記者の記事一覧
2020/05/14
【第六章 縁由】第六話 過去
晴海と夕花を乗せたトレーラーは圏央道を走っている。 制限速度内で、ゆっくりした速度を保っている。 晴海は、ベッドで横になっている。やることが無いわけではないが、急いでやるべきことが無いのだ。 夕花は、資格の勉強を再開した。すぐに必要になるわけではないが、試験の日付を考えると、勉強を再開しておいたほうが良いと思ったのだ。 勉強をしながら、晴海を観察している。 夕花は、自分の生まれも育ちも解っていたと思っていた。奴隷になって、市場で売られて、晴海に買われて、ここ数日で世界が一気に変わってしまったのだ…
続きを読む2020/05/13
【第六章 縁由】第五話 買物
晴海と夕花は、出来た時間を利用して、夕花は資格に関する資料を読み込み必要な情報を習得していた。晴海は、能見から渡された夕花の家族に関する資料を読み込んでいた。 晴海は、能見の報告書に違和感を覚えていた。 何がと言われると困るのだが、歯に何かが挟まった気持ち悪さを感じていたのだ。 「晴海さん?何かありましたか?」 「うーん。よくわからないけど、夕花を騙しながら、事業を続けていたにしては、お粗末だし、組織の人間が・・・!そうか!」 「え?」 「違和感の正体がわかった!夕花!お義母さんの墓が荒らされたと話し…
続きを読む2020/05/12
【第六章 縁由】第四話 誘導
『晴海様。追跡者の身元がわかりました。データを転送します』 「頼む」 晴海は、送られてきた情報を見た。 本人談の部分で笑ってしまった。 「礼登。こいつは、本気で言っているのか?」 『その様です』 「晴海さん?どうかされたのですか?」 「夕花。そうだ・・・。モニターを見て、今、礼登から送られてきた、俺たちを尾行していた男の情報だ」 晴海はモニターに情報を表示した。 — 本名:佐藤(さとう)太一(たいち) 年齢:23歳 職業:地方タウン誌の記者 賞罰: 13歳:窃盗犯捕縛に協力 15歳:盗…
続きを読む2020/05/11
【第六章 縁由】第三話 記者
– とある記者 — ひとまず、尾行には気が付かれていないようだ。 私は、房総州国でフリーのルポライターをやっている浅見だ。私の名前など忘れてくれて構いません。だが、私が正義の体現者である事は覚えておいて欲しい。私は、今、尾行を行っている。東京都の犯罪や越権行為を辞めさせるために確たる証拠が欲しいのだ。確かな情報を掴んだ。 奴隷市場が開催された場所に張り付いて居る。彼らが、ここで奴隷市場を開催して違法奴隷を売っているのだ。 奴隷市場では、違法奴隷を扱っていないと言われています…
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