異世界の記事一覧
2022/09/28
【第十章 統一】第百五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 昨日は話が濃かった。 そう言えば、街の名前聞いていないけど、いいか・・・2ヶ月後には判明するのだろうからな。 まずは、ギュアンとフリーゼたちだけど、面倒だな。 洞窟の部屋で朝食をとってから、ログハウスの執務室に向かう事にする。 「エリン。昨日はどうだった?」 「シロお姉ちゃんたち?」 「あぁ」 「すごくびっくりしていたよ」 「そうか、ダンジョンか?」 「ううん。道具屋さんとか、武器屋さん!」 「へぇそんな所に行ったのだね」 「うん。フラビアお姉ちゃんが武器がみた…
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【第十章 統一】第百四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 解散となったはずなのに、俺は椅子から降りられない。 ミュルダ老とシュナイダー老がにこやかに笑って”少しお待ち下さい”と言ってきているからだ。 皆が退出したのを確認してから、ミュルダ老とシュナイダー老とヨーンが、俺の足元に近づいてきた。 「ツクモ様。さて、ゆっくりお話をしましょう。まずは、場所を執務室に移動しましょうか?」 「わかった。ミュルダ老。その前に、クリス!」 「はっはい」 後ろで小さくなっていたクリスに声をかける。 「9人の名前は決まったか?」 「決まっ…
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【第十章 統一】第百三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「大主様」 「あぁわかった準備ができたのか?」 「はい。クリスティーネ様。リリーア。オリヴィエがヌル殿の庭でお待ちです」 「わかった。そう言えば、クリスの従者たちは?」 「本日は遠慮して待合所に居るとこの事です」 「そうか、わかった」 ドリュアスのメイドが、先導にして歩くようだ。 それにしても、メイドや執事が増えたな。 また、魔核にスキルを付与した物を大量に作っておくか? 勝手に吸収して進化するように言ってあるけど、許可を求めてくるのだよな。メイド的なスキルや執…
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【第十章 統一】第百二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ あきらめの気持ちで、会議室で待っていると、スーンがやってきた。 「大主様」 「どうした?」 スーンは俺の正面に立って一礼した。 「今日は、お休み頂きたいのですが、お疲れだとは思いますが、大主様の領地を汚した者たちへの罰則をお決め頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」 そうだよな。もう夜に差し掛かる時間になるのだし、現実的には明日にしたほうがいいだろうな。 スーンや眷属達にしたら、アトフィア教の連中は一秒でも俺たちの領地内に居てほしくないのだろうし、実験区の実験…
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【第十章 統一】第百一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ いつの間にか寝てしまったようだ。 朝起きて思い出すまでに少しだけ時間が必要だったが、大丈夫ボケるほどではない。 シロと一緒のベッドで寝た。不可抗力だ。 それではなぜ。エリンが俺とシロの間に居る?それも、エリンがシロに抱きついて寝ているのだ? こっそりとベッドから抜け出す。 シロもエリンも起きない。フラビアはまだ寝ている・・・が、未婚の女子としては少々だらしない格好である。リカルダは起きて居た。ニコニコ笑っているように見える。 「リカルダ!」 「おはようございます…
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【第九章 帰路】第百話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ミュルダを抜けた場所で、エリンたちが待っていた。合流して、ペネム街を目指す。 ペネム-ミュルダ街道に出たことで、馬車の速度を上げる事ができる。 道を整備しているので、馬車の跳ねも少ない。 その上馬車を引いているのはノーリたちだ。 何をいいたいのかというと、”高速道路を法定速度以上で飛ばしている”連中と同じ状況になっている。実際に感じるのはそれより酷い状況だ。馬車が自動運転になっているからだ。ノーリに整備された道を走ってくれで済んでしまっている。 その上、振動が少…
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【第九章 帰路】第九十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 司祭派と聖騎士派の集落は、竜族のブレスで壊滅させた。 死体だけが残されていた元集落は、遺体を集めてブレスで浄化した。 壊滅と浄化の違いは、気分的な物で特段指示を変えなかったが、竜族にも気持ちが伝わったのか、壊滅と命じたときには攻撃の様に激しく、浄化と命じたときに建物を燃やすようにしてから、炎で遺体を覆っていた。 そして、俺たちは、ミュルダ区に到着した。 まだ全部が終わったわけではないが、気分的には半分以上消化した気分になっている。 馬車で到着したのだが、ミュルダ…
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【第九章 帰路】第九十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 集落の炎が消えるのを待って、カイとウミが待っている馬車の場所まで戻った。 いろいろ有りすぎて寝るのを忘れていたが、もう丸一日程度起きていた事になる。 馬車が広いとは、中で寝る人数は限られてしまう。 一つ目の馬車には、俺とカイとウミとライとギュアンとフリーゼ。 二つ目の馬車には、エリンとシロとフラビアとリカルダ。 で・・・落ち着いたと思っていたが、フラビアとリカルダが、新参のギュアンとフリーゼに、俺の世話を任す事ができないといい出した。 その結果”なぜ”か、 ・俺…
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【第九章 帰路】第九十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ エリンの所に戻る前に、疑問を一つ解消しておきたいと思っていた。 「なぁシロ。どうして、フラビアは俺に報告に来た時に、泣きそうな顔をしていたのだ?」 後ろから抱きついているシロが少しだけ動揺した。 「言い難いのならいい。シロがフラビアにも聞かないで欲しいというのなら、この話はこれで終わりにする」 「・・・カズト様・・・いえ、聞いて下さい」 やはり何か有ったのだろう。 シロが語ったのはよくある話だ。 集落には、先程のクズどもが来る前に、到着していた準聖騎士がいた。そ…
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【第九章 帰路】第九十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 30分位待っただろうか。 フラビアが戻ってきた。返り血を浴びている。 俺の前で跪いて 「ツクモ様。首魁共を捕らえました」 「わかった。それよりも」 「そうでした。シロ様。リカルダ。私も無傷です」 「そうか、それならいい。首魁は1人か?」 共と言ったのが気になった。 「3名です。司祭が1名と聖騎士が2名です」 「ほかは?」 「切り捨てました」 「そうか・・・」 「ダメでしたか?」 「いや、お前たちに辛いことをやらせたと思っただけだ」 「ありがとうございます。でも、…
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【第九章 帰路】第九十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 湖が近づいてきた。 ここまで来て、俺や3人にもはっきりと匂いが解る。 「姫様」 フラビアとリカルダの、シロを呼ぶときの呼び方が安定しない。 ”姫様”と呼ぶときと、”シロ”と呼ぶときと、”シロ様”と呼ぶときがある。シロは、”私の名前はシロだから、シロと呼ぶように”と言っている。多分、姫様かシロ様になりそうな雰囲気がある。 「リカルダ?これは・・・」 「間違いないでしょう」 「どうした?」 シロもリカルダもフラビアも気がついているようだ。 聖騎士の儀式かなにかだろう…
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【第九章 帰路】第九十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「カズト様」 「どうした?」 シロから話しかけてきた。なにか有るのだろう。 フラビアとリカルダは、エリンと一緒にライから受け取った肉の調理をおこなっている。 俺がやっても良かったのだが、カイとウミとエリンに反対された。刺激が強すぎるという事だ。意味がわからない。 フラビアとリカルダが喜々として準備を始めたのでそのまま任せる事にした。 「・・・あぁカズト様は、私たちを・・・」 「許したわけじゃない。だが、お前たちが考えて、アトフィア教が正しいというのなら、それは尊…
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【第九章 帰路】第九十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「それでは、ライマン老。ロングケープ街を頼むな」 「はい。代官を勤めさせていただきます」 結局、出立が2日伸びてしまった。 ライマン老との話し合いもだが、前領主たちが起きて騒ぎ出したからだ。黙らせる事は簡単だったが、黙らせるよりもそのまま檻に入れて連れ出す事にした。街中を引き回した結果、見事な囮役になってくれた。 まずは、街の中で前領主たちの罪を公表した。その上で、ライマン老が領主代行になる事が発表された。 夜に、前領主たちを助け出そうと忍び込んだ者たちが居た。…
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【第九章 帰路】第九十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ヴェネッサがシロの名前を気に入っている理由がわからないが、本人がそれでいいというのなら俺としてはこれ以上何も言わない。シロを連れて、領主達が押し込められている部屋に向かう。 約束の期限には早いがいいだろう。 部屋の中からは話し声も聞こえない。 ドアの所にいるエントに確認をする 「どうなっている?」 「大主様。昨日くらいまでは罵り合っていましたが、今はおとなしくなっています」 「そうか・・・寝ているのか?」 「いえ、寝る必要はないだろうと思い、寝たら起こすようにし…
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【第九章 帰路】第九十一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちは、ロングケープ街に戻った。 「ノーネーム殿」 ヴェネッサが声をかけてくる。 「食料だろ?少し待ってくれ。用意させる。さっきの子供が居た辺りで食料を配る事にしよう」 「頼む」 「いや、いいさ。どのみち、配給はしようと思っていたからな。さて、お前たちはどうする?配給に立ち会うか?」 二人は、配給に立ち会いたいという事だが、ヴェネッサは俺についてくると言っている。 「姫様」 「大丈夫だ。それに、さっきの戦いを見ただろう?ノーネーム殿だけではなく、二匹のフォレス…
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【第八章 進展】第九十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 念話の着信?で起こされた。 昨晩は、念話で指示を送り続けて疲れてしまった。ロングケープ街につながる街道に作っていた石壁が完成したのだ。それと同時に、ロングケープ街から退避していた獣人の所に、支援物資が届けられた。 どうやってこの距離を運んだのか・・・答えは簡単だ。オリヴィエとリーリアとクリスが、街道をまっすぐに支援物資を格納して、駆け抜けてきたのだ。アトフィア教の敗残兵が居たが気にしないで突っ切ってきたようだ。 今回は、オリヴィエが暴走した。活躍の場面だと思った…
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【第八章 進展】第八十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 執事服をきっちりと着こなしたエントが俺たちに向かって歩いてきて一礼した。 隣に居るヴェネッサは居ない者として扱うようだ。 「大主様」 「おぉどうだ?」 「はい。議会場は掌握いたしました。領主の屋敷も抑えました」 うん。上手く行ったようだな。 「わかった。犯罪者共は?」 混乱に乗じたバカどもにはきつい仕事を頼むことになるからな。 「大主様の指示どおりに、議会場の一室に閉じ込めてあります」 問題はなさそうだな。 「犯罪奴隷共は?」 「比較的綺麗な奴隷商に押し込めてあ…
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【第八章 進展】第八十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアの報告を聞く限り、本当に敗走という言葉が適当なのだろう。 殿(しんがり)もおいていない。来た道を戻るだけしかできていない。 当然、ブリットからは突撃指示が出る。 今度は、俺への確認は必要ないと言ってある。現場の判断だ。 聖騎士を各個撃破している。 本来なら、聖騎士は強いのだろう。ブリットたちがこんなにあっさり勝てる相手ではないのだろう。 さて、そろそろ本当に一度寝ることにしよう。 念話を切る。 — 朝・・・ そろそろだろう。 エリンとウミとカ…
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【第八章 進展】第八十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちが乗っている船は、前世?の記憶では、クルーザよりも少し小さめの船だ。居住スペースはエント達が急ごしらえしたようだ。 眷属から行軍の様子や聖騎士の情報が続々と届けられる。 両軍の行軍情報を得ながらタイミングを図っている。 突撃部隊に居るリーリアや後衛部隊に居るクリスとも、数カ所の”念話中継魔核”を通して繋がっている。 今回の戦いで俺が1番懸念していたのが情報伝達の方法だ。念話は便利だが到達距離に制限がある。魔力が、距離と通話品質?に影響を与えるのかはまだわか…
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【第八章 進展】第八十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 小型ワイバーンにエントとドリュアスと魔蟲達を載せて、ロングケープ街に潜入させた。予想通りの報告が上がってくる。完全に、戦争の準備をおこなっていると考えて間違いないだろう。 ”面倒な事になった”が正直な感想だ。 表の対策と裏の対策を行う事にした。 表の対策は、難しいことではない。獣人族を中心に、ペネム街の軍を組織してもらう事だ。 こちらは、ミュルダ老に任せた。いろいろ任せすぎて、何を任せたのか忘れているが、サポートも増えているし大丈夫だろう。 ペネム軍の中核は、ブ…
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【第八章 進展】第八十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ログハウスに戻ってみると珍しく、スーンが面会を求めてやってきていた。 すぐに許可を出して、執務室に通した。 「大主様。申し訳ございません」 「どうした?なにかあったのか?」 普段、スーンは連絡だけなら、念話でおこなってくる。 面会を求めてやってくるとはよほどの事があったのだろう。 「はい。実験区のモルモットから聞き出した事ですが・・・」 実験区。ペネム・ダンジョン内に作っている、アトフィア教や俺が死刑だと判断したやつらを使って、スキルの実験をおこなっている所だ。…
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【第八章 進展】第八十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアに命令して、ログハウスや居住区で見かけない食材や調味料は一通り集めるように言ってある。 同じ様に、リヒャルト商隊にもこの辺りでは食べる習慣が無いものや、珍しい植物を見つけたら一通り買ってきてくれるように頼んでいる。それらの報告が、執務室に置かれた嘆願書の中に混じっていたのだ。 新しい食材や調味料の発見は嬉しい。 サラトガやアンクラムやミュルダでは普通に入手できていた物の中にもいろいろな食材や調味料になる物が存在していた。 ユリの花が見つかった、簡単に言え…
続きを読む2022/09/28
【第八章 進展】第八十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 学校施設に向かう。 作られた学校は、自由区の中では1番大きな建物になっている。 学校に到着すると、ミュルダ老が待っていた。 少し慌てた様子で俺の所に駆け寄ってきた。 「ツクモ様。何か有りましたか?」 スーンにでも聞いたのか? 「ん?なんでもない。学校がしっかり回っていると聞いたから見てみたくなっただけだ」 明らかに安堵した表情になる。 そうか・・・俺は、出資者って事になるのか?でも、俺の命令で作ったのだよな? 「ありがとうございます。もう学校は、ペネム街になくて…
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【第八章 進展】第八十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 公開から1年と数ヶ月が過ぎていた。 ペネム・ダンジョンを公開してから、街は大いに発展した。 表向きには、アンクラム-ミュルダ-サラトガの元街を含む、サイレントヒル地域全般をさして”ペネム街”と呼ぶようになっている。 各元街は、アンクラム区やミュルダ区やサラトガ区と呼ばれるようになった。SAやPAは、そのまま数字で呼び名を付けていたが、それぞれに名前を着けて欲しいという要望が上がってきた。 SAが21箇所。PAが18箇所。ダンジョン内にできた街/集落が14箇所。全…
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【第八章 進展】第八十一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ペネム・ダンジョンが正式オープンして、3階層を突破したと、クリスから連絡が入った。そろそろ、6階層・・・実質の7階層以下を作らないとならないだろう。 俺が進めていたチアルダンジョンの攻略は七十九階層で止まってしまっている。 意図して止めているわけではない。 ログハウスを一日留守にすると、翌日に決裁が必要な案件/書類が”嫌味”なのか大量に置かれている。しばらく無視していたら、しっかりたまり続けて行く。 俺は楽がしたい。そもそも、13歳の子供が行う仕事量ではない。ミ…
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【第七章 暗雲】第八十話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 新領主のシュイス・ヒュンメルの屋敷からは、10歳以下の幼女が大量に見つかった。心が死んだ状態で・・・だ。肉体的にも死亡している者も存在していた。 そして、案の定プロイス・パウマンの屋敷から、心が壊れたり、本当に死んでしまった男児が見つかった。同時に、それらを調達していたのが、アトフィア教の獣人殲滅部隊であることが解る証拠も見つかった。 後始末を、シュナイダー老に任せた。 殺さないように苦しんでもらう事にした。当初は、磔状態で村々を回らせるつもりだったのだが、シュ…
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【第七章 暗雲】第七十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ツクモ殿」 「ゲラルト殿?」 何やらすごい顔をしている。 「本当に、いいのか?」 なんだ、鱗が本当に欲しいようだ。 「いいですよ?俺が持っていても価値は”綺麗な飾り物”以上にはならないが、ゲラルト殿たちが鍛えれば”素晴らしい剣”や”素晴らし盾”になるのだよな?それに、”優秀な職人”を雇える機会があるのならそちらを優先する。これ以上望むのは贅沢というものだ。それでも気がすまないのなら、俺が作って欲しいと思う道具を、ペネムで沢山作ってくれればいい。売れない物も出て…
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【第七章 暗雲】第七十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「ツクモ殿。お時間を頂き申し訳ありません」 「いや、いいですよ。ミュルダの新領主様に、昼前までは宿に居ると約束しているだけで、他に約束はありませんからね」 朝から来るとは思っていたが、タイミングとしては悪くないのだろう。ミュルダの新領主との話し合いもしてきて、決裂すると考えての・・・この時間だったのだろう。 「そうだったのですね」 白々しい まぁいい冒険者ギルドの関係者よりは話ができそうだな。 「そちらの方ははじめましてですよね?」 「そうでした!鍛冶師長老の1…
続きを読む2022/09/28
【第七章 暗雲】第七十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺が、領主の館から帰って来て、すぐに執事が訪ねてきて、少し待って欲しいとだけ伝えられた。 執事にはメッセンジャーになってもらって悪かったのだが”俺には用事はない。明日には、獣人(ペネム)街に帰る”とだけ伝えてもらった。 執事が帰ってすぐにヒュンメルが宿に訪ねてきた。 「ツクモ様。申し訳ありません」 「何を謝っているのですか?ヒュンメル殿に謝罪されるような事は無かったと思いますよ?」 「いや・・・私の後を継いだギルド長があの様な態度をとってしまった」 商隊や商人か…
続きを読む2022/09/28
【第七章 暗雲】第七十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 蕎麦を得るために、寄道をしてしまった。寄道に一切の後悔はない。 時間も遅くなってしまったために、村長宅で一泊する事になった。 村長宅で、村の生い立ちを聞かされた。 もともと村は、アンクラムの領主主体で作られていて、アンクラムに食料を提供する目的があったのだと言っていた。今の村長で、3代目だという事だが、二代目の途中くらいから、麦が取れなくなってしまって、細々と作っていた”蕎麦”に切り替えたのだと説明された。 ミュルダの異端認定騒ぎがあって、もともとアトフィア教の…
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