ご都合主義の記事一覧
2020/03/06
【第五章 ギルドの依頼】第二十三話 討伐?虐殺?
「結界の発動トリガーはエミリアが担当。結界の効力が切れたら発動」 『了』 「100体以上の群れが索敵対象。それ以外の群れはスマートグラスに表示」 『了。マスター。上位種がいる集団を”群”。それ以外は集団と認識します。色分けを行います』 「わかった。群れの上位種も解るように色分け。色は、赤の濃さで識別」 『了』 ヤスも指示が熟れてきた。 曖昧な部分を消すことはできないが、それでも以前よりもだいぶマシになってきた。エミリアやマルスも学習を行い。ヤスの指示を補正できるようになってきている。 「索敵対象の群を時…
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【第五章 ギルドの依頼】第二十二話 強行
『マスター。トラクターの準備が整いました』 「ありがとう」 ヤスは残っていたパンを口に押し込んで、ジュースで流し込んだ。 「マルス。トラクターを正面まで移動しておいてくれ」 『了』 「エミリア。山下りのルートは算出できるか?」 『可能です』 「スマートグラスに表示してくれ」 『了』 5分ほど経過した。 ヤスは準備を整えていた。死ぬつもりはない。運転には自信を持っている。無茶な事ではないと考えているのだ。 「マルス。行ってくる」 『マスター。お気をつけて』 マルスに声をかけてから正面に停められているト…
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【第五章 ギルドの依頼】第二十一話 神殿
ヤスは、マルスの指示通りにアーティファクト(HONDA FIT)に乗り込む。 神殿の領域範囲内のギリギリだがディアナでの制御が可能で自動運転ができる状況なのだ。 ヤスがエンジンをスタートした。 『マスター。自動運転に切り替えますか?』 「頼む。さすがに疲れた」 『了』 ディアナは静かにスタートさせた。 速度を緩めるだけでモーターだけで動作する事がわかっている。マスターであるヤスが乗っているので、魔力の供給が受けられる為にモーターでの移動が可能なのだ。常にバッテリーがチャージされている状態なのだ。 …
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【第五章 ギルドの依頼】第二十話 情報と依頼
沈黙を破ったのは意外にもイザークだ。 「ヤス。魔物が迫っているのは間違いないのか?」 「解らない。大きな群れができていたのは間違いない。領都に向かっていないと言っていたが、それも俺が確かめた情報ではない」 ヤスの言い回しが気になったのかアフネスが口を挟む。 「ヤスは、その情報だけで、リーゼ様を領都に置いてきたのか?」 批判する気持ちが全く無いわけではない。連れてきて欲しいというのは状況を考えれば無理な話である事も理解している。 たとえ、スタンピードが発生してユーラットに向かっているのではなく、領都が…
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【第五章 ギルドの依頼】第十九話 伝達
ヤスは、寸前まで猛スピードで突っ込んで門の手前で停まった。砂煙を上げてユーラットの正門前で停まったのだ。 「ヤス!」 「イザーク!丁度良かった。裏門の鍵。それから、ダーホスとアフネスに裏門・・・。いや、ギルドに集まるように言ってくれ。俺もすぐに行く」 「・・・」 「イザーク!」 「すまん。わかった」 イザークは、屯所に居た者に声をかけて、ヤスに裏門の鍵を渡すようにいいながら自分はギルドに向かって走り始めていた。 どう考えても、ヤスの到着のほうが早いと考えたからだ。 何かが発生しているのは解るのだが、…
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【第五章 ギルドの依頼】第十八話 爆走
「ヤス様。こんなに詰めるのですか?」 「あぁ問題ない」 ヤスの前には、コンラートが持ってきた武器と防具が並んでいる。 それだけではなく、食料やポーションも置かれている。 「ヤス様。これは、武器と防具と食料とポーションと魔石の目録です。ダーホスに渡してほしい」 コンラートが目録をヤスに渡す。受け取った目録をポケットに押し込むふりしてエミリアに格納する。 「わかった。それで積み込んでいいよな?」 「えぇ大丈夫です。数は品物の確認はいいのですか?」 「武器と防具の本数と、食料の数。ポーションの総数が合ってい…
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【第五章 ギルドの依頼】幕間 コンラートの決断
儂は、コンラート。辺境伯の領都にある冒険者ギルドのギルドマスターだ。 髪の毛が薄いのも、背が低いのも、全部”ドワーフ”の特性だ。ただ、一点違うのは、声が甲高いことだ。全部がドワーフ族の特性なら問題はなかった。父方の父。儂から見たら祖父だが・・・。その祖父の嫁がハーフリングだった為に儂はこんな声になってしまった・・・。らしい。 別にこまる事はないが、初めて合う人間からはかなり驚かれる。笑い出す者もいる。 アフネス殿から話しを聞いて、面談した人族も少しだけ驚いた顔をしたのだがすぐに表情を消した。 面談…
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【第五章 ギルドの依頼】第十七話 急報
ヤスとリーゼは、2日に渡って領都中を歩くことになった。 主に、リーゼの責任だが、ヤスにも問題はあった。リーゼが方向音痴だという事を認識しながら、リーゼが地図を持って案内することを許したのだ。ヤスなりの考えも有ったのだがすべてリーゼの方向音痴度合いが上回った。広いと言っても1日あれば十分回れる広さ程度の領都の中に、訪れる必要がある場所が11ヶ所あるのだ。 一日目は迷いながらも4ヶ所に辿り着いた。リーゼはその時点でヤスに泣きついた。その日は、宿に戻ってゆっくり休んで翌日にヤスが地図を見ながら残りを訪れたの…
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【第五章 ギルドの依頼】第十六話 デート?
「ミーシャ!ヤス!」 ヤスがギルドマスターとの話を強制的に終わらせて階下に戻った所で、置いていかれたリーゼが怒鳴り込んできた。 「お!リーゼ。起きたのか?」 「ヤス!酷い。僕を起こしてくれても良かったのに!」 「いや、可愛く寝ていたからな。起こしては悪いと思って、そのまま寝かせておいた。そうだ、リーゼ。用事はいいのか?終わったのなら、領都を案内してくれよ」 「可愛い・・って・・・。そうだね。わかった。用事は、まだだよ。でも・・・。あ!ミーシャ。おばさんからの手紙を渡しておくね。ミーシャでしょ?」 ヤスの…
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【第五章 ギルドの依頼】第十五話 ギルドマスター
ヤスが冒険者ギルドに到着したらミーシャが出迎えてくれた。 ヤスに見えない場所で、荷物の運搬で不正を働いた者たちの処分が降された。 不正を働いた者たちは、盗もうとした物と同額の罰金を言い渡されていた。殆どの者が払えるはずもなく、冒険者ギルドの狗となる事が決定した。犯罪奴隷に落とされないだけましである。 「ヤス!」 「おっ悪い。それでどうしたらいい?」 冒険者ギルドの中でキョロキョロしていたヤスにミーシャが声をかける。 「査定は初めている。ギルドマスターに会って欲しい」 「わかった」 明らかにホッとし…
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【第五章 ギルドの依頼】第十四話 冒険者ギルド
「ヤス。もう大丈夫だよ!」 「わかった」 ヤスは三月兎(マーチラビット)に部屋を借りた。ラナがやっている宿屋で、アフネスの息がかかっている。 部屋を借りる時に料金で少しだけ揉めた。値段ではなく、ラナ(宿屋の主)はすでに受け取っていると言っているが宿泊数が伸びたり料理が付いたりで変わっているはずだとヤスが譲らなかったのだ。 それで、ラナは正直に話をしてリーゼの父親が持っている権利の代金が貯まっているので、その中から支払われるから大丈夫だと説明したのだが、話を聞いてヤスは手持ちの金貨を差し出して、足りなけ…
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【第五章 ギルドの依頼】幕間 ミーシャ
私は、ユーラットのギルドから領都のギルドに栄転となった。・・・・事に、なっている。 実際には、姉(あね)さんが裏で何かやったのだろう。そうでなければ、デイトリッヒまで一緒に領都の冒険者ギルドに移動になるわけがない。デイトリッヒは、ギルド職員ではないのだ。それがいきなり領都の冒険者ギルドの職員となる事になったのだ。 そして・・・。今度、何年かぶりにリーゼ様に会える事になった。 姉(あね)さんは何年か前にリーゼ様を領都に行かせるつもりだったのだが、ロブアンが反対して流れてしまった。人族の成人が15歳なの…
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【第五章 ギルドの依頼】第十三話 宿屋
「リーゼ様。お久しぶりです」 ミーシャが連れてきたエルフはリーゼを”様”と呼んだあとでヤスの方を見てから 「貴殿がヤス殿ですか?」 「えぇそうです。貴方は?」 「失礼致しました。アフネス様からのご依頼で、領都にいる間は私たちの宿にお泊りください」 そこで、しっかりとヤスの方を向き直して、頭を下げる。 「私は宿の店主をしています。ラナと言います」 「ヤスです。よろしくお願い致します」 「ラナおばさん!何回も言わせないで!僕の事は、リーゼでいいよ。僕・・・ハーフなのに・・・」 「いえ、姫様は姫様です。ミーシ…
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【第五章 ギルドの依頼】第十二話 領都
「リーゼ様。本当だったのですね?」 ミーシャと呼ばれた女性は、アーティファクト(HONDA FIT)の前で止まる。 「ミーシャ!こっちがヤス。それで、僕を連れてきてくれた!アーティファクトだけど乗り心地も最高だよ?ミーシャも乗ってみる?」 「リーゼ様。自由なのはいいことですが・・・。その耳は・・・。はぁ姉(あね)さんの苦労が・・・」 垂れきっている耳を見て、ミーシャが呟いた。 「耳?割とはじめからリーゼはこんな感じだよな?」 「え?あっそうそう。僕の耳はこんな感じだよ。ね。ね。ミーシャ。そうだよね?」 …
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【第五章 ギルドの依頼】第十一話 到着?
「ヤス。道違うよ。こっちじゃないよ?」 「そうだな。でも、リーゼを助けたのはこっちの道だぞ?」 「え?そうなの?」 「あぁ間違いない。アーティファクトで通った道は覚えている」 「それじゃ、僕の間違いだね。ごめん」 ヤスは運転しながらリーゼの顔を見る。 少し驚いた。素直に謝るとは思っていなかったからだ。 「その先は?」 「え?」 「だから、しばらくはまっすぐでいいよな?」 「うん!後は、太い道を進めば間違い無いはず」 「わかった」 ヤスは少しだけアクセルを緩める。 バンプが激しくて、FITが左右に揺ら…
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【第五章 ギルドの依頼】幕間 憂鬱と歓喜
「ヤス殿は行ったか?」 イザークは後ろから声を賭けられたが正面を向いたままでも、声の主は解っている。 「あぁ律儀に裏門の鍵を返すために立ち寄ってくれたよ」 「そうか・・・。イザーク・・・。いや、いい。忘れてくれ」 「そうだな。できれば、帰ってきて欲しいよな」 「大丈夫。そのためのリーゼだろう?」 「そうだな」 二人は、ヤスが走り去った道を見ている。 「イザーク。ヤス殿のアーティファクトを”どう”考える?」 「ダーホス。いや、ギルド長。質問の意味がわかりません」 イザークは、ダーホスというユーラットで昔…
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【第五章 ギルドの依頼】幕間 アフネスの考察
「アンタ。もう大丈夫よ」 「リーゼ様は領都に向かったか?」 「えぇ」 「それにしても、本当にヤスをリーゼ様の伴侶に考えているのか?」 「そうね。そうなればいいと思っているけど、ヤスはどうもまだまだのようね。リーゼ様は・・・」 「そうだな。あんな”耳”をされたら認めるしか無いな」 リーゼ様は口では否定しているが、耳がリーゼ様の心を映し出している。 エルフは、感情が現れるのは耳だ。だからではないが、髪の毛で耳を隠すエルフが多い。特に、エルフの里で育った者たちは、隠す傾向にある。 しかし、リーゼ様はユーラッ…
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【第五章 ギルドの依頼】第十話 移動開始
「ヤス!遅い!」 「わるい。わるい。それで準備はいいのか?」 「うん!早く行こう!裏門?」 「あぁ」 リーゼは本当に待ちきれないのか、ヤスの手を引っ張って裏門に急いだ。 「リーゼ。準備は本当に大丈夫なのか?」 「おばさんに確認したから大丈夫!」 リーゼの声を聞いてアフネスが宿から出てくる。 「おい!アフネス!本当に大丈夫なのか?」 アフネスがヤスを手招きしている。 「リーゼ。なんか、アフネスが俺に話があるらしい。先に行っていてくれ」 「うん!わかった!」 本当に、飛ぶようにリーゼが裏門に向かっていく…
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【第五章 ギルドの依頼】第九話 依頼
一度奥に引っ込んだアフネスが飲み物を持って戻ってきた。 「ヤス。時間は大丈夫かい?」 「あぁ別に遅れても問題ない。ギルドからは30分くらいはかかると言われたからな」 「わかった。これでも飲んで待っていてくれ」 「いいよ。あっ!アフネス。リーゼにやった短剣は、俺がリーゼにあげた物だからな。宝飾品も同じで料金は必要ないからな!」 「はいはい。わかった、わかった。無理に渡そうとはしない。その代わり、リーゼのことを頼むからね」 「わかっている」 「・・・。それなら・・・。いい・・・」 アフネスはなにかを言い掛け…
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【第五章 ギルドの依頼】第八話 お迎え
ヤスは、夜中にのどが渇いて起きてしまった。 (そうか、少し乾燥しているのだな) 枕元に置いたエミリアで時間を確認した。 「エミリア。飲み物を用意できるか?」 ”了” ローテーブルに水が入ったコップが用意される。 (これはこれで便利だけど、メイドさんとか、可愛い奥さんに用意してもらえたらもっといい・・・) ヤスはくだらないことを考えながら用意された少しだけ冷たくなっている水を飲み干して、再度時間を確認してからベッドに潜り込んだ。 「エミリア。5時になったら起こしてくれ」 ”了” ヤスが布団に入る。 …
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【第五章 ギルドの依頼】第七話 執事誕生
無事ボスを配置して、修復が終了したディアナを慣らし運転で走らせて、神殿の様子を確認する事にした。 ついでにヤスは各階層の階層主を配置しておく事にした。階層主が居た方ががカッコイイというすごく”まっとうな”考えだ。 そのために、まずはエルダーエントに話を聞きに行く事にしたのだ。 スマートグラスをかけてモンキーで神殿の中を爆走していった。これがまた面白かった。魔物が出てこない事もだが路面が石畳だったり砂利道だったり土の道だったりといろんな種類が混じっている。車でも楽しいと思うが道幅を限界まで使えるモンキ…
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【第五章 ギルドの依頼】第六話 マルスからの報告
ヤスは、神殿への道を今度は遠慮する事無く跳ばしていた。 カウンターをあてながらFITを横に滑らせて走っている。 「エミリア!神殿の結界に触れたら、ストップウォッチを停止!」 ”了” その間にも、スマートグラスには進むべき道が示されている。 エミリアは、一度通った道なので、カーブをRでも示されるようになっている。 「エミリア。Rでの表示を、松竹梅の三段階に変更できるか?」 ”設定が曖昧です” 「わかった。神殿で全体像を見ることはできるか?」 ”可能です” 「ドラレコの映像を確認する事は?」 ”可能です…
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【第五章 ギルドの依頼】第五話 マルスからの呼び出し
ギルドの外に出たヤスは海の方向に行ってみる事にしたようだ。 しかし、考えている事は違っていた。 ”折りたたみ自転車を荷台に積んでおけばよかった”だった。ちなみに、マルスからの報告で、自転車やキックスケーターの様に人力で動く物に関しては、ヤス以外でも運転する事ができるようだ。実際に購入して説明してから出ないと、判断はできないという注釈が付いているのだが、リーゼになら与えてもいいかなと考えている。自転車がオーバーテクノロジーでありアーティファクトだという事を完全に忘れている。 ヤスは簡単に、自転車位なら…
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【第五章 ギルドの依頼】第四話 ダーホスからの依頼
ヤスは、置かれた飲み物にもう一度口をつける。 一口飲んでからカップをローテーブルの上に置いた。 「ヤス殿。冒険者としてでも、商人としてでも、どちらでもいいのですが、ギルドからの依頼を受けてもらえませんか?」 「依頼?」 「はい。ヤス殿から預かった、品々を辺境伯の領都にある”冒険者ギルド”に運んでもらいたい」 「ん?なにか、おかしくないか?俺の依頼品を俺が運ぶのか?」 「えぇそうですが?なにか問題でもありますか?」 「・・・・うーん」 ヤスは少しだけ考えたのだが、別に問題はないと自己完結した。 そもそ…
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【第五章 ギルドの依頼】第三話 査定金額
ヤスは、ギルドを一旦出てイザークが居ると教えられた門に向かった。 (初めてゆっくり歩くけど、いい町だな。店もあるし、海が近いからなのか潮の香りがする) その頃イザークは門で暇を持て余していた。 それには理由がある。 ユーラットは、辺境の辺境なのだ。もう少し正確に言えば、バッケスホーフ王国の中にあっても辺境伯の領地から更に辺境に移動した場所にある。神殿を隠す為に作られた町なのだ。冒険者の数も多くないし、月に一度程度の割合で商隊が来るだけで、門番の仕事は忙しくない。 それでも辺境のために魔物が出る。商…
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【第五章 ギルドの依頼】第二話 パーティー結成
「本当に・・・・」 ダーホスは、ユーラットの裏門が見えてきた時に呟いてしまった。 ダーホスは、つぶやきと同時に安堵した気持ちにもなっている。それほど恐怖を感じていたのだ。 山道のそれもカーブを、ドリフトで抜けるときのタイヤが滑る音は結界の中なので聞こえてくる。風切り音が聞こえてこないが、ヤスのアクセルワークやシフトダウンやシフトアップのときのエンジン音や、時折石を飛ばす音などが結界の中に木霊しているのだ。 怖がるなと言う方が無理な相談だ。その上、前方を明るく照らすライトがあるが、カーブのときには先は…
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【第五章 ギルドの依頼】第一話 三度ユーラットへ
批難を含んだ絶叫を上げたリーゼを無視して、ヤスとアフネスとダーホスは、今後のことを決めることにした。 まずは、ユーラットに戻る。これは、すでに決まっている事だ。ヤス以外の人間を届けなければならない。 その前に、もらった物(食料)を居住区に移動させなければならなかった。 「アフネス。ダーホス。一度、地下一階に移動して、荷物を居住スペースに移動させたいけどいいか?」 「あぁ」「問題ない。手伝うか?」 「悪い。俺しか居住スペースには入られないから気持ちだけもらっておく、荷物の移動を手伝ってくれ」 「わかった…
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【第四章 拠点】第十二話 コア
「ヤス殿?」 「ん?あぁそうだな」 ダーホスは、中に入って確認したいのだが、ヤスが最初に入らないとダメだと思っていた。それにはわけがある。神殿を攻略していない者が、神殿の最奥部に入ると守護者が現れると言われているからだ。アーティファクト(HONDA FIT)を降りる時に、ダーホスはヤスに聞いたのだがよくわからないと言われてしまった。 伝承通りになっていると、ヤス以外の3名が先に入ってしまうと、コアを守護している魔物(ラスボス)が出現する事になる。 最悪の自体を避けるために、ダーホスとアフネスの二人から…
続きを読む2020/03/06
【第四章 拠点】第十一話 最奥部
地下3階から地下4階に降りる。 「ヤス殿」 「ん?なんだ?」 「いくつかのことで質問したいのだが大丈夫か?」 ダーホスが一応質問することを宣言したのには理由がある。リーゼが話しかけてもヤスの操作にミスはなく問題なく走らせる事ができているが、アーティファクトを動かすのには”魔力”を使うのが通説だ。そのために、ユーラットを出てから1時間近く経過しているのに、ヤスが疲れる様子も無いことから話しても大丈夫だと判断はできるのだが、質問しても大丈夫か自分だけで判断しないためにも、ヤスに断りを入れたのだ。 「質問?問…
続きを読む2020/03/06
【第四章 拠点】第十話 神殿へ
ヤスが、ダーホスからの依頼を承諾して、荷物を積み込んだ。 依頼なので、一旦ギルドに戻って手続きを行う必要がある。 ヤスとダーホスは、二人でギルドに移動して手続きを行なってから、神殿に向かう事になった。 「ヤス!」 裏門から出て、アーティファクト(HONDA FIT)の側に居るはずがなかった、リーゼが居てヤスの方に駆け寄ってきた。 ヤスは驚きながらも、リーゼの突進を停めた。 抱きつかれるのは嬉しいが、アフネスも居るロブアンに知られたら殺されるかもしれない。 「え?なんで?」 ヤスは、疑問を投げか…
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