淡い恋心の記事一覧
2020/05/13
【第六章 縁由】第五話 買物
晴海と夕花は、出来た時間を利用して、夕花は資格に関する資料を読み込み必要な情報を習得していた。晴海は、能見から渡された夕花の家族に関する資料を読み込んでいた。 晴海は、能見の報告書に違和感を覚えていた。 何がと言われると困るのだが、歯に何かが挟まった気持ち悪さを感じていたのだ。 「晴海さん?何かありましたか?」 「うーん。よくわからないけど、夕花を騙しながら、事業を続けていたにしては、お粗末だし、組織の人間が・・・!そうか!」 「え?」 「違和感の正体がわかった!夕花!お義母さんの墓が荒らされたと話し…
続きを読む2020/05/12
【第六章 縁由】第四話 誘導
『晴海様。追跡者の身元がわかりました。データを転送します』 「頼む」 晴海は、送られてきた情報を見た。 本人談の部分で笑ってしまった。 「礼登。こいつは、本気で言っているのか?」 『その様です』 「晴海さん?どうかされたのですか?」 「夕花。そうだ・・・。モニターを見て、今、礼登から送られてきた、俺たちを尾行していた男の情報だ」 晴海はモニターに情報を表示した。 — 本名:佐藤(さとう)太一(たいち) 年齢:23歳 職業:地方タウン誌の記者 賞罰: 13歳:窃盗犯捕縛に協力 15歳:盗…
続きを読む2020/05/11
【第六章 縁由】第三話 記者
– とある記者 — ひとまず、尾行には気が付かれていないようだ。 私は、房総州国でフリーのルポライターをやっている浅見だ。私の名前など忘れてくれて構いません。だが、私が正義の体現者である事は覚えておいて欲しい。私は、今、尾行を行っている。東京都の犯罪や越権行為を辞めさせるために確たる証拠が欲しいのだ。確かな情報を掴んだ。 奴隷市場が開催された場所に張り付いて居る。彼らが、ここで奴隷市場を開催して違法奴隷を売っているのだ。 奴隷市場では、違法奴隷を扱っていないと言われています…
続きを読む2020/05/10
【第六章 縁由】第二話 攀援
「晴海さん?」 「もう少し」 「あっはい」 会話にならない会話を二人は続けていた。晴海は、ソファーに自分が座って、膝の上に夕花を乗せて抱きしめている。 抱き枕ではないが、自分の膝の上に乗せて、夕花を横座りの状態にして抱きしめているのだ。夕花も最初は恥ずかしかったが、今は呆れ始めてしまっている。 「うん!夕花。テーブルの上に置いてある、情報端末を取って」 「はい。でも、私が降りれば・・・」 「ダメ」 「わかりました」 夕花は、晴海の上に乗ったまま身体を曲げて情報端末を取って、晴海に渡した。 晴海は、情…
続きを読む2020/05/09
【第六章 縁由】第一話 権力
晴海は、能見からの資料の扱いを考えていた。 寝ている夕花を見てから情報端末の資料を見る。 (能見の奴、こんな爆弾を用意していたのか?夕花を寝かせておいて正解だな。夕花の前で見ていたら・・・) 資料には、夕花の実家にまつわる調査結果(第一弾)が書かれていた。 夕花の父親が友人と立ち上げた会社は裏で密輸に手を染めていた。 州国間の貿易は認められている。州国によって取り扱いが違う商品は基本的には存在しない。大麻を合法化しようとした州国も存在したが、内外からの反対で廃案になった。 夕花の父親たちは、表向…
続きを読む2020/05/08
【第五章 移動】第六話 資料
晴海と夕花が、ベンチで固まっていると、礼登からのコールが入り、排除の完了が知らせられた。 二人は、トレーラーまで戻って小屋に入った。 「晴海さん。圏央道に入るのですよね?」 「そう聞いているよ?」 「いえ、谷田部パーキングエリアから、圏央道に入るジャンクションでは検問が有ったと思うのですが?」 「あるよ。でも大丈夫だよ。トレーラーの中までは調べないし、調べられても困らないからね」 「え?」 「だって、別にトレーラーで車や小屋を運んではダメだという法律は無いし、僕たちが荷物だとしても合法だよ」 「あ・・・…
続きを読む2020/05/07
【第五章 移動】第五話 休憩
晴海と夕花は、小屋から出て、改造されたトレーラーから外に出た。周りに誰もいない状況なのは、礼登から報告が上がっている。 「うーん!」 疲れてはいないが、小屋の中でさっきまで寝ていた晴海は身体を伸ばした。筋が伸びるのが気持ちよくて、声が出てしまった。 夕花は、そんな晴海を見て嬉しそうにしている。 「夕花?」 「はい」 「何か食べよう」 晴海が差し出した手を夕花が握った。 指を絡めるようにして握った状態で、パーキングエリアにあるフードコートの中に入っていく。 「パーキングエリアとか、サービスエリアとか…
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