【第六章 神殿と辺境伯】第四話 神殿をまだ拡張?

 

 ヤスが配置した建物の建築?が終了した。

 実際にヤスは配置して、完了までの時間を見て余裕があると考えて、自分が遊ぶ為に必要な地下3階と4階と5階の設定をはじめた。

 3階は、全面をアスファルトにした。表面の調整ができないと出ていたので諦める事にした。カート場にする事にした。
 デフォルトとなるフロアを設定して保存しておく事にしたようだ。広い何もない場所を作って、続いてカート置き場を作った。
 コースは、線を引いてその上に色が付いた砂を接着していくことになった。ツバキが率先して動く事になったので、ヤスはコースを作る事だけに専念した。

 コースを試走する過程で一人では面白くないのとコース幅の確認が難しいこともあって、ツバキにカートの運転を教えた。
 学習能力が高いのか2時間ほどの講習でツバキはカートを運転する事ができるようになった。

 ヤスは、全てのカーブで二台が並んで曲がれる幅にした。広い場所だと3台目が差し込んでも抜けるような幅に設定した。まずは、いろいろなサーキットの名物コーナーを模写した練習用のカート場を作った。

 久しぶりにカートで思いっきり遊んだヤスは疲れて部屋に戻ってきた。
 他にも作らなければならない物があるのだがやる気が出ない状況のようだ。

 広場は配置が終了していない事もありユーラット方面を確認している。

「マルス。セバスの眷属は、石壁を作ったのか?」

『はい。作り終えました』

「今はどうしている?」

『各人の持ち場に戻っております』

「持ち場?」

『はい。個体名セバス・セバスチャンは魔の森を探索中です』

「それは聞いた。5人衆も一緒なのだろう?」

『はい。それ以外の眷属は石壁を支えております』

「そういうことか・・・。眷属たちは、魔力を提供するだけで問題はないのか?」

『問題ありません。石壁の位置を移動させる場合には、パソコンの地図を移動させてください。個体名セバス・セバスチャンの眷属に指示を出します』

「わかった」

 ヤスは、領都に近い石壁の部分の変更を行う事にした。
 領都から向かうときに分かれ道の後で最初にむかえる休憩地点となる事や、神殿からの下り道が接続される場所になる。門が必要になることが考えられるし、今後の展開次第では宿屋の設置やユーラット側と同じ様に検閲する場所が必要になってくる事も考えられる。兵の駐屯を考えなければならない可能性だってある。情勢を考えると、防衛戦を行う場所になってくるかもしれない。

 ヤスはまっすぐになっていた石壁を湾曲させる事にした。
 森林部分を伐採して広めの休憩場を作る事にした。後々なにか建物を作っても不自然にならない程度の広さを確保した。水場はそのまま使えるようにしている。石壁の上部は50cmくらいの幅を持たせる様に変更して上に乗って森林側を関しできるようにした。石壁は神殿の意思として備え付けたもので越えた場合の安全を保証しない。

「マルス。石壁の一部を変更した。修正の指示を頼む」

『了。25分で修正が終わります』

「わかった。ありがとう」

 次にヤスが取り掛かったのは、教習所の設計だ。
 施設の配置は終わっている。教習コースをまだ作っていなかったのだ。

(踏切と信号は必要ないだろう。悪路も作っておこう。大型車の訓練に使えるように道幅は広めに作ろう。そうだ!馬車とすれ違う事も考慮しなければならないし、歩行者が日本と違って車の危険性を認知していないから歩行者の回避訓練ができるようにしよう)

(自転車やバイクは希望者が出たときに考えればいいかな?)

 ヤスは自分が通った教習所を思い出しながら教習所を作っていった。
 配置を行うと、配置完了までの時間が表示された。

 大幅な変更を含んだ配置だったので、24時間の時間が必要になってしまった。

 ヤスがパソコンで確認していると、街路樹や街灯などの設備が配置できるようになっていた。

「マルス。街灯だけど、俺持っていなかったぞ?」

『マスターの記憶に有った物を申請して許可されました』

「そうか、街灯の制御はマルスに任せていいのか?」

『問題ありません。マスターの端末からも制御する事は可能です』

「わかった」

 ヤスはリーゼの家の周りと中央通り?に街灯を配置した。灯りの具合がわからなかったがシミュレーションを行う事ができたので、中央通りの街灯は暗くなる場所が無いように配置した。リーゼの家の周りは家の中には灯りが差し込まないように街灯を配置した。
 セバスたちの家から見るとリーゼの家の周りに誰が来たのかすぐに分かるようになっている。

 リーゼの家以外も同じ様にできるだけ街灯を配置した。学校周りは特に死角が無いように注意した。

 街路樹もいろいろな木々が植えられるようだったので、ツバキに相談しながら街路樹を配置した。
 相談した結果・・・。街路樹は中央通りにだけ配置する事になった。木々の間隔を不均等にする事でセバスの眷属を待機させる場所に使う事も考慮した。

 ここまで配置を行って居て、討伐ポイントの残りが少なくなってきているのが気になり始めた。足りなくなっているわけではない。残りが少なくなってきていたのだ。最初から比べると桁が3つほど少なくなっている。
 少なくなったと言っても広場の建設に使おうと思っていたポイントだけで、生活する為のポイントやヤスの趣味に使うポイントとツバキに渡すポイントは除いて考えている。

 ヤスは、全てを配置してから自分の目で見て確認する事にした。
 修正するくらいのポイントは残っているだろうと簡単に考えた。

 ヤスの気が向くまま作った広場はすでに町の規模ではなく、街と言ってもいいくらいになっている。
 考えられないくらいに大きな学校施設(温水プール、寮、浴場、食堂、グランド、体育館、教室、その他・・・。考えついた建物を全て建築)
 ギルドの出張所(だとヤスが思っている建物)(3つの倉庫、訓練所、簡易宿泊所、浴場)
 車の教習所

 リーゼの屋敷
 ラナに渡そうと思っている大きい宿屋(それ以外にも小さい宿屋を5つ)
 セバスたちが住む為の家
 単身者用の家(学校で作った寮と同じ物を3つ)
 神殿に近い場所に多数の家(家1-9までをそれぞれ3棟ずつ)

 領都からユーラットに移動を開始した者たち全員が神殿に移住を希望しても全員が住んでも建物が余ってしまう状態だ。

 ヤスも多すぎるとは思ったが、少ないよりはいいだろうと思っていた。
 それに予定していた討伐ポイントでおさまったので問題はないと思っている。

 細かく配置を修正した関係で修正が終了するまで25時間37分必要になってしまった。

(そうだ。マルスに頼んでいた神殿地下の迷宮の整備でもするか?)

 迷宮を確認し始めたのだが、慣れないデスクワークをしただけではなく、試験と称してカートで遊んだヤスは思った以上に疲れてしまっていたようだ。

「マスター。お食事はどうしますか?」

 ヤスが食事を取っていないことを気にしてツバキが話しかけた。

「あっそうだな。肉と野菜でなにか作ってくれ」

「かしこまりました」

「風呂で汗を流してくる。食堂に行く・・・。そうだな。40分くらいで行くと思うから準備を頼む。果物のジュースもつけてくれ」

「かしこまりました」

 ツバキが頭を下げて書斎から出ていく。
 ヤスはツバキを見送ってから風呂場に移動した。お湯はいつでも使えるようにしているので、すぐに入ることができた。

(やっぱり風呂は気持ちがいいな)

 ヤスは汗と汚れを落として、食堂に35分後に移動した。
 ツバキはヤスが風呂場からでたことをマルスから教えられてまずはジュースを持っていった。

 ヤスが少し落ち着いた所で食事を持っていく事にしたのだ。

 食事をして少しマルスやツバキと話をして寝室に移動した。
 今日はもう寝る事にした。

 翌日は、やることもないので迷宮の調整をして過ごした。
 夕方にカートを走らせてから昨日と同じ様に風呂に入って食事をして寝る事にした。

 次の日には、町並みが完成していたので、まずはトラクターを地下一階から乗り出して中央通りの確認を行った。その後は、FITとモンキーで同じ様に街並みを確認していた。リーゼの家を確認してそれぞれの家が設計通りになっていることを確認してその日の視察?を終了した。

 神殿の書斎に戻ったヤスは端末に警告が表示されているのに気がついた。

「マルス。この警告はなんだ?」

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