スキルイータの記事一覧
2022/09/28
【第十七章 攻略】第百七十三話
「シロ!シロ!」 今日は、シロを起こす事から始まった。 ダンジョンの中にいることを忘れさせる日常の風景が広がっていた。 「カズト・・・さん。おはようございます」 「うん。おはよう」 「シロ。服着ろよ」 「え?あっ!」 またシロは服を脱いでしまっている。 上半身だけだが見えてしまっている状態だ。やはり、シロには温泉浴衣は早かったかもしれない。気分的に楽だから導入したのだが、俺以外で上手く着て寝られるのは、リーリアくらいだ。オリヴィエは早々に諦めた。アズリは気に入って着ているがいつもはだけてしまっている。 シロ…
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【第十七章 攻略】第百七十二話
「シロ。準備はいいか?」 「はい!」 準備と関連各所への連絡が終わって、今日からダンジョンアタックを開始する。 チアルダンジョンの最下層にいると思われるダンジョンマスターとダンジョンコアのチアルに会いに行く。 まずは60階層から挑むことにしている。 各々の戦い(戦闘)は問題になっていない。戦力という意味ではばらつきがあるが、パーティーとして考えれば問題はないと思える。しかし、パーティー単体での戦いに不安が有るために少し余裕を見ようという事になったのだ。 チアルダンジョンは中階層以降に入るときに毎回思うのだが…
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【第十七章 攻略】第百七十一話
全体会議から2ヶ月が経過した。 リヒャルトが、ゼーウ街のスラム街の開発を行い始めている。現地では概ね問題は出ていないようだ。下準備が済んでいたようで、スラム街の住民も協力的だと連絡が入っている。 ゼーウ街は、新しい領主とリヒャルトにまかせておけば大丈夫だろう。 ロックハンドも開発が開始された。 基礎工事は俺と眷属達で終わらせた。当初、陸路も作ろうと思っていたが、イサークから陸路は作らないで、魔の森の中心地点に橋頭堡を作って、ロックハンドからしか行けないようにしたいと言われた。 イサークが代官なので、代官に任…
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【第十六章 眷属】第百七十話
書類を読み込んだり、決裁を行ったり、スーンに依頼されて、新しい飲み物を開発したり、充足した日々を過ごしていた。 エリンを始めチアルダンジョンに潜っている眷属たちはまだ帰ってこない。 ヌラたちから無事である事は伝わってきている。 当初は、ナーシャの目が死んでいたのだが、生き生きと輝き出したようだ。スキルカードを大量に取得できて嬉しくなったのだろう。普段なら捨てていく魔物の素材に関しても、ライが全部保管してくれているようだ。それに、分配で揉める事もなさそうな事も嬉しくなっている要因のようだ。帰って来て、ロックハ…
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【第十六章 眷属】第百六十九話
「マスター。マイマスター!」 「オリヴィエか?シロは?」 「奥様は、すでに起きられて、朝ごはんの支度をしていらっしゃいます」 「シロが?」 「奥様が・・・です。ステファナもレイニーもリーリエも止めたのですが、奥様が絶対に作るとおっしゃっていまして」 何に対抗したのかわからないけど、対抗心を燃やしたのだろうな。 「わかった。起きる。シロに、一緒に食事をとろうと言ってくれ、食堂に行けばいいよな?」 「はい。かしこまりました」 食堂に行くと、シロがすでにスタンバイして待っていた。 簡単な朝食を用意してくれたようだ…
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【第十六章 眷属】第百六十八話
俺の前に座っているご老人にはいろいろとヒントを貰っていた。 俺が気がつくのを楽しんでいたようだ。アトフィア教のシンボルをわざと目に見える所につけているが、壊しているようにも見える。それに気がつけば、アトフィア教の人間だとは思わなかっただろう。 それだけではなく、ジャケットの袖口の見えるか?見えないか?程度の場所に、コレッカ教のシンボルをかたどった入れ墨がされている。 司祭か枢機卿か判断に迷う所だが、壊したアトフィア教のシンボルが枢機卿がつける物だと気がつけば、同程度の権力を持っていると考えるのが妥当だろう。…
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【第十六章 眷属】第百六十七話
メリエーラ老が執務室から帰っていった。 帰りは、執事(エント)の一人が送っていくようだ。 「オリヴィエ」 「はい。マスター」 「シロ達は暫く帰ってこないよな?」 「奥様が皆を引きづり回していると報告が来ています」 「そうか、それじゃ帰ってくるのは、夕方になるな」 「はい」 本当に久しぶりだな。 オリヴィエがいるけど、一歩も二歩も下がっているから存在を認識できない時もある。 エントの特性が出ているのだろうか? 溜まっている決裁書類を読み込んでいく。 「なぁオリヴィエ。犯罪者が増えているけど、これって管轄する場…
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【第十六章 眷属】第百六十六話
眷属達の強化も一応目処がたった。 あれから、エーファはシロの隣で人化して過ごす事が多い。人化での戦闘に慣れるためだと言っているが、どうやら食事が気に入っているようだ。別に、狐形態でも同じ食事をさせるぞと言ったのだが、人化を解こうとしない。どうやら他にも理由が有るようだ。 俺が気にしてもしょうがないだろうと思って、エーファの好きにさせている。 今日、シロとエリンとステファナとレイニーとエーファで買い物にでかけた。 下着は、メイド(ドリュアス)が持ってきているが、服は自分で選んでみたいという事だ。ついでに、エー…
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【第十六章 眷属】第百六十五話
ティリノがいきなりぶっこんできた。 「ティリノ。ダンジョンにする?どういう事だ?」 『建物をダンジョン化しておけば、移動が楽に出来ます』 「どういうことだ?移動は、転移門が必要だろう?」 『え?マイロード。ペネムからそう聞いたのですか?』 「あぁ」 ティリノの認識では、ダンジョンは飛び地でも作られるようだ。 そして、作ったダンジョンは空間を繋げる事ができるという事だ。 「ペネム。聞いた事はあるか?」 『我が主。我はそのような事は聞いた事が有りませぬ』 どうやら同じダンジョン・コアでも権能に若干の違いがあるよ…
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【第十六章 眷属】第百六十四話
「エーファ(母親狐)。ティア(兄狐)。ティタ(妹狐)。レッチェ(鷲夫)。レッシュ(鷲妻)。エルマン(梟夫)。エステル(梟妻)狭い所で悪いな」 『マイロード。問題ありません』 最初、俺とシロの部屋を一つ開放する考えだったのだが、眷属を含めた皆から、反対された。本人たちも、それはできないと言われてしまった。 妥協案として、オリヴィエとリーリアとステファナとレイニーとアズリがログハウスに移動する事になった。 洞窟内は、カイとウミとライとエリンと新しく眷属になった者が使う事になった。 「シロ。おつかれ」 「カズトさ…
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【第十六章 眷属】第百六十三話
「大主様。チアルダンジョンに残ると申し出た者たちです」 今、俺の前で狐(フォックス)と鷲(イーグル)と梟(アウル)が少し緊張した感じで、俺の言葉を待っている。 // 名前:— // 性別:メス // 種族:フォレストフォックス // 固有スキル:魅了・誘引(レベル1) // 固有スキル:憑依(レベル1) // スキル:— // スキル:— // スキル:— // スキル:— // スキル:— // 体力:E // 魔力:F 狐(フォック…
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【第十六章 眷属】第百六十二話
通常の生活が戻ってきた。洞窟に戻ってきて数日が経過した。 風呂は作って入っていても、やはり自分の部屋の風呂が一番にきまっている。 「ご主人様。お風呂の準備を致しましょうか?」 「頼めるか?」 「はい」 リーリアがステファナとレイニーを連れて、風呂の用意を始める。 この間に、少しやっておく事がある。 「アズリ!」 「はい。旦那様」 アズリも、ステファナとレイニーに習って、シロを奥様。俺を旦那様と呼ぶことにしたようだ。最初は、シロを聖女様と呼んで居て、改める事から始めたのだが、なんとか問題ないレベルまで落ち着か…
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【第十六章 眷属】第百六十一話
え?無反応? リッチ的な何かかと思ったのだけど違うのか? カイとウミとライが、倒した魔物の処理を始めている。 ローブをまとっている者を、カイやウミやライだけではなくオリヴィエもリーリアも脅威とは見ていない様子だ。 どうしようかな? シロを見る。シロは、ローブを凝視している。 「シロ?シロ?」 「カズトさん。あのローブ。アトフィア教の司祭が身につける物に似ています」 「似ているのだな?」 「はい。僕が知っている物と大きくは違わないのですが、細部が違っています」 「そうか、年代が古いとか、そういう事なのかもしれ…
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【第十五章 調査】第百六十話
そりゃぁすんなり踏破とは行かないよな。 60階層のオーガの上位種と進化体を相手に戦った。 戦い事態はそれほど困難ではなかったのだが、数が多かった。 正確には、数が多くなってしまった。オーガの進化体が手ごわかった。ウミとエリンが対応したのだが、元々力が強いオーガが固有スキルを持つのだ厄介になるのは当然だろう。 ウミとエリンで進化体を相手にしている間に、俺たちは上位種を倒していたのだが、黒い珠(イミテーション・コア)から上位種が産まれ続けていた。 200を超えた辺りで数えるのが馬鹿らしく思えてしまった。最終的に…
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【第十五章 調査】第百五十九話
「マスター。マスター」 もう起きる時間か? シロは、起きているようだ。寝るときに感じていた暖かさがない。 「オリヴィエ。皆、起きているのか?」 「はい」 律儀に馬車の外から話しかけてくれている。 「そうか、悪かったな」 「いえ、お休みの所申し訳ありません」 「いや、問題ない。それよりも、何か有ったのか?」 『我が主よ』 「オリヴィエ。すまん。少しペネムがなにかあるようだ」 「はい」 『なんだよ。急に、何か有ったのか?それに、我が主ってなんだよ?』 『ダメなのか?』 『別に呼び方なんて何でもいいけど、それより…
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【第十五章 調査】第百五十八話
階層主が居る扉の前でじっくりと休む事にした。 ペネムが展開した草原で、シロが俺の肩に頭を乗せて寝息を立てている。 「マスター」 食事の用意ができたようだ。 オリヴィエが俺とシロを呼びに来た。 「シロ。シロ」 よほど疲れたのだろう。無理をさせていたのかもしれない。 「あっうぅぅん」 まだ眠そうだな。 「シロ」 「うぅぅん。あっ」 うん。起きたようだな。 「シロ。起きろよ。ご飯を食べて、身体を拭いてから寝ることにしよう」 「え・・。あっ。カズトさん。ごめんなさい」 「そんなに疲れていたのなら、言ってくれよな」 …
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【第十五章 調査】第百五十七話
エリンの活躍で地図が手に入った。 地図を眺めていると、シロが近づいてきた 「カズトさん。明日から僕も前にでましょうか?」 「うーん。まだいいかな?レイニーで対応が難しくなってからだな」 シロが少しだけ残念そうな顔をする。 「わかりました」 「どうした?」 シロが何かいいたいことでも有るのだろうか? 「僕、カズトさんの・・・。いえ、なんでもないです」 そういう事か? ここまでシロは殆ど戦いに参加していない。同じ、戦闘に参加していなかった、エリンが地図を入手してきた。それを俺が喜んでしまったのが、シロに変なスイ…
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【第十五章 調査】第百五十六話
万全の体制で挑む必要性は皆無だろう。 それでも、”主(ヌシ)”が待っているのだ、手を抜かないで、しっかりと休んでから挑もう。 ダンジョン内で身体をゆっくりと休める事が出来るわけもなく、できるだけ快適な状態で休める場所を作る必要が有る。俺達は、ライに馬車を出してもらって、馬車の周りに眷属たちに結界を展開してもらう。 俺とシロで一台の馬車を使って、他でもう一台を使う事になった。 馬車の中なら布団を敷いて休むことが出来るので、快適度合いで差が出てくる。 食事を終えて、湯で身体を拭いてから、寝ることにした。 「シロ…
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【第十五章 調査】第百五十五話
「エリン。大丈夫か?」 『大丈夫だよ。パパ。シロママも早く乗って』 エリンに、拠点にする予定のロックハンド(仮)港予定地まで飛んでもらう事にした。 エリンにしたら距離はさほど問題にはならない。 問題になるのは、行った先に何も無いことだ。 そこで、まずは場所を確認してから、ライに眷属を盛大に呼び出してもらう。 定職がない者から順次呼び出していく、そして一気に拠点となる港を作ってしまおうと考えた。 港ができれば、パレスケープは無理だとしても、ロングケープやパレスキャッスルから船で物資を運び込めるようになる。ワイ…
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【第十五章 調査】第百五十四話
報告を聞いて、5つのダンジョンの存在を確信しているのだが、少しわからない事もある。襲撃が行われている場所が、石壁全域に及んでいる事だ。 石壁の長さは、万里の長城ほどではないが、かなりの距離を誇っている。正確に計測したわけではないが、ミュルダ-ロングケープ街道を倍にした長さがあると思って間違いないだろう。 そして、石壁から目視出来る程度の場所にダンジョンが発見出来ていない。 中央付近から石壁に来ているのだとしたら、距離的な事を考慮すると、4-5日前にダンジョンから這い出た魔物が来ている事になる。 石壁にのぼっ…
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【第十五章 調査】第百五十三話
さっそく、魔の森に行くぞ! とはならなかった、オリヴィエとリーリアから、ステファナとレイニーの武器と防具を新しくしたほうが良いだろうという進言を貰ったからだ。 シロが2人を連れて、商業区に買い物にでかけた。 オリヴィエに問いただす必要がある。 「それで、オリヴィエ。本当の目的は?」 「マスター。なぜ?」 「わからないと思ったのか?シロが何か頼んだのだろう?」 「はい。奥様から、2人が休もうとしないと相談されました」 「それなら、シロが一緒では・・・。そうか、シロが途中で帰ってくるのだな」 「はい。商業区なら…
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【第十五章 調査】第百五十二話
「カズトさん?」 シロが俺の顔を覗き込んで心配そうに声をかけてきた。 確かに少しだけイラッとしたけど、そんなに態度に出たか? 「シロ。悪い」 「いえ、いいのですが、何か有ったのですか?」 隠す意味はないな 「スーンから連絡が入った。魔の森でスタンピードが発生した」 「・・・」 「今から、ログハウスに行くけど、シロもついてきてくれ」 「もちろんです」 「ステファナとレイニーにも準備させてくれ、もしかしたら、魔の森に調査に行く事になるかもしれない」 「はい。エリンちゃんとリーリアとオリヴィエはどうします?」 「…
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【第十五章 調査】第百五十一話
「ツクモ殿。本当なのでしょうか?」 いきなりの質問だな。 「ヨーゼフ。何か不満なのか?」 「いえ、不満という事は無いのですが・・・」 「なんだよ。煮え切らないな。なんか有るなら言えよ」 疑っているという雰囲気ではない。戸惑っているという雰囲気の方が適切なのだろう。 「本当に、ゼーウ街の・・・。違いますね。もっと具体的に聞きます。ヤーティが率いる兵が負けたのですか?」 「ん?ヨーゼフ。俺、そのヤーティなる人物を知らない」 「失礼。獅子族の者で、歴戦の勇者です」 歴戦の勇者と言われてもな・・・。 「歴戦の勇者っ…
続きを読む2022/09/28
【第十四章 侵入】第百五十話
翌日には、パレスケープ区でも戦端が開かれた。 影通信(仮)での連絡が入ったのは、朝食を食べている最中だった。アポリーヌには、悪いけど状況が落ち着くまで、俺の近くに居てもらう事にした。デ・ゼーウの屋敷の地下牢は、ヤニックだけで支えてもらおう。 残ってもらったのは、パレスケープ区で俺たちの陣営に始めての犠牲者が出たためだ。幸い命は助かったが、かなりの怪我をしてしまった。第一報では、死亡者が出ていてもおかしくない戦闘の状況だ。 新兵が居る事を考慮していなかったからだ、俺のミスだ。 パレスケープ区では、ギリギリまで…
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【第十四章 侵入】第百四十九話
昼前に目が覚めた。 リーリアに連絡をとって、スラム街まで偽ツクモと偽シロを連れてこさせた。 スラム街で偽物と入れ替わった。 偽物は、暫くスラム街で預かってもらう事にした。眷属化と呼子を使えば、チアル街に返還する事は出来るかも知れないが、そんなに重要な事でもないので、スラム街に放置する事にした。レベル7帰還を使えば帰られる事もわかっているが、それこそもったいない。 宿に帰る前に、ライに眷属を呼び出してもらって、街中に放つ。 街中の情報を得る事が目的だが、同時に街の動きを観察する目的もある。動線がわからないこと…
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【第十四章 侵入】第百四十八話
救出は無事に終わった。 ヤニックとアポリーヌは、地下牢に残るようだ。いつでも出てこられる状態なので、逃げ出す必要が無い。それに今まで食事を運んだり手伝っていた者がいきなり居なくなったら流石に怪しむだろうという考えからだ。 それに、屋敷の中にもまともな者が居るので、連れて帰るなり、ゼーウ街で働かせるなりしてはどうかという事だ。、デ・ゼーウが俺に対応する事を考えているのなら、ヤニック達の方が人質として価値が有るので、ヨーゼフ達の事がバレにくいのではないかという考えだ。 余計な事だが、偽妹と偽夫人は下半身は男性が…
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【第十四章 侵入】第百四十七話
「ツクモ様」 「ファビアン。待たせてしまったようだな」 「いえ、大丈夫です」 辺りを見回すが、つけられている様子はない。 俺たちだけではなく、ファビアンも誰にも後をつけられていないようだ。 「マスター!」 オリヴィエが俺の前に剣を持って飛び出す。 肩に手をおいて 「大丈夫だ。だろう?」 「怖い。怖い。これでも俺の全力だったのだけどな」 そう言って建物から男が出てきた。 「ファビアン。この弱そうな男は?」 「言ってくれるな、坊や!」 「全力でその程度なら、怖くもなんともないからな。これなら、55階層のギガント…
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【第十四章 侵入】第百四十六話
スーンにはすぐに連絡が付いて、実験区から素体を3体送ってもらう事になった。 方法はいたって簡単。ライの眷属に、スキル眷属化を使わせて、3体の素体を眷属化する。ライが、その眷属をスキル呼子で呼び寄せる。そして、呼び寄せた眷属が持ってきたスキル呼子で素体を呼び寄せる。 レベル6眷属化が3枚とレベル5呼子が3枚とレベル6変体が3枚使う、63万円(=日本円)の作戦だ。 贅沢な使い方だよな。レベル6眷属化じゃなくて、レベル5隷属化でもできるかも知れないけど、実験していなかったから、安全を見ないとな。スーンに、隷属化で…
続きを読む2022/09/28
【第十四章 侵入】第百四十五話
どのくらい抱き合っていたのだろう。 何回唇を合わせたのだろう。舌が絡み合うようなキスをした。 「カズトさん。僕おかしくなりそう」 「俺もだよ。でも、シロ。まずはやることをやろう」 「はい!」 俺が愛したシロがそこに居る。二人でお互いの身体を拭いてから、用意されていた新しい下着を身に付けた。 リーリアとオリヴィエとステファナとレイニーが資料をまとめてくれている。 できた資料から持ってくるように伝えた。順次、資料を読み込んでいく、思っていた以上に警備が硬い場所がある。何か隠していますと言っているのに気がついてい…
続きを読む2022/09/28
【第十四章 侵入】第百四十四話
「大丈夫か?」 シロが少しじゃなく疲れているように見える。 「だ、大丈夫です。少し、人が多くて・・・びっくりしただけです」 「あれ?フラビアとリカルダと一緒に」 アトフィア教では姫様的な立場で注目されるのにはなれているのではないか? 「あっえっ、あっそうです。大聖堂とか大きな場所で、それに僕たちはその他大勢の1人でした」 と、思ったが違ったようだ。 でも、ログハウスや迎賓館では俺の横で注目を浴びているよな? 「それなら、迎賓館やログハウスでなれているだろう」 「あれは、カ、ユリアンさんに皆が注目しているので…
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