非ハーレムの記事一覧
2022/09/28
【第十三章 遠征】第百三十五話
ルートガーが視察に向かったが、途中で問題が発生して帰ってきた・・・と、いう設定で、予定通り2週間で帰ってきた。 「それで?」 「はい。イサーク殿が説得を試みたのですが・・・説得を聞き入れるといった状態を越えていました」 ルートガーの話をまとめると、ジュアネ・パウマンは”カズト・ツクモ”を破滅させるためだけに動いていたのだ。出世欲とかではなく、単純に憎しみからの行動のようだ。イサークに関しても、仲が良かった”友”ではなく、”カズト・ツクモに従う者”として認識してしまっていた。 説得をおこなった夜に宿屋を襲われ…
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【第十三章 遠征】第百三十四話
非常に残念だ。 すごく残念だ。そして、いろいろ納得してしまった。 「老。それは、間違いないのか?」 「ツクモ様。間違いないと、ワシは思っておる」 ライの眷属からの報告、そしてそれを聞き取りしたフラビアとリカルダのまとめ。 クリスとルートガーの裏付け。 組織され始めたメリエーラ老の諜報部隊。 今回一番活躍したのが、吸血族だ。メリエーラ老に協力する形で、モデストたちが各地に散っていた。これが情報の集約に一役かっていた。 迎賓館の執務室に、メリエーラ老とルートガーとモデストが居る。俺の横には、シロ。近くには、ステ…
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【第十三章 遠征】第百三十三話
前世・・・では無いのだが、死んで生まれ変わった事にした。その方が説明がしやすかったからだ。 同じ宇宙なのかわからないが、広大な宇宙の中の、小さな地球という星の、小さな日本という国の、さらに小さな小さな街に住んでいた事を説明した。 この世界よりも文明が進化していた事や、スキルカードが無い事や、ダンジョンがなく、種族は人族しか居なかった事。魔物もいなくて、代わりに動物が居た事。沢山の国があって、人族が50億人以上居た事を淡々と説明していく。 シロは、黙って俺の告白を聞いてくれている。 俺が作っている料理やスキル…
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【第十三章 遠征】第百三十二話
執務室で、シロとメイド(ドリュアス)が入れたお茶を飲んでいると、スーンとミュルダ老とメリエーラ老が面会を求めてきた。 「大主様。実務会議が終わりました」 「ありがとう。スーン。まとめに入ってくれ」 「はっ」 スーンが一礼して、隣の執事(エント)が待機している部屋に入っていく、会議の内容を議事録の形でまとめさせて、皆に配布する資料にする。そのまま、デ・ゼーウに渡っても問題ないように隠すべき情報は載せない事も忘れずに指示を出しておく。 俺とシロが座るソファーの正面にミュルダ老とメリエーラ老が座る。 「老。それで…
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【第十三章 遠征】第百三十一話
シロは、着飾って緊張した面持ちで執務室のソファーに座っている。 今朝起きてから、フラビアとリカルダに連れられて、宿区に戻って、風呂に入れられて、頭の先から足の指先まで綺麗に洗われたという事だ。17歳になるシロにそんな・・・必要ないと思ったが、女性のやることに口を挟むと10倍以上の小言が届くことを経験で知っている。 ドナドナされるシロに”頑張れ”と念話で送って、俺は会議で使う資料に目を落とす。 スーンとミュルダ老とヨーンが俺に挨拶をした者たちから順次情報を引き出してまとめてくれている。 資料には問題はなさそう…
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【第十二章 準備】第百三十話
5日後の会談に備えて・・・俺は到着した者から挨拶を受ける事以外にやることがない。 今日は、誰も到着していない事もあって、本当にやる事がない。表の行政区を周って、宿区を通って、ログハウスに帰る事にしたのだが、行政区を抜けた辺りから誰かに見られている感じがしている、眷属たちではない事はすぐにわかった。監視されているというよりは、観察されている感じだ。 「なぁシ・・・ロ」 斜め後ろを振り向いて、今日は1人だった事を思い出した。 行政区を歩いたり、宿区を周ってみたが落ち着かなかった。いつの間には、俺は”シロ”に依存…
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【第十二章 準備】第百二十九話
アンクラム経由で行政区に戻った。 エリンが少しだけユーバシャール区を見て回りたかったと言っていたが、ゼーウ街対策もある事から、予定を切り上げて帰る事にした。俺とシロはエリンに乗って帰ると宣言すると機嫌も良くなった。もちろん、カイとウミとライも一緒だけどな。 リーリアたちはメリエーラ老とイサークたちと馬車で向かっている。 「カズト様!!」 「ん?シロ。何か言ったか?」 結界や障壁を張っていても、風切り音で会話が難しい状況になってしまっている。 『すみません。念話にすればよかったですね』 『あぁそうだな。それで…
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【第十二章 準備】第百二十八話
宿に戻って休もうと思っていたら、代官が面会を求めてやってきた。 「カズト様」 「どうしたシロ?」 「はい。よろしければ、私が、代官に事情説明をしてまいります」 「いいのか?」 「はい」 シロを見ると、何か考えがあるというわけでは・・・なさそうだ。 「・・・シロ。任せていいか?」 「はい!」 途中からだけど、事情が解っているのは、俺かシロだからな。 エリンに説明を任せるわけには行かないから、そうなると、シロが適任である事は間違いないのだろう。 シロが宿に来ている代官と面談してくるために部屋から出ていく。 丁度…
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【第十二章 準備】第百二十七話
『ライ。ここに寝っ転がっている奴らを縛っておいてくれ』 『はぁーい』 「シロ。こいつらを死なない程度に治療してくれ、死なれても困るからな」 「・・・わかりました」 「何か言いたいのか?」 「いえ、コイツらは、カズト様の命を狙いました。それ相応の報いを受けて当然かと思います」 「シロ・・・ありがとう。でも、俺のために、コイツらを治療してくれ」 「・・・はい。かしこまりました」 縛られている男が喚いているので、まず黙らせる事にする。 冒険者を名乗っていた奴らは静かなものだ。それもあって、男の声が頭の中に響いて来…
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【第十二章 準備】第百二十六話
部屋の準備が整ったとリーリアから連絡が来たのは、5分くらい経ってからだ。 俺が借りた部屋ではなく、新しくシロが泊まる部屋にテーブルと椅子とお茶が用意された。 カイとウミとライの場所まで用意しているようだ。 俺の横にシロが座って、リーリアとオリヴィエが後ろに控えるようになる。エリンは、カイたちと一緒に座っている。 正面に少し緊張した面持ちでシロの従者となる二人が立って俺を見ている。 「旦那様。私達に名前を付けてください」 エルフっ娘が頭を下げる。 俺は、リーリアを見るがしれっとした顔をしている。 なに、旦那様…
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【第十二章 準備】第百二十五話
シロと洞窟に戻ると、スーンが面会を求めてやってきた。 「どうした?珍しいな」 「お休みの所申し訳ありません」 「別に構わない。それで?」 「はい。スキルカードの産出の事でご報告があります」 今、スキルカードは主にチアルダンジョンから入手している。 獣人と魔蟲が一緒にダンジョンに入って魔物を狩っている。 やっと50階層の半ばに到達できる者たちが現れ始めたという事だ。それは喜ばしいことなのだが、取得できるスキルカードが変わってきたという事だ。低レベルのカードの上位版が多くなってきているという事だ。 簡単な例でい…
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【第十二章 準備】第百二十四話
メイド(ドリュアス)が用意したお茶を一口飲んでから 「ルート。話せよ」 「・・・はい」 ルートガーが話し始めたのは、子供の頃の話だ。 「ツクモ様」 「なんだ?」 「この話は・・・」 「大丈夫。俺だけの中に閉まっておく、お前を脅す以外に使うつもりはない」 「そうですか・・・それなら安心・・・ってならないですよね?何言っているのですか?貴方は、バカなのですか?」 「そうか?お前とクリスが夫婦喧嘩したときには、俺は、どんな状況でもクリスの味方をする。そうしたら、お前の弱みを握っている俺がクリス側に居て、お前は謝罪…
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【第十二章 準備】第百二十三話
二人を交互に見る。 ルートガーは、別件もあるから、まずはリヒャルトからだな。 報告書は既に目を通している。パレスケープで問題になりそうな事は、食糧難に陥ってしまう可能性があること位だな。 「リヒャルト、心証を教えてくれ」 「そうですね。報告書に書いてある通り、食料を大陸に握られています。それを仕切っていたのが・・・」 リヒャルトが、ルートガーを見る。 「そうか、ルートに命令していた商隊なのだな?」 「そうなります」 「海の幸があるだろう?」 「・・・パレスケープでは、海の魔物は殆ど食べません」 「なぜ?」 …
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【第十二章 準備】第百二十二話
リヒャルトとルートガーが行政区に帰ってきた。 すぐに、ログハウスの執務室に来るように伝えた。 本人たちもそのつもりだったようで、2時間ほどで執務室に来られるようだ。 さすがに、旅装のままなので、風呂に入ってからログハウスに来るという事だ。 ミュルダ老からの助言を入れて、まずは執務室ではなく謁見の間で簡単な報告を受ける事になった。 そこで、賞罰を伝える方が対外的にも良いと言われた。 執務室で待っていると、執事(エント)が呼びに来たので、謁見の間に向かう。 「ツクモ様。戻りました」 「ツクモ様。パレスケープより…
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【第十二章 準備】第百二十一話
明日、パレスケープに代官代理として行っていたリヒャルトと、代官代理の代理として行っていたルートガーが帰ってくる。 なんだかんだで、”誕生祭”から3ヶ月位行っていた事になる。 その間ペネム街では大掃除が行われた。 主に、自由区の外に構築されつつ有った外周部分だ。 この部分は、無法地帯になりそうだったので、自由区を広げる事で、飲み込ませた。それだけでは問題は解決しない事も解っていたので、外周部に居た連中を面談した。 想像以上だった。ほとんどが、SAやPAに入る事ができない者たちだ。中には、勘違いしている者も存在…
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【第十一章 飛躍】第百二十話
俺は、影ツクモで一緒に行くことにした。 ルートガーが先導している。自由区にある”そこそこ”高級な宿が目的地のようだ。 途中でカイとウミとライも合流している。 思いっきり怒られた。主に、俺が”暗殺者(ルートガー)”が居る事を認識しながら、カイたちを遠ざけた事についてだ。ルートガーに関しては、俺が許している事から、今(・)回(・)は(・)問題ないと判断しているようだ。次は、無条件で殺すと言っている。 「ツクモ様が、カイ様たちに怒られる所なんて貴重な場面が見れて気分が晴れましたよ」 「ルート!いいか、今吐いた言葉…
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【第十一章 飛躍】第百十九話
「ツクモ様。なぜわかったのですか?」 「そりゃぁそれだけ殺気を放っていればわかるよ」 扉から、ルートガーが姿を現す。 「理由をお聞きにならないのですか?」 「聞いたら教えてくれるのか?」 ルートガーはスキルカードを取り出す。 腰に下げた剣を抜いている。 そうだ、俺が教えたスタイルだ。 「ツクモ様」 「いいぜ、俺も簡単には殺されないけどな」 持っているスキルカードは、レベル4麻痺や毒。レベル5雷弾や爆炎まで持っている。 「そうか、ダンジョンを使ったのだな」 「はい。ツクモ様。行きます!」 ルートガーが、出して…
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【第十一章 飛躍】第百十八話
午前中は、迎賓館の中にある謁見の間で過ごす事になってしまった。 シロ用の椅子も用意したが、俺の横で立っている事を選んだ。 初日は、既に見知った者たちの挨拶を受ける。 行政官やSA/PAの代官たちだ。挨拶と言っているが感謝の言葉を紡いでいく。誰のこと?と思わないわけではないが、後ろでシロがウンウン言っているので、俺の事を言ってるのだろう。歯が浮きそうな美辞麗句を並べられている・・・わけではないが、それでも皆が感謝しているのがわかって、挨拶を受けてよかったと思えてくる。 午後からは、影ツクモと影シロで商業区や自…
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【第十一章 飛躍】第百十七話
「パパ!」 エリンが洞窟にやってきた。 スーンが案内してきたようだ。エリンは、すぐにシロの部屋に移動していった。あっちで寝るようだ。 「大主様」 「わるいな、急に仕事を追加してしまったな」 「いえ、大丈夫です。それに彼らは思った以上に優秀です」 「ほぉそれは良かった」 スーンの報告では、彼らは商業区と自由区の簡易地図からアトフィア教の粛清部隊ならこの辺りに潜むだろうという場所を割り出した。スーンは、それをもとに数ヶ所の拠点を調査した所6ヶ所中4ヶ所で拠点として使っていた形跡が確認できた。 また、外に待機して…
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【第十一章 飛躍】第百十六話
今日は久しぶりに朝から大忙しだ。 面会の申し込みをさばくので精一杯になっている。 全員が、新しく恭順を誓った街や集落の人たちなので、無下にするわけには行かないと思って・・・対応を始めたのが失敗だった。 収拾がつかなくなりそうだったので、まずは、ミュルダ老からの報告を聞いてから、俺の計画を語ってから、それでも話がしたければ、話を聞く時間を個別に作るという事で納得させた。 昼前には、ミュルダ老を始め使者として各地を回ってもらった者と、各街の代表と47名の集落の代表と、護衛や腹心たちが集まってきた。迎賓館を作って…
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【第十一章 飛躍】第百十五話
誕生祭の2日前の今日、ユーバシャール街に向かった使者たちが帰ってきた。 俺とシロとシュナイダー老や残っていた行政官で使者たちを出迎える。 適時ワイバーン便で連絡は受け取っていたが、皆が無事に帰ってきてくれた事が嬉しい。 「カズトさん!」 一番に駆け寄ってきたのはクリスだ。 公式な場ではないと言ってあるので、2人を除いては問題ない表情をしている。 俺を睨みつけているのは、ルートガーだ。でも、どこか余裕が有るのは、ここ2ヶ月あまりクリスと過ごせたことで、精神的にも安定したのだろう。これからも、睨む程度で俺に突っ…
続きを読む2022/09/28
【第十一章 飛躍】第百十四話
シロとフラビアとリカルダとの関係も少しだけ変化した。 カイとウミの許しが出て、シロとフラビアとリカルダに洞窟の事を教えた。普段、俺が”どこ”に行っているのか疑問に思っていた3人はこれで納得できたと話していた。 同時に、居住区やチアルダンジョンのことも説明した。ペネムに関わる事も薄々気がついていて、答え合わせになっていたようだが、俺の転生?話し以外は教えられる事は(多分)全て教えた事になる。 秘密がなくなって更に最近暇になる事が多くなってきた。やることは多いのだが、すぐに終わってしまう内容だけになってしまって…
続きを読む2022/09/28
【第十一章 飛躍】第百十三話
「!!!!えぇぇぇぇぇ・・・・僕?なんで?」 「あっシロ。おはよう。耳元で叫ぶなよ。頭の中までお前の声が響いたぞ?」 「カッカッカッカズト様。僕なんで?」 「あぁ?シロがドア開けて入ってきたのだろう?おねしょでもして寝られなくなったのか?」 シロが布団をガバっと開けて、自分の服装を確認しようとした。 「あっバカ!」 俺は気がついた。 夜にシャワーを浴びた状態のままである事を・・・。 「カズト様のバカ、僕、おねしょ・・・なん・・・て・・・え?なんで?」 「あぁ?お前が脱がしたの・・・嘘だからな、安心しろ、な、…
続きを読む2022/09/28
【第十一章 飛躍】第百十二話
思い立ったが吉日。 ユーバシャール街に行こうとしたが、シュナイダー老だけではなく、スーン、フラビア、リカルダから全力で止められた。 ユーバシャール街に送り出した使者が帰ってくるまでは、ダメだと言われた。 少し考えればわかることだが、今ユーバシャール街の前領主の息子(末弟)は使者と一緒に港町や近隣の集落や村を回っている。ワイバーン便での連絡だけだが、ほぼ総ての集落がペネム街の傘下に入る事を望んでいるという事だ。パレスキャッスルも既に恭順の意思を示している。残っているのはパレスケープ街だが、先方から既に連絡が使…
続きを読む2022/09/28
【第十一章 飛躍】第百十一話
作者注) この第十一章は、カズト・ツクモ 視点で書かれています。 バカ二人と一緒に居た者たちを”ペネム街が支配下に置いた街”への出入りを禁止した。 それを聞いたバカ二人は安心して、ユーバシャール区(・)に帰っていった。 既に、ワイバーンを飛ばして、バカ二人を出禁にした事は伝達済みで、バカ二人の取り巻き商人や冒険者たちも総て素性が割れて、ユーバシャール区(・)にある商店や家、総ての財産に関してユーバシャール区(・)の行政で没収している。 石壁の向こう側まで、馬車に詰め込んで運んでやる事にした。そこからは徒歩で…
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【第十章 統一】第百十話
/*** カズト・ツクモ Side 少しだけ時間は戻ります ***/ 「ツクモ様。ユーバシャール街に潜入していた者から報告が上がってきました」 「無事だったのだな」 「はい。潜入した者や商隊にまぎれていた者総て無事です」 「そうかよかった。それで?」 シュナイダー老は報告としてまとめられた物を提出してくれた。 読み込んでいるうちに笑いそうになってしまった。 前世でよく聞いた話が書かれている。 「ツクモ様」 「わるい。それで、どっちがサラトガに・・・いや、今はミュルダに向かっているのだったな?」 「出来の悪い…
続きを読む2022/09/28
【第十章 統一】第百九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ユーバシャール街からの使者は、サ(・)ラ(・)ト(・)ガ(・)に到着した。”代(・)表(・)に会(・)わ(・)せ(・)ろ(・)”という事だ。 近いのは、間違いなくアンクラムだ。そこを避けて、サラトガにむかうあたりに悪意を感じる。石壁が急にできたりしてびっくりして使者を出したのなら、石壁に駐留している者に接触を試みればいい。 それをしないで、サラトガで”代表”に会わせろとしているあたりに、何か意図的な匂いと俺たちを甘く見ている感じがする。 対応を協議する為に、行政…
続きを読む2022/09/28
【第十章 統一】第百八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ アトフィア教が攻め込んできたのを撃退してから1ヶ月が経過した。 だいぶ街も落ち着きを取り戻してきた。 大方の予測どおり、ロングケープ街は、ロングケープ区となりペネム街の支配下に入る事に決まった。街道の整備も始まっている。 「カズトさん。流石にペネムではロングケープまで支配領域を伸ばすのは難しいです」 「そうか・・・やっぱりダメか・・・ありがとうなクリス」 「いえ。大丈夫です」 一礼して、行政区にある執務室から出ていく。 今日もルートガーが付き従っている。仲良くや…
続きを読む2022/09/28
【第十章 統一】第百七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「シロ!シロ!」 馬車の中で一晩を過ごした。 身体が痛かったので目が覚めてしまった。 「シロ!朝だぞ」 俺は、俺に抱きついて寝ているシロを起こそうとしているが起きる気配がない。 相当疲れているのだろう。なれない武器で戦っていたのだからしょうがない。カイとウミも、二度寝して下さいと言っていたので、言葉に甘える事にした。ライが、スーンに連絡をして、フラビアとリカルダとギュアンとフリーゼを、イサーク達に合わせる役目を頼んでもらった。 冒険者ギルドで待ち合わせをしてから…
続きを読む2022/09/28
【第十章 統一】第百六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ シロたちの事はこれでひとまず終わりだと思いたい。 アトフィア教には、是非遠くで幸せになってほしい。俺に二度と絡んできてほしくない。 今、ログハウスの執務室でイサークとナーシャと向き合っている。ナーシャはいつもどおりだけど、イサークは少しばかり不安な表情を浮かべている。 俺の後ろには、シロが居て、俺の横にはエリンが座っている。 「ツクモ殿?俺たちが・・・ナーシャが何かしましたか?」 ナーシャが何かしたと思う辺りはさすがだな。 「安心しろ、ナーシャの件は置いておくと…
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