異世界の記事一覧

2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 混乱!?

 ツバキが運転するアーティファクト(小型バス)の座席数は21だが補助椅子を使えば25名まで座る事ができる。  夜の帳が降りてきた事からツバキはライトを付けて速度を落として運転している。 「ツバキ殿。どのくらいでユーラットに到着しますか?」  ダーホスが運転するツバキに気を使いながら尋ねる。 「そうですね・・・・」  ツバキは、ヤスからカーナビの表示のレクチャーを受けている。目的地をユーラットにしているので、到着予定時刻が表示されている。 「朝方には到着できます。ダーホス様。おやすみください」 「・・・。そう…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第十一話 確保?

 ダーホスたちは弓で牽制して、引っ張り出された男に複数で斬りかかる。終わりの見えない撤退戦をおこなっていた。  暗くなるまで逃げ切れば石壁を越えて森の中に入る。神殿方向に逃げる者と囮となってユーラットに逃げる者で別れることにしている。  暗くなるまでは4時間ほどある。カスパルは殿(しんがり)を見事にこなしている。なんとか、傷を負っている者は多いがなんとか全員が生きて逃げることができている。  ダーホスも事ここに至って、女性を帝国のヤツラに返しても自分たちが見逃されるとは思っていない。  女性の証言が必要にな…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第十話 介入?

「マルス!説明をしてくれ」 『詳細は不明です。個体名ダーホスを含む16名が戦闘になっています』 (カメラを設置しておけばよかったかな?)  ヤスはカメラを設置していないことを嘆いているが表示されないだけで状況を把握できる状況にはなっているのだ。  ディスプレイに表示されているのは、人族を表す点だけだがダーホスを示す点は判別できる。ダーホスの周りに居るのがユーラットの関係者と考える事ができるのだ。 「戦闘?だれとだ?」 『わかりません』 「セバスの眷属に見てもらうしか無いか?」 『個体名セバス・セバスチャンの…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第九話 魔道具作り

 工房で新しいおもちゃになりえる”魔道具”作りを始めたヤスだったが最初から躓いてしまった。  コアを作るのがとてつもなく面倒で難しいのだ。ヤスは知らなかったのだが、一部のエルフ族やドワーフ族にしか作る事ができないのがコアなのだ。それも、親方から弟子へと受け継がれる技術で外部の者が知る事ができない。基本が口伝なのだ。  技術の継承がうまくできているコアならいいが、継承ができていなくて作る事ができないコアも多数存在している。  それらのコアは魔物から抜き取る事で得ているのが現状なのだがコアを持っている魔物は魔法…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第八話 神殿の魔物たち

「マスター」 「ツバキか?もう朝か?」 「はい。先程、マルス様からマスターを起こして欲しいと言われまして、申し訳ありません」 「あぁそれはいい。それで?」  ヤスはベッドから起き出して、ツバキが用意している服に着替える。  ヤスの着替えを手伝いながらツバキはマルスからの報告を伝える。 「そうか、魔物たちの階層ができたのか」 「はい。それで一度マスターにご確認していただきたいという事です」 「わかった。マルス!どうしたらいい?モニター越しの確認にするか?それとも、現地に赴いたほうがいいか?」 『モニター越しで…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 サンドラの思惑

「ここが?」 「はい。ユーラットです。サンドラ様」  サンドラは自分が思っていた以上に田舎のユーラットに驚いている。  石壁を最初に見た時には驚いたのだが、護衛たちサンドラに石壁の先になるのが森であることや魔物の襲来がある可能性があることを説明した。そして説明を聞いたサンドラは石壁に沿って行くのではなく街道を進むことに決めた。  街道を選んだサンドラたちはすれ違うはずだったダーホスたちとすれ違ってしまったのだ。  ユーラットの中でサンドラを知っているのはダーホスと数名だけだ。身分を証明する物を持ってきている…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 ユーラットの冒険者?

 ユーラットにも少ないが冒険者が存在する。  イザークたちとは違いユーラットに住んでいるわけではない。  それではどうしているのかと言えば、大半はロブアンの宿屋を借りの住処にしている。ある程度の人数が揃っている冒険者パーティーは民家を借りて住んだりしている。  冒険者たちは、魔の森を主戦場にしているのだが一部は海に向けて出ていく者も存在する。  そして冒険者は男性だけの職業ではない。女性だけのパーティーも存在している。  女性パーティーは実力が劣っていなくても1段下に見られる傾向が強い。 「アリシャ。それで…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第七話 魔物たちの仕事

 ヤスはセバスとマルスに魔物の住処を一任すると決めたが方向性だけは伝えておこうと考えた。細かいことまで指示を出すつもりは無いしわからないので、ヤスとしては方向性だけ伝えれば十分と考えたのだ、あとはマルスがうまく処理してくれるだろうと丸投げの姿勢だ。 『マルス。階層を増やして、魔の森と同じような環境を作ることはできるか?』 『可能です』 『セバスとの相談にはなると思うが、方向性は新しい階層を増やすことを考えてくれ、餌も必要だろう?』 『了』  ヤスがマルスと会話しているのを感じ取ったツバキは黙って会話が終了す…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第六話 セバス・セバスチャンの帰還

 ヤスは緊急時の設定を確認していた。マルスに頼んで訓練も行ったのだ。一通りの確認をして問題箇所の修正を行った。  一人で部屋の端末を操作している。ツバキは、自分に与えられた部屋の掃除を行っている。マルスからの指示で、『マスターの部屋を掃除することになるのだから、自分に与えられた部屋で掃除の練習をせよ』という指示を受けているのだ。掃除の仕方はマルスが説明している。  ヤスは、できた時間を利用して設定変更を行った物事の確認作業を行っていたのだ。 「マルス!ちょっと確認したいけど大丈夫か?」  ヤスは確認作業をし…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 サンドラの決意

 辺境伯の屋敷。奥にある当主が使っている執務室には、父親と娘だけがテーブルを挟んで向かい合っている。  娘はサンドラ。母親の身分は平民なのだが、辺境伯が自分で選んだ女性との間に生まれた娘だ。現在17歳。婚約者が居たのだが、半年前に発生したスタンピードで命を落としている。そのため、婚前未亡人となってしまっている。婚約者の死去から1年間は喪に服すことになる。その間は、領主の許しがなければ外に出ることは無い。 「お父様。どうされるのですか?」 「第二分隊に王都に食料を」「おやめになったほうがよろしいかと思います」…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 辺境伯の憂鬱

 ヤスがアフネスから渡された交換機の起動を行う少し前。  魔通信機の接続が切られている状態になったことを皆が騒ぎ出していた。  とある辺境伯の屋敷に、街に放っていた密偵からの報告を読んだ辺境伯が自分の息子と娘を呼び出していた。 「馬鹿者!!!!」  執務室に怒号が響き渡った。 「貴様!何をしたのか解っているのか?いや、その前に事実なのか?」  辺境伯であるクラウスは、まとめられた報告書を握りしめている。 「お父様。俺は」「兄様は、第二分隊を動かして、エルフ族やドワーフ族から食料を徴発していました」 「なっ?…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 ヤス対策?

「結局、ヤスを問い詰めないと話がわからないということか?」  アフネスの言葉が総意であるとは思えないが、皆”ヤスに聞かなければわからない”には同意することだろう。 「姉さん。それで・・・」 「なんだい?」 「アフネス殿。スタンピードのことを先に話したいのだがいいか?」  ミーシャがアフネスに相談したいことがあることは雰囲気で解る。その話を始めると長く掛かりそうなので、ダーホスとしてはまずはスタンピードのことを決定したいと考えている。ヤスというよりも神殿への対策は、出張所を作ってドーリスを初代の責任者にするこ…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 道中の話?

 ギルドの入り口でデイトリッヒが挨拶をする。アフネスがギルドに入ってきた。 「ミーシャ!ラナ!それで?何があった?」  椅子に座る前にアフネスは同郷二人に問いかけた。  ミーシャとラナはお互いの顔を見て何かを諦めたかのような表情をしてヤスが領都からユーラットに向けて出立してからのことを話した。 「それで、ミーシャとラナはリーゼ様を守る形でユーラットに移住を決定したという事かい?」 「姉さん」「ミーシャ。その呼び方をするなと言っているよな?お前はわかってやっているのか?」  ミーシャが頭を下げるが、ラナもアフ…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第五話 警告?

「マルス。この警告はなんだ?」  パソコンのディスプレイに”警告”のアイコンが表示された。 『神殿の領域へ侵入が確認されました』 「侵入?」 『はい。警告アイコンを選択していただければ詳細を表示する事ができます』  ヤスは内容を確認して安心した。侵入と聞いた時に、思い浮かんだのがスタンピードの残党が居て神殿への攻撃が行われたのだと思ったのだ。しかし、表示されているのは”リーゼ”と一緒に来ている集団が、ヤスの作った場所で野営している状態だ。  ヤスは表示されている情報から現場の状況が確認できる事がわかったので…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第四話 神殿をまだ拡張?

 ヤスが配置した建物の建築?が終了した。  実際にヤスは配置して、完了までの時間を見て余裕があると考えて、自分が遊ぶ為に必要な地下3階と4階と5階の設定をはじめた。  3階は、全面をアスファルトにした。表面の調整ができないと出ていたので諦める事にした。カート場にする事にした。  デフォルトとなるフロアを設定して保存しておく事にしたようだ。広い何もない場所を作って、続いてカート置き場を作った。  コースは、線を引いてその上に色が付いた砂を接着していくことになった。ツバキが率先して動く事になったので、ヤスはコー…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 ミーシャの混乱

「ミーシャ!まだなの?」  私は、ミーシャ。家名を持っていたがエルフの森を出たときから家名を捨てた。  私の事はどうでもいい。実際、領都レッチュヴェルトで冒険者ギルドのサブマスをやっていた普通のエルフだ。サブマスも、冒険者ギルドがエルフ族への忖度にほかならない。いつ辞めてもよいと思っていた。  今回の件はちょうど良かった。リーゼ様を守るという大義があり姉さんもリーゼ様を守ってユーラットに帰(・)っ(・)て(・)こ(・)い(・)と言っている。  ユーラットに戻れるだけではなく、エルフ族の悲願と言ってもいい”神…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第三話 建設ラッシュ?

『マスター。パソコンの設定が終了しました』  小型パソコンのスピーカーからマルスがヤスに設定が終了したことが告げられた。  サブディスプレイは4分割されて表示されている。左上がマルス。右上がエミリア。下の二ヶ所がディアナの状態が表示されるようだ。ディアナが制御している車やバイクの状態が表示されるようになる。今はまだトラクターとFITとモンキーだけが表示されている状態だ。  メインのパソコンにはエミリアの機能が使える状態になっているようだ。  神殿の監視機能があり、広場や魔の森の状況を含めて確認できるようにな…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第二話 広場設計?

「マスター。お食事はこれで大丈夫でしょうか?」  ツバキが持ってきたのは、パンを軽く焼いて焼いた肉を挟んだサンドウィッチのような物と野菜を焼いて塩で味を整えた物だ。  ヤスは受け取って一口ずつ食べた。 「うん。うまい。十分だ。これからも頼むな」 「はい!」 「そうだ。さっきのジュースをもう1杯頼む。さっきより冷やせるなら冷やしてくれ」 「かしこまりました」  ツバキがキッチンに下がってから、ヤスは出された朝食を食べている。  うまいと表現したが全体的にぼやけている。胡椒を使えば格段と美味しくなるだろうと思っ…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第二話 広場設計?

「マスター。お食事はこれで大丈夫でしょうか?」  ツバキが持ってきたのは、パンを軽く焼いて焼いた肉を挟んだサンドウィッチのような物と野菜を焼いて塩で味を整えた物だ。  ヤスは受け取って一口ずつ食べた。 「うん。うまい。十分だ。これからも頼むな」 「はい!」 「そうだ。さっきのジュースをもう1杯頼む。さっきより冷やせるなら冷やしてくれ」 「かしこまりました」  ツバキがキッチンに下がってから、ヤスは出された朝食を食べている。  うまいと表現したが全体的にぼやけている。胡椒を使えば格段と美味しくなるだろうと思っ…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】第一話 神殿拡張!?

 ヤスが惰眠を貪っている間に、マルスは陣容を固める事にした。  セバス・セバスチャンには対外的なことをしてもらう事にした。  眷属であるエントやドリュアスたちは広場と領域を担当する事になる。神殿や魔の森に発生している魔物の討伐を行うのも主な仕事とした。セバス・セバスチャンはヤスの眷属筆頭として、これから来る事が想定されている国からの使者や貴族の対応を行わせる。セバスの従者としてドリュアスをつける事になっている。  新たに眷属になったツバキは、ヤスの身の回りの世話を行う事になる。  ドリュアスは眷属で無いため…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十七話 やっと到着!

 カーブの度にカウンターを当てながら走っていく、ユーラットから神殿に向かう道を爆走している。  ナビにはスタートからの時間がカウントアップされている。スマートグラスはかけないで記憶を頼りにFITを走らせている。  つづら折りのような道が続いているが直線の長さやカーブの深さが微妙に違うので当てるカウンターや速度を微調整する必要があるのだ。  事故を起こすことなく神殿の広場に辿り着いた。広場は一部整地されているだけの状態になっている。  ヤスは頭の中で整備計画を考えていた。  リーゼの家とギルドを作る必要がある…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十六話 依頼達成?

 セバスたちはすでに魔の森に移動を開始して、ヤスから離れていた。  ヤスはセバスたちを見送ってから神殿に移動する事にしたようだ。 「ヤス!」 イザークがヤスのアーティファクトに駆け寄ってきた。 「どうした?」  ヤスは窓を開けてイザークに答えた。 「すまん。ギルドのドーリスが宿屋に来て、ヤスに相談したい事があるらしい。それに、依頼達成の手続きをしていないだろう?」 「依頼達成?」 「アフネス殿からの依頼を受けたのだろう?アフネス殿がギルドに完了報告をしていたぞ?」 「え?あっそうなのか・・・。わかった。あり…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十五話 ユーラットとの関係

注)話数が間違っていました。 —  正門から飛び出してきたイザークが見えたことで、ヤスはFITのアクセルを緩めた。 「ヤス!」  イザークは、アーティファクトをヤスが操作している事がわかっているので、アーティファクトの近くまで駆け寄って声をかける。 「イザーク?何かあったのか?」 「”何か”って、ヤスが街道から来たから驚いただけだぞ?ヤス神殿に行ったよな?」  ヤスはイザークからの疑問を聞いて納得した。  たしかに領都に向かう時に、ユーラットを通過していない。イザークが疑問に思うのは当然の事なの…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十四話 我が家へ

 ヤスは順調にユーラットへの道を走っていた。  頭の中では、どんなトレーラー(被けん引車)を討伐ポイントで交換しようか考えていた。  実際、かなりの討伐ポイントが有りヤスが望む物が手に入る状況になったのだ。 「マルス。ナビにエミリアの操作画面を表示して、音声で操作する事はできるか?」 ”可能です” 「設定を頼む。準備ができたら、討伐ポイントで交換できるリストを表示してくれ」 ”了”  マルスが設定の変更を始めたのか、ナビが暗転した。  暗転していたナビが再起動したのは5分くらい経ってからだ。 「マルス。コン…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十三話 移動開始

 ヤスがマルスに指示を出している間に、ラナは移住希望者の間を駆け回っていた。  領都を見捨てる決定をしたのはラナだったのだが、エルフ族の取りまとめをしている者たちへの説明を行う必要があったのだ。  経緯の説明をした結果、移住希望者の数が増えてしまった。  当初は、ラナを中心にした者たちだけの予定だったのだが、リーゼの話が伝わるとラナたちが(正確にはアフネスがリーゼの両親が残した物を使って)支援している孤児院も移動する事になった。成人して孤児院を出ていった者たちもそれに加わった。  ドワーフたちも移住を行う事…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十二話 状況確認

「ヤス殿。申し訳ないが、時間を少しもらいたい」  ラナが申し訳無さそうにヤスに頭を下げる。 「ん?どうした?」  ヤスとしてはもう自分の作業は終わったものと思っていた。後は、荷物が積み込まれたらユーラットに運ぶだけだと考えていたのだ。魔物はすでに討伐しているので、帰りは流しながら帰る事ができると思っている。 「思った以上に神殿への移住が魅力的なのか希望者が増えてしまった」 「そうなのか?荷物が多いのか?」 「いえ、人数が多くなってしまいまして、アイテムボックスを持っている者もいるのですが、ドワーフたちが鍛冶…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十一話 交渉

「大体で構わないのだが、何人くらいが移住できそうだ?」  ヤスの言葉に、ミーシャとラナは固まってしまった。  ある程度は把握していたのだが、実際に移住の意思を確認した事がなかったのだ。 「おい?」  実際に人数の把握は難しいことはヤスにもわかっている。 「ヤス殿。神殿に移住を希望する者は全て受け入れてくれるのですか?」 「そうだな・・・。今の状況だと、リーゼも神殿に来るよな?」 「・・・」「・・・」 「おい。ラナ!ミーシャ!俺を見ろ。目を逸らすな!」  ラナとミーシャは、リーゼを止める事ができないことはわか…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第三十話 交渉?

 二人は、ヤスの提案を承諾するしか道が無いように思われた。頭の中でいろいろ考えているのだが条件が曖昧すぎるために何を聞いていいのかさえもわからない状況になってしまっている。そのために、二人はヤスが何か聞いてくれる事を期待しているのだ。  三人がいる部屋に沈黙の時間が流れる。 ”エミリア。神殿の広場にユーラットに向かう道と山下りへの道と魔の森に向かう道を作る事はできるか?” ”個体名セバス・セバスチャンの眷属に指示を出す事で可能です。討伐ポイントでの設置は現実的ではありません” ”討伐ポイントは使えない?” …

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第二十九話 実際問題?

「わかった。ラナ。でも、ユーラットに・・・。エルフ族が何人いるのかわからないけど入る事ができるのか?入れたとして、生活できるのか?」  ヤスの懸念も当然なのだ。  ユーラットは王国の辺境伯の領地から更に辺境に移動した場所にある。辺境の町だ。村と呼んでもいいレベルだ。  土地は有るのだが問題は食料となる物が、漁業が中心になってしまう事だ。肉は魔の森が近くになるので供給する事はできるだろう。  問題は、穀物や野菜や水だ。  狭い土地を切り開いて作った町なので、畑を作る余裕が無い。ユーラット単体ではどうあがいても…

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2020/03/06

【第五章 ギルドの依頼】第二十八話 事情確認2

 ミーシャとラナはお互いが知っている事情を補足しながら、一日目に発生したことを説明した。ヤスは、目を閉じながら二人の話を聞いていた。  ヤスが閉じていた目を開いて二人を見た。 「それで?それだけじゃないのだろう?」  ヤスの怒りを含んだ言葉に二人は驚いた。  飄々としていたヤスがはっきりと怒りの感情を出したのだ。二人は、自分に向けられた怒りの感情でない事は理解できているが、それでも背中に流れる汗を止める事ができなかった。それほど、ヤスは怒っていたのだ。ヤスも自分が何に怒っているのか理解できないでいた。ただ、…

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