っていると行っ…
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【第二章 転生者】幕間 鵜木和葉
/*** 鵜木和葉 Side 研修前 ***/ 明日は、学校行事がある。その準備の為に街に出てきた。買物を終えて帰ろうとしていたら、美和さんから連絡が入った。 調査内容の報告をしたいとのことだ。美和さんの事務所が、少し遠い場所のために、行くことは現実的に難しい。美和さんが街での用事を終えるまで待ってくれるのなら、その後で時間が取れるとの事だ。 どうせ、部屋に帰っても一人だし、明日からの学校行事に備えて冷蔵庫の中も空っぽになっている。 ファミレスで待っていると美和さんに告げると、ファミレスだと話が聞か…
続きを読む2020/08/29
【第二章 転生者】第十三話 コンタクト
マヤと二人で、食堂に向かった。 昨日も入ったのだが、今日は昨日よりも緊張する。マヤが隣にくっついているのも理由の1つだが、奥からの視線が痛い。 食堂に入ると、店主が近づいてきた。 「おすすめ2つ」 「エールはどうする?」 「エールはいらないので、何か酒精が入っていない物を2つ付けてください」 「はいよ。二人分で2,500レインだ」 銅貨25枚。貨幣価値は、わかったが相場が解らない。言われた金額をテーブルに置いておく。 料理を持ってきたときに、持っていくだろう。 「おぉ座って待ってろ」 店の奥で女…
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【第二章 転生者】第十二話 目覚め
さてどうしようか考える。 体調が悪かったのも収まって来たし、まずは同級生達に合わないで、逃げる算段をしないとダメだな。 立花たちは当然として、ひとみにも会いたくないなな。最後に、あんな態度取ってしまったからな。謝りたいけど今更だろうな。 和葉に会って、なんで”あんな”行動に出たのか、聞きたい。 それにマヤだ!マヤが、同級生だったらどうしよう。 マヤが出てくるまで時間が有るし、今のうちに、スキルの確認をしておこう。 真命:神埼凛(1) ジョブ:動物使い 体力:80 魔力:80 腕力:70 敏捷性:…
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【第二章 転生者】幕間 鵜木和葉
/*** 鵜木和葉 Side ***/ この部屋とも、今日でお別れ。 明日から、また、あの街に、戻ることになる。自分の意思で、戻る事にした。私の事は、誰も知らないはずだけど、それでも、何が、起こるか解らない。 両親は、2年前に、車の事故を起こして、他人を巻き込んで死んだ。 両親に、ある程度の資産があったことや、巻き込んだ相手が新聞記者だった事もあり、かなりマスコミで、騒がれた。私の事も、一部週刊誌が写真入りで、取り上げていた。親の遺産は、全部、私に相続されたが、叔父が、管理するといい出した。 正直…
続きを読む2020/08/29
【第二章 転生者】幕間 転生者(女)たち
/*** 静川瞳 Side ***/ 私は死んでしまったようだ。 立花君達と凛君のいざこざの為に、バスの出発が予定よりも遅れてしまったことが、影響しているのか解らないが、バスが事故に合ってしまったらしい。 先生に、理由を説明しないとならなかった。私がこんな目に合わないとならないの? 凛君とは、家が隣同士で、幼馴染だったけど、中学までは、違う学校だったし、高校に入ってから、先生に言われて、気にかけているだけなんだけどな。 確かに、凛君は、同級生とは思えない落ち着いた雰囲気がある。弟さんや、ご両親が、…
続きを読む2020/08/29
【第二章 転生者】幕間 転生者(男)たち
/*** 立花肇 Side ***/ 俺は、立花肇。立花家の長男として生まれて、今年で13歳になる。 もう中学になっているし、お父さんも、俺を”跡継ぎにする”と、言ってくれている。 お父さんは、この国会議員で、この街で一番えらいと言っても間違いない。その息子で、跡取りだから、俺もお父さんの次位に偉いと言っても間違いじゃない。その証拠に、誰も俺に逆らわない。 身体も、同級生の中で一番背が高くて力もある。俺に逆らうやつはもう居ない。大人も俺に挨拶をするし、お父さんに連れられてパーティに行けば全員が俺に頭…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第十一話 パシリカ
アロイからニグラまでの行程は、荷馬車の上で過ごせた。ファボスさんの話を聞きながら過ごせた事も大きかったが、奴隷との話もいろいろ参考になった。 マヤと僕が、どれほど世間知らずだったのかがよく分かる。特に、領主の評判は、僕達が思っていた以上に悪い物だ。生活には、それほど影響は出ていなかったが、商隊で訪れる時などは、他の領以上の税が課せられている。 その為に、往来する商隊が減ってしまう。減ってしまった商隊からの税を補うために、探検者や護衛任務にも税が課せられるようになってしまった。そして、フリーでやっていた…
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【第一章 目覚め】第十話 ニグラ到着
マガラ渓谷に突き落とされた。無事命をつなぐことはできた。 暫く経ってから、二人で地図を確認しながら、アロイに戻る事にした。 魔物の襲撃もあるかもしれないので、最大の警戒をしつつ動き始めた。 洞窟の中を進んでいると、 「ねぇリン。あれって何?」 洞窟の中に、何か鈍い光を放つ球体が、幾つか転がっていた。 球体を手にとって見る。鈍く光っている事には違いが無いが、大きさや形がバラバラなのが解る。 何か分からないが、マジックポーチに放り込む。 「!?」 「どうしたの?」 「マジックポーチに入れたら球体の…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第九話 マガラ渓谷
結局昨日はマジックポーチを確認しないで寝てしまった。 ナナが言うには、マジックポーチは大きさが限られているし、袋の中の時間は通常よりはゆっくり進むが、止まっているわけではないから、腐ってしまうような物を入れる場合には、注意しろとの事だ。 母さんの事だから、気にしないで袋の中に入れている可能性がある。夜に荷物を盗まれた事もあるから、しっかり確認をしておく必要がある。 それにしても、マヤは本当によく寝る。 今も、ベッドを専有して寝ている。移動中にまた荷物を狙われるかもしれないし、マジックポーチを持って…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】幕間 領主の息子と取り巻き
そこは、アロイの街でも一番と言ってもいい豪華な宿の一室だ。 一人の若者がソファーに座っていた。陽も沈んで辺りを闇が支配している。 豪華な部屋には不釣り合いな、小汚い袋が一つ、若者の前に置かれていた。 床には、袋の中身だと思われる物が、散乱していた。安っぽい服や食料品がゴミのように扱われていた。 「おい。間違いなく、あいつらの部屋の荷物はこれだけだったのか?」 「はい。ウォルシャタ様」 「むっふむ・・・」 「どうかされましたか?」 「あいつらはこれ以外に荷物を持って居なかったか?」 「男が、外に出るの…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第八話 アロイの街
柵の中に入って、一息付くことが出来た。まだ、街に入れているわけではない。 街に入るには身分証の提示が必要になって、そこでも時間が取られるのだが、身分証を確認されること無く通過出来た。 領主の息子が仕切りたがっているのか、街の中央に集合するように言っていた。 少し開けた広場の様な場所で、何やら偉そうに語っていたが、『俺様が、居たから”ここ”まで無事に来られた。明日には、マガラ渓谷を、越えるけど安心しろ』といいたいようだ。 「ねぇ。リン。」 「ん?」 「アイツは何が言いたかったの?」 「あぁ”俺様がすご…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第七話 アロイへ
ニグラにむかう為に、門の前に集まっている。 領主からありがたいお言葉があるらしい。そこに現れたのは、領主の息子のウォルシャタだった 「ウォルシャタだ。俺がお前たちをニグラまで連れていく、安心しろ」 領主が現れた 「護衛も腕利きを用意した。護衛の指示もウォルシャタが行う事になる。安心して行程を進んで欲しい」 護衛が一人ずつ簡単に名前と役割を話していく。 護衛のリーダらしき人間が日程の説明をしている。 日程は以前から知らされている通りだったが、領主の息子が先頭を歩いて、村ごとに隊列を組んで歩く事にな…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】幕間 領主の館
領主の館では、ウォルシャタのパシリカへの出立祝いをしていた。 「ウォル。出立の準備はできているのだろうな?」 「無論。しっかりパシリカでアゾレム家に相応しいジョブを授かってきます」 「期待しているぞ。騎士職でも魔法職でも、お前なら十分使いこなすことが出来るだろう」 「ウォルシャタ様なら間違いありません」 各村や領主の街から、同じ時期にパシリカを受ける数名が、領主の息子である、ウォルシャタを囲んで話をしていた。 「そうだろう。この前、コボルトを成敗したのだから、間違いなく騎士職になるだろうからな」 そう…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第六話 暗雲
小鳥たちが、なにかを訴えている。 僕たちにだけ発生している事なのか、それとも、街全体なのかわからない。でも、僕に小鳥たちが、警戒を訴えているのは間違いない。 僕に抱きついて、だらしなく寝ているマヤを起こした。 「リン。どうしたの?」 「鳥が何か騒いでいる、何か有ったかもしれない。マヤ」 僕の真剣な声に、マヤが一気に覚醒する。 こういうときのマヤは昔から感覚が優れている。マヤの感に救われた事もあった。 小鳥たちの警戒はすでに少なくなっている。 マヤも何か有ったのだと感じて、見紛えた。携帯していた…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第五話 兄妹
領主の街に着いた、辺境だといっても領主にまでなった人が住んでいる街なので、僕達が住んでいる村と違って、いろいろ進んでいる。 城壁と言われるような物もあり、魔物の侵入を拒んでいる。城塞都市と呼ばれているのもうなずける。 数年に一度魔物が、大量発生して襲ってくる時でも、町を守ることが出来るとの事だ。 村や城砦がない場所が、襲われたときには、”奇跡の力”を使う”アウラ・パラティア”のマルクトが近隣にいてくれればいいが、そうでない場合には、街一つが魔物に寄って滅ぼされてしまう。 領主の城下町は、城壁のおか…
続きを読む2020/08/29
【第一章 目覚め】第四話 リンとマヤ
僕は、動物の声を聞きながら、微睡みの中にいられる。この時間が大好きだ。 その静穏を壊す声が聞こえてきた。 「リン。どこにいるの?隠れていないで出てきなさい。」 「何?マヤ。何か有ったの?」 「やっぱりここに居たのだね。リン。」 「なんだよ?僕は忙し「何言っているの?どうせ、寝ていただけでしょ」」 僕に最後まで言わせないで、僕が上っている木の幹を蹴る。 「村長が、リンの事を呼んでいたよ”すぐに来い”ってさ」 「いいよ。面倒だし、見つからなかったって言っておいてよ」 「ダメだよ。降りてこないのなら、木を蹴…
続きを読む2020/08/20
【第九章 神殿の価値】第十九話 リーゼの仕事
「ねぇヤスは?」 リーザは、ファースト(専属メイド)に神殿の主であるヤスの居場所を尋ねる。 「セバスの話では、明日には帰ってくるそうです」 「わかった。明日だね。ねぇ僕が相談したいことがあると言ったらヤスは会ってくれるかな?」 「大丈夫だと思います。事前に、お伝えしておきますか?」 「え?あっうん。お願い」 ファーストが、すぐにリーゼの家から出て、神殿に向かった。 セバスかツバキに、リーゼの要望を伝えるためだ。 幸いなことに、セバスが神殿に居たので、リーゼの要望を伝えた。 セバスは、マルスに伝達を…
続きを読む2020/08/14
【第九章 神殿の価値】第十八話 ヤス。爆走中
『マスター。個体名サンドラから依頼が入っています』 「ディアナに出してくれ」 『了』 ヤスは、ディスプレイに表示される文字を目で追う。 目的地も解る。荷台が空にならないように、サンドラやドーリスが調整をしてくれているのが解る。 今の荷物を運び終わってから空荷になるのはローンロットまでだな。 「マルス。積み込みは?」 『おおよそ、52分で終了します』 「わかった。少しだけ寝る。終わったら起こしてくれ」 『了』 ヤスは、居住スペースに移動する。 もともと、改造されて快適に過ごせるようになっていた居住ス…
続きを読む2020/08/09
【第九章 神殿の価値】第十七話 物流倉庫
ヤスは、各地に出来た拠点に荷物を運んでいた。 拠点から拠点に荷物を運んでいる。主に、建材に使うような物が多く、馬車ではそれこそ、数ヶ月にも渡って搬送しなければならない建材も、ヤスなら1-2日で搬送できる。それも、馬車の何倍もの量を積んでも大丈夫なのだ。 「旦那様」 「あぁ今日、神殿の主が来たのだったな。どうだった?」 「・・・。はい」 「どうした、正直に話せ。何か、無茶なことをいいだしたのか?それなら、辺境伯に苦情を言わなければならない」 「いえ、違います。神殿の主様は、ヤス様と名乗られまして、その荷物…
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