チートの記事一覧

2023/01/16

【第五章 共和国】第四十七話 男たち

観察を続けたが、エイダからの報告でも、それらしい反応を見つけることが出来なかった。ダンジョンの内部に、黒い石や関連する物も発見が出来ていない。 アルバンとカルラには、ダンジョンに入ってもらって、低階層を周ってきてもらった。 列は途切れないが、ダンジョンから出たばかりの者には救済処置が存在している。 話を聞くと、補給を行うために出てきて、並びなおしている間に、ダンジョンの中で待っている者たちが死んでしまった事例が重なって、ダンジョンから出た当日と翌日は簡単な検査だけでダンジョンに入ることができる。らしい。抜け…

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2023/01/15

【第七章 神殿生活】第十話 アデー

会議室に入ってきた、ミトナルの肩に座っていたマヤがいきなり、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを愛称で呼んだ。 呼ばれたアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアも、目を”パチパチ”して、マヤを確認している。 そして、不思議な物を見たような表情で、マヤと名前を呼んだ。 知り合いのようだ。 そして、俺がアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを知っている事が前提にあるようだ。 アデレード殿下を見ると、俺を見て少しだけ困った表情をしている。 何に、困ることがあるのだろうか? 「マヤ」 「何?」 マヤが…

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2023/01/03

【第五章 共和国】第四十六話 地上

地上には一気に戻らなかった。最下層のボスが居た場所には、魔法陣が出現している。 一気に戻る方法は存在している。戻る場所がダンジョンの外側に設定されているために、使うのを躊躇っていた。エイダの解析でも、設定の変更は不可能だと言われてしまった。ダンジョンに組み込まれている機能のようだ。オーバライドが可能かもしれないが、解析を行って、組み込みを作るのなら、俺たちしか使わないことを考えれば必要がない。入口近くに転移するゲートを設置したほうが合理的だ。 「カルラ。アル」 二人を呼び寄せて、俺の考えを伝える。 「兄ちゃ…

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2023/01/01

【第七章 神殿生活】第九話 案内

揉めるかと思ったが、ゲートを入る順番は最初から決めていたようだ。 最初は、ナッセ・ブラウンが入った。 フェナサリム(重久真由)が続いた、最後に残ったのは、イリメリ(静川瞳)だ。 タシアナ(韮山里穂)の弟や妹たちは、まだ商隊と一緒に待機してもらっている。まずは、ギルドのメンバーと商隊の主要メンバーだけが、神殿に入ることに決まったようだ。順番や神殿に向かう人選は、関与していない。 俺とセバスチャンで、ゲートの周りを確認する。 「セブ。こっちは頼む。後で、眷属を向かわせる」 「わかりました。いってらっしゃいませ」…

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2022/12/18

【第七章 神殿生活】第八話 通行証

「リン=フリークス」 リカールが、背筋を伸ばして、俺を真正面から見ながら、名前を呼んだ。 見ていた書類から目を離して、リカールを見つめ返す。 「なんでしょうか?」 「サリーカの言葉を信じて、ここまで来た。まずは・・・」 リカールの言葉を遮る形になるが、手を上げた。リカールも、俺の意図が解るのだろう。言葉を切って、俺を見て来る。 「わかりました。神殿に行きましょう」 安堵の表情を浮かべる。 何があるのか解らないが、商隊の中での駆け引きがあるのだろう。 「助かる。父が・・・。商隊長が煩くて・・・」 父?サリーカ…

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2022/12/06

【第五章 共和国】第四十五話 設定?

扉を抜けると、階段が見えた。 下の階層に向うようだ。 降りていくと、途中で二つに別れていた。 一つは、扉で塞がれている。 もう一つは、扉はついていない。 「扉がないのは、地上に戻る部屋か?」 「わかりませんが、その可能性が高いでしょう」 扉に触れると、面倒な”箱”が現れた。寄木細工だ。 「兄ちゃん?」 「ん?アル。やってみるか?」 「うん!」 アルバンに寄木細工の箱を投げ渡す。簡単に説明をするが、俺もそこまで詳しくない。 振ると、何か入っているのが解るが、そのまま蓋を開けたのでは、鍵は取り出せない。 俺も、…

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2022/12/06

【第七章 神殿生活】第七話 セトラス商隊

料金や運用を、セバスチャンに任せて、神殿に戻った。 屋敷の隣に設置したゲートの確認の意味もあった。 「ロルフ!」 ゲートの設置場所にロルフが居た。 俺を待っていたわけではないようだが、タイミングがよかった。 『マスター』 「何組のゲートが設置できる?あと、ブロッホやヒューマからゲートの設置依頼はあるのか?」 『マヤ様とミトナル様が、整理をリソースへの還元を行っています。現状では、残りは6組です。リソースへの還元が終了すれば、10組になる予定です』 「そうか・・・」 まずは、ギルドへの依頼をしなければならない…

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2022/11/28

【第五章 共和国】第四十四話 最適解

透明な扉は突破した。 最下層のボスは討伐した。 奥に進むための扉が開かない。 扉は、鍵がかかっている状況には思えない。 両開きの扉で、隙間があり、閂などが見えない。ダンジョンのギミックで、扉が閉められていると考えるのが妥当だろう。 扉の近くを探していると、後ろに気配を感じた。 「兄ちゃん!」 アルバンの声に驚いて、後ろを振り向くと、先ほど倒したオルトロスが現れた。 まだ臨戦態勢ではない。 時間の問題だろう。 オルトロスが現れたと同時くらいに、調べていた扉が消えて、壁に変わる。やはり、オルトロスと扉は連動して…

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2022/11/28

【第七章 神殿生活】第六話 料金設定

屋敷に戻って、セバスチャンにゲートの説明を行った。 仕組みは、俺も理解していないので、”こういう物”とだけ理解をしてもらった。セバスチャンと屋敷に戻って、神殿側のゲートやアロイ側に作ったゲートに関する修正箇所の聞き取りを行った。セバスチャンが考える問題点を上げてもらった。 簡単に言えば、貴族用は手続きを煩雑にして、”自分が優遇されていると思わせる方がいい”という事だ。簡素な手続きでは、面倒な貴族や豪商は、軽く見られると思うようだ。神殿側のゲートを出た先に、貴族用の個別の部屋を設置する。ここで、手続きを行うの…

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2022/11/14

【第七章 神殿生活】第五話 神殿街

ゲートの設置が終了した。 隣の部屋に居るはずの二人を呼ぶ。 俺がゲートを設置している時に、マヤとミトナルが戻ってきた。作業をしていたので、二人にはロルフの作業を手伝ってもらっている。 「ミル!マヤ!」 先に反応したのは、マヤだ。 妖精の姿のまま、俺の肩まで飛んできた。 そのあとを、ミトナルが駆け寄ってくる。その後ろを、ゆっくりとした速度で、ロルフが続いている。 俺が信頼できる3人?だ。 「終わった?」 「ゲートの設置はできた。猫人族は?」 マヤが、抱き着いているミトナルの頭の上に戻って、俺に説明をしてくれた…

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2022/11/07

【第五章 共和国】第四十三話 透明な扉

黒い獣の集団を駆逐して、下層に向う。 次の階層には、魔物は居なかった。予想はしていた。黒い獣の集団は、一つの階層だけの魔物ではなかった。 「エイダ。黒い石が無いか調べてくれ」 『了』 下層に向う階段を探しながら、黒い石を探す。 階段を見つけるまでに、13個の黒い石を発見した。実際には、もっとあるのだろう。エイダの探索にも限界はある。 黒い石が機能していることから、このダンジョンも制御室があるはずだ。 最下層に設置されているはずの、制御(サーバー)室(ルーム)で”黒い石”を一斉に駆除したい。一斉の駆除が可能な…

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2022/11/06

【第七章 神殿生活】第四話 ゲート

ロルフと一緒に、支配領域を確認する。 「ロルフ。マヤは?」 「マヤ様は、ミトナル様と一緒に猫人族に神殿の案内をしています」 「そうか・・・。猫人族は、馴染めそうか?」 「はい。マヤ様が、お話を聞いて、神殿の一部・・・。訓練場所に指定していた場所を、猫人族用に変更しました」 「それはよかった」 「はい」 セバスチャンから渡された書類を見ながら、支配領域に組み込む場所を確認する。 結果、かなりの領域が、支配領域に組み込まれる。 まずは、メルナの屋敷と屋敷の周辺を支配領域に組み込む。建物があるためなのか、予想より…

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2022/11/02

【第五章 共和国】第四十二話 黒い獣

攻略組のベースキャンプは、61階層にも存在していた。 最前線は、一つ下の階層にキャンプを構築していた。階段付近は、キャンプに適していなかったようで、少しだけ離れた場所に構築を行っていた。 俺たちは、攻略組に気が付かれないように、迂回しながら下層に向かった。 63階層からは、索敵範囲を広げても、魔物以外はヒットしなくなった。 「アル。カルラ。エイダ。手加減は無用だ。最短で最下層を目指す」 64階層も同じ状況だ。 今までは、戦闘時に使うスキルを制限していた。 スキル発動時の音や魔物を撃退するときの波動で、同じ階…

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2022/11/01

【第七章 神殿生活】第三話 過去

私は、セバスチャン。奴隷だ。 前の主人は立派な人だった。小さな領の代官だったが、一代で叙勲して、準男爵を経て男爵に陞爵した。子爵にもなるのではないかと言われていた。 領地を得てからの旦那様は、領民には優しく、味方となった者には、どこまでも誠実に対応した。 敵対した者には徹底的に戦った。特に、領民を不幸にする敵対者には、慈悲を与えない。係累には手を出さないが、関係した者は徹底的に潰した。相手が、上位貴族でも矛を収めなかった。 味方も多いが、敵も多かった。 特に、近隣貴族であるアゾレムとはそりが合わなかった。 …

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2022/10/26

【第五章 共和国】第四十一話 攻略

カルラに聞いても、攻略組がこのダンジョンに拘っている理由は解らなかった。 最難関と言われているダンジョンを攻略すれば、名誉なことだが、同時に攻略して、俺たちの様に永続させる方法が無ければ、ダンジョンの破壊に繋がる。最難関のダンジョンだ。同時にアタックしている人間は、10や20ではない。万に届く可能性もある。 それらの人間がどうなるのか?俺たちがやっているように、ダンジョンを乗っ取っていくのなら、アタックしている者たちは何も気が付かない。しかし、ダンジョンが破壊されてしまったら・・・。俺たちだけなら、逃げるの…

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2022/10/25

【第七章 神殿生活】第二話 契約と神殿

屋敷に移動すると、セバスチャンが出迎えてくれた。 「旦那様」 「セブ。屋敷は大丈夫か?」 「はい。後は、旦那様が譲渡に関する契約書にサインを行えば終了です」 「契約書?何か、問題があったのか?」 「聞いていた話では、譲渡では無かったので・・・」 「ん?譲渡?セブが聞いていた話と違うのか?」 「はい。王家から渡された書類では、旦那様に譲渡されると記載されています」 「何か問題か?」 「問題は、ありません。税も、免除されることになっています。契約の内容だけの判断ですが、貴族家・・・。それも、伯爵と行う譲渡契約に…

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2022/10/20

【第五章 共和国】第四十話 攻略組

男から、話を聞いていたら、列が動き出した。 列の横を、豪奢な馬車が駆け抜けていった。どうやら、貴族は、突入を諦めたようだ。後ろに居る騎士たちが安堵の表情を浮かべているので、よほど”慕われている”貴族なのだろう。騎士風の男たちは、貴族家への称賛(陰口)を忘れない。馬車に乗っている者の情報を、べらべらと話してくれている。それも、待機列で待っている者たちに聞こえるように・・・。 やはり、男が想像した通りに、貴族家が治める領地にあったダンジョンから食料だけではなく、貴族家として戦略物資になっていた物もドロップしなく…

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2022/10/16

【第七章 神殿生活】第一話 殿下と騎士

当初の計画の3倍以上の時間をかけて、神殿に向かうことになった。 些細な問題は発生したが、概ね予定通りに進むことができた。 3倍の時間が必要になったのは、殿下・・・。の、責任ではなく、殿下に付いてきた騎士たちが、当初の計画に苦言を呈してきた。 曰く 「殿下がお疲れになる」 曰く 「殿下の為の休憩が少ない」 曰く 「殿下の食事が質素だ」 曰く 「殿下が・・・」「殿下が・・・」 騎士たちが最初からこの主張をしてきたのなら、素直に”殿下の為”というセリフを信じられるのだが、ハーコムレイが神殿まで一緒に行動しないとわ…

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2022/10/02

【第六章 ギルド】第三十四話 移動

皆が合流した。 ミルとミアも訓練施設から会議室に移動してきた。レオはしっかりとミアの側に居る。護衛として、役割を守っているのだろう。 ミルが右側に陣取って、ミアが左側にレオと一緒に居る。 話は、ハーコムレイが主導する形で進んだ。 この場には、最初だけカルーネとフレット・コンラートとアルマールが姿を見せたが、ハーコムレイが神殿に向かわないものは退出してくれというと、何か言ってから、会議室から出て行こうと立ち上がった。 ハーコムレイが、彼女たちに追い打ちを掛ける。この建物は好きに使っていいが、辺境伯家からの支援…

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2022/09/13

【第五章 共和国】第三十九話 噂話

カルラの案内で、共和国で一番大きな国であるデュ・コロワ国の首都に到着した。 移動は、人に見られない場所を全力で駆け抜けた。 ステータスが上がっている関係で、それほど疲労はしていない。 「兄ちゃん?」 「解っている。アル。耐えろ」 アルが音を上げている。俺も、かなり辟易している。 首都に入るのは楽に入られた。王国の貴族章を使わなくても、カルラが用意した”商人”の身分で楽に通ることができた。 宿も、確保できた。 カルラが、報告のために一時的に離れたが、俺とアルで武器や防具や消耗品の点検をしていた。 報告が終わっ…

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2022/09/13

【第六章 ギルド】第三十三話 詰問

ルナが何かまだ考えている。 少しだけぬるくなってしまったお茶に口を付ける。 誰が入れているのか解らないけど、おいしい。 ミルと一緒に野営している時には、ミルが飲み物を出してくれたけど、お茶はなかった。設備がないししょうがない。神殿に戻ったら、調理器具を含めて整備しよう。 「リン君?」 「なんだ?」 「ローザス殿下との話を聞いた?」 「ローザス?あぁルナが婚約者なのだろう?」 「!!違う。違うからね。婚約者候補。いい。候補!婚約者じゃない!」 ルナが椅子を倒す勢いで立ち上がって、テーブルに手をついて訂正してく…

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2022/09/06

【第五章 共和国】第三十八話 最難関

黒い石の正体は、待機型のスクリプトだ。”I Love You”ウィルスだ。乗っ取り方ではない。破壊タイプだ。 接触して、魔力の供給を受けると、スクリプトが実行される。バイナリでの配布ではないので、スクリプトを実行するためのバイナリが、ダンジョンに依存している。 ワクチンでの対処が可能だが、単純な仕組みだけど、侵入されてしまった魔物を元に戻すのは不可能だ。侵された部分をパージすればよいかと思ったが、スクリプトを見ると、上書きしてしまっている。同種の魔物からデータを複写する対処も考えられるが、討伐対象なので、討…

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2022/09/05

【第六章 ギルド】第三十二話 認定?

アデレード殿下を匿う約束をして、他にも細かい話をした。特に、アデレード殿下を匿うことで発生する費用負担だ。全面的に、王家が用意すると言っているが、実際にどうやって負担するのか考える必要がある。 ハーコムレイもローザスも、アデレード殿下がわがままを言わないと言っている。 ローザス一人の意見なら信じなかったが、ハーコムレイも”自分の妹と同じ”だと言い出したので、問題は無いだろう。 ルナと殿下を比べられても、俺には判断ができない。 そもそも、二人を比べる必要性があるとは思えない。 「アデレード殿下とルアリーナ嬢は…

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2022/08/24

【第五章 共和国】第三十七話 ワクチン

データの移行が終了した。 切り替えは、平行作業で行える。ホットスタンバイのような物だ。 接続は、RS-232Cを使っている。PC-88シリーズでもRS-232Cなら接続ができる。ケーブルが接続された状態で、モデムに繋がっている。モデムが接続状態になっているので、モデムを経由してダンジョンを維持している。 モニター上には、PC-88が制御を行っている状況が表示されている。 移行した端末を起動する。 移行した端末の起動が終わって、ダンジョンに接続が行われる。 通常のシステムよりも、簡単に切り替えができる。 デー…

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2022/08/23

【第六章 ギルド】第三十一話 分裂

ハーコムレイが何も言ってこない所を見ると、既に決定事項になっているのだろう。 領地?が増える? ほぼ、西側の森を、俺に渡す意味があるのか? よくわからない。くれると言うのなら貰うけど、統治とかあるのなら断ろう。俺には、統治や領地運営なんてできない。 「それで?」 「ん?」 ローザスがいきなり”何を言っている”と言いたいような表情をする。 それは、こっちのセリフだ。 「だから、俺に何をさせたい?」 「え?」「ローザス!リン=フリークスに、”お願い”の内容を伝えていない」 ハーコムレイが、眉間にできた皺を触りな…

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2022/08/14

【第五章 共和国】第三十六話 指紋

まだ下層が存在しているようだ。 ボスを倒して、発現した魔法陣に乗って、下層に移動する。全員が乗った所で、魔法陣に魔力を流す。 魔法陣は・・・。 発動したけど、ここで問題が出るのか? ”4桁の数字を並び替えて、最大にしたものと最小にしたものとの差を計算する。これを繰り返すことで、現れる数字を答えよ。ただし、同じ数字だけで構成された整数は除く” また面倒な問題だな。 カプレカ数だろう? 「アル。問題には、選択肢は出ているのか?」 「出てない。4桁の数字を入力する様になっている」 「”6174”と入力してくれ」 …

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2022/08/13

【第六章 ギルド】第三十話 提案

馬車に乗り込むと、ローザスとハーコムレイが座っている。 雰囲気は、悪くない。 セバスチャンも乗り込んでくるかと思ったが、俺が馬車に乗り込むのを見送るような状態で、頭を下げている。セバスチャンには屋敷で働く者の統括をお願いしている。人員に関しても、まだまだ足りないのだろう。 そうか、屋敷で働く者たちの給金や生活の補償をしなければならないのだよな。考えると、金がない。 「リン君」 「なんでしょうか?殿下」 「固いよ。ローザスと呼んでよ」 「わかりました。アルフレッド=ローザス・フォン・トリーア第一皇子様。私の様…

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2022/08/06

【第五章 共和国】第三十五話 ボス戦

最下層を目指すのは、初めから決まっていた。 全速ではないが、魔物が出てきた場合でも、対処が可能な状況を維持しつつ、最速で最下層を目指す。 エイダには、全力で索敵を行ってもらっている。 アルバンも、カルラも、問題はなさそうだ。 最下層の直前(だと思える場所)に、ボス部屋が設置されている。 アルバンが、躊躇なく扉を開ける。俺とカルラを見たことだけは褒めてあげるが、開ける前に一言くらいは欲しかった。 ボスは、黒い靄を纏っていない。 「相手は、キングエイプ。エイプ種の手下を5体」 カルラがボス部屋を観察して報告を上…

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2022/08/06

【第六章 ギルド】第二十九話 修羅場?

ギルドの入口が見えてきた。 しっかりと見張りが立っている。 知らない顔だ。 ハーコムレイかローザスが雇った護衛か? 「なぁリン。大丈夫なんか?睨まれているぞ?」 「大丈夫だ。女子・・・。重久が中心になって作った組織だ。重久は、フェナサリム・ヴァーヴァンが名前だからな。間違えるなよ」 「おっおぉ」 「本当に、大丈夫か?」 「大丈夫だ。名前を覚えるのは得意だ」 まぁ困るのは、オイゲンだからいいけど・・・。 後ろを振り返ると、奴隷の少女たちが、俺とオイゲンの会話を聞いている。不思議な表情を浮かべている。 ハーフエ…

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2022/07/28

【第五章 共和国】第三十四話 ウイルス

中層のキャンプ地に、物資を届けた。 途中で狩った魔物や採取した物も一緒に渡した。 共和国内では、少量だがマジックバッグが流通している。容量も大きくないのだが、物が流通していれば、使っても不思議には思われない。 と、いうことで、問題はあるが、使ってしまおうということになった。 今回は、途中で狩った魔物や採取した物を提供する。 中層にキャンプを張って、イレギュラーに対応が可能な者たちだ。俺たちが持っている、マジックバッグを見ても奪おうとはしないだろう。 それに、奪われても、袋ではなくステータスボードに格納してい…

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