2020/08/31
【第二章 救出】第二十三話
/***** 3人の獣人 Side *****/ スーンが、部屋から出ていった。 「ふぅー」「死んだかと思った」「・・・」 「豹族の。お主」 「すまん。俺は、ブリット=マリー。ブリットと呼んでくれ。白狼族の、熊族の、すまん」 豹族の男は、頭を下げる。 事実、熊族や白狼族が言っている事はわかるが、3人居ればなんとかなると思っていたのも事実だ。それが、見透かされて、殺気だけで、心が折れてしまいそうになる。なんとか踏みとどまったのは、自分の肩に、豹族の命運がかかっている。それだけで、踏みとどまれた。 「いい…
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【第二章 救出】第二十二話
「それで?」 「はい。奴隷商人も捕えております」 「そっちはいい。獣人族は?」 夕方の時間帯に、野営していた奴隷商人たちを急襲した。 戦闘は、10分もかからず終わったようだ。こちらには犠牲者はいないということだ。奴隷商人の側にも、怪我程度の者は居るらしいが死亡者はいないということで、参加した者たちを褒めることにした。 捕えられていた獣人族も最初は戸惑っていたようだが、食事を与えた所、落ち着いてきたと言う。 眷属たちが護衛している場所で一晩を過ごしてもらうことにした。奴隷商人は、全員に目隠しをして、こ…
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【第二章 救出】第二十一話
/***** イサーク Side *****/ 俺は今猛烈に後悔している。 逃げるのが正解だったのではと思い始めている。しかし、逃げられるものではないと理解もしている。 ガーラントが小声で教えてくれた。 聞かなければよかったと思った。 俺たちを案内した4人だが、エントとドリュアスだという事が判明した。その上位者が居るという事は、エルダーエントである可能性が高い。 エルダーエント。 ”万物を知るもの”。”森の賢者”。そして、ブルーフォレストの支配層の一角。 それを従える者が居る。 俺たちは、…
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【第一章 遭遇】第二十話
/***** ピム Side *****/ 僕はいま執事に抱きかかえられながら、ブルーフォレストの中を疾走しています。 当初は、僕も一緒に歩いていましたが、休憩時に、日数的にギリギリだと執事に相談した所、今のような所業になったのです。 なにこの速度?僕が普通に走るよりも早いそれだけではなく、近寄ってくる魔物を瞬殺している。 目で追っていると、瞬殺された魔物を、フォレストビーナが抱えて持っていっている。あぁこうして、危険が無いように間引いているのだな。 約4日かかった経路が、半日で踏破されてしまいま…
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【第一章 遭遇】第十九話
俺は、柄にもなく緊張していた。 今日始めて眷属以外の人と会うのだ。数日前から、エントやドリュアスに、客人への対応を教えていた。 教えると言っていたが、俺のリハビリでもある。 生前?は、いろんな人種に会ったが、失礼が無いように事前に知識を入れていたりしたが、こちらの人間の情報はあまりなかった。礼儀作法なんて知識も、与えられていない。もちろん、カイやウミやライは知らないようだし、エントやドリュアスも同じだ。 そこで、俺が考える・・・旅館のシステムを作ったときに、女将に聞いた最低限の礼儀作法(の触り)を…
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【第一章 遭遇】第十八話
/***** ピム Side *****/ 岩山の麓で一晩過ごした。 ブルーフォレストの奥地だ。イサークが目指していた山だが、近づいて、その切り立った山肌を目の当たりにすると、ヒルマウンテンだと認識できた。ミュルダから見える山が目の前にある。ミュルダから見える山肌は切り立った崖の様になっていて、サラトガやアンクラムから見える山肌は、木々が生い茂る普通の高い山に見えるのだ。 僕ら、ミュルダで生まれ育った者たちに取ったら、ヒルマウンテンは、”悪いことしたら、ヒルマウンテンに捨てるからな”と言われて育ってき…
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【第一章 遭遇】第十七話
俺の所に、冒険者から”会談を申し込む”と、いう連絡が来た。正確には、俺ではない。 ”デススパイダー・デスアント・デスビーナの主人に会って話がしたい”と書かれていた。それなら、ライやヌラ/ゼーロ/ヌルなのだろうけど、話ができるとは思えないし、本蟲?から、俺が大主だから、俺が出るのが良いという事になった。 相手も、”あるじ”が言葉が通じるのかわからないようで、羊皮紙に書かれた会談の申し込みを、俺が用意した温泉に貼り付けていったようだ。 言葉が理解できれば、これを持っていくだろうと考えた結果だ。先に、自分…
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【第一章 遭遇】第十六話
45階層のセーフゾーンは、いつものようになっている。 スキルは、レベル6石化がもらえたようだ。カイとウミとライと、眷属たちも無事スキルを得ている。初踏破時のボーナスは、どうなっているのかわからないが、少しだけいいものが出る時に、全く”ハズレ”の時がある。ガチャだと思っていればいいのだろう。 人数?的な縛りは無いが、ボス戦に参加していなかった者は、通常の踏破ボーナス相当で、初踏破ボーナスは、ボス戦に”はじめから”参加していた者だけで、呼子で呼び寄せた場合は対象にはならない。それでは、最初から大量に連れて…
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【第一章 遭遇】第十五話
やっと44階層フロアボスの前に来ている。 長かった、主に、カイとウミの喧嘩が、兄妹喧嘩だったのだが、兄が妹に勝てるはずもなく、ウミの主張が通された。 結局、どちらの主張を採用しても、大きな違いがないことは、すぐにわかったんだが、それでもカイとウミは納得できなかったようで、同じ場所にたどり着くのに、二種類の経路をたどることになった 「二人とも満足したか?」 『主様。申し訳ありません』『カズ兄ごめん』 『ウミ。何度も言いますが、主様に向かって!』『だってぇカズ兄は、カズ兄だよ』 はぁいつもの・・・ 「二…
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【第一章 遭遇】第十四話
俺たちは、朝起きてから、夕方から夜にかけて発生した事を、ライの眷属から報告を受けた。 どうやら、森の中に4人の人族が紛れ込んでいるらしい。魔物を倒しながら、山を目指しているという事なので、こちらに来ているわけではなさそうだ。そこで、蜘蛛と蟻に、人族の様子を見守るようにお願いした。 何か目的らしき物がわかったら、報告するようにお願いした。死なれるのも、目覚めが悪そうなので、水場と狩場がある場所に誘導するようにもお願いした。当面は、、自分たちでやってもらう事にした。 誘導もそれほど難しい事ではなく、ブル…
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【第一章 遭遇】第十三話
/***** ??? Side *****/ 三人の冒険者は、サラトガの街を出て、ブルーフォレストの中を進んでいた。 そこに、一人の男性が合流してきた。 リーダ格の男性が女性を気にしながら、合流してきた小柄な男性に声をかける 「どうだ?」 「やっぱり、街道は駄目な様だ」 小柄な男性は、もうひとりの大柄な男性から、水筒をもらって、口に含む。 落ち合ったのは、ブルーフォレストの中だが、魔物やダンジョンに向かう者たちを避けていたので、通常ルートからかなり外れている 「そうか、ブルーフォレストに逃げ込んで…
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【第一章 遭遇】第十二話
水路を作った翌日堀に十分な水が溜まっている事を確認した。排水用の水路も完成しているらしいので、水が出ているのかを確認した。 立派に、岩の隙間から水が出ている。洞窟の入り口を隠すように綺麗に流れている。 カイとウミは、引き続き44階層の探索を行っている。ライも昨日と同じだ。 堀ができたので、ログハウスの周りの畑仕事を行う事にしている。スキルの実験過程で見つけた使い方だが、速度向上スキルを付与した魔核を畑に入れる事で、果物が俺の常識以上の速度で成長した。 スキルの合計枚もかなりの数が溜まってきている。…
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【第一章 遭遇】第十一話
気がついたら、転移(転生)してきてから、2年が過ぎた。 洞窟での生活が快適すぎる。ヌルゲーをやっているような感覚だ。転移してきた当初は、食べ物や飲み物に困ったが、飲み物は、スキルを付与した魔核で水が生み出される。それだけではなく、スキルの組み合わせで、エアコンのような物を作る事ができた。 食べ物も、ダンジョン攻略を行っている過程で、食用に適した魔物を倒して、食べている。果物も、十分な量が確保できている。 野菜に関しても、森に自生していた物を、実験的に栽培を行って、現在では食べきれないくらいの量が確保…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十六話 イヴァンタール博士
四枚目を読み始める。 イヴァンタール博士は、やはり、AI(アイ)を作ったのだと書かれている。身体は、人造人間(ホムンクルス)なのだと書かれている。人でない理由は、永遠に生きる理由を、”転生して来た魂を博士が無理やり押し込んだ”と信じ込ませるためだと書かれていた。他にも理由があるのだろうが、それ以外には書かれていない。 魔法生物は、俺が魔法で作る”龍”と似て非なるもののようだ。魔物の心臓と魔核を使って居るようだ。 そして、肝心の性格は”パソコンのAI”を埋め込んだと書かれている。記憶が出来て、教えた通…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十五話 懐かしの匂い
目に入ってきたのが”馴染みのある”光だ。蛍光灯だ。LEDではなく、白色灯だ。電気も無いのに、白色灯が灯るわけがない。地球に繋がっているのか? 部屋に足を踏み入れる。 俺が使っていた地下室に似ているが、決定的に違うのは、壁一面に大小様々なディスプレイが配置されている。正直に言おう、憧れる。 中央には、ディスプレイを3枚並べた状態で配置されている。 事務机ではなく、この世界の標準的な机だ。キーボードもマウスも存在している。 近づいてみると、OSはよくわからない。コマンドラインのよう見える物もあれば、…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十四話 攻略??
そして、扉には、何やら文字が書かれている。 「はぁ????なんで?」 扉には、”なぞなぞ”が、”日本語”で書かれていた。 『樽を3つ持っている人の履物はなに?』 本当に、”なぞなぞ”だ。それも、日本語で書かれている。 ダンジョンに日本語が書かれているのもわからないけど、”なぞなぞ”が書かれているのも意味がわからない。 答えの入力は、下の入力パッドにするようだ。 答えは、”さんだる”だと思うけど、”ひらがな”なのか、”カタカナ”なのか、一回だけなのか、複数回なのか、それもわからない。 駄目なら駄…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十三話 ダンジョン?
最下層は、不思議な感じがする。 魔物は一体だけのようだ。 最下層は一本道だ。扉の先には、お約束では、ドラゴン種でも居るのだろう。 5分くらい通路を歩くが何も出てこない。探索を行っても、何も無いのが解っている。意地が悪いゲームだと最下層の一本道に隠し扉があって、貴重なアイテムが隠されていたりする。隠し通路から、裏ボスに繋がっていたゲームもあった。 扉の前に到着した。 結局、魔物は出てこなかった。セーフエリアではないが、魔物が出現しないようになっているのか? 扉の前でゆっくりと身体と心を休めてから…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十二話 最下層
30階層の階層主を倒して、ユリウスとクリスとギルと別れた。 これからは、一人での戦いになる。 気を引き締めて、階段を降りる。 後ろで光っていた、魔法陣の光が消えた。3人が地上に戻ったのだろう。 「・・・」 階段を降りると、そこは草原になっていた。 草原はセーフエリアが存在しない。一人で単独踏破は骨が折れる。 「聞いていた話と違う。31階層は、まだ洞窟のはずだ。変異したのか?」 独り言になってしまっているが、不安な気持ちは誤魔化せない。 立っていても何もならない。 進んでみるか・・・。 &#…
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【第三章 ダンジョン攻略】第七十一話 階層主。そして・・・
「アル。もういいのか?」 「大丈夫だ。ユリウスは怖かったら帰っていいからな。ギルが素材を持って帰れば、俺が討伐した証明になるだろう?」 「おま」「ユリウス様。アルノルト様のおっしゃっている内容は、一考する価値があります。ユリウス様が自ら確認なさらずとも・・・」 「クリス。俺が決めたことだ。アルと俺の”差”を確認する」 「わかりました。アルノルト様。もうしわけありませんが、よろしくお願いいたします」 「わかった」 階層主の部屋の前に来ている。 30階層の階層主は少しだけ特殊だと聞いている。強さは同じなのだ…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十話 情報交換
30階層のセーフエリアまで無傷で到着できた。 振り返って、3人の顔を見ると少しだけ複雑な顔をしていた。 「アル?」 「どうした、ユリウス?」 「どうした!?お前!」 クリスが、ユリウスをなだめている。 「マナベ様。いえ、アルノルト様」 「クリス。どちらでもいいよ。それで?何かおかしかったか?」 「はい。アルノルト様。ユリウス様が言いたいのは・・・」 クリスに説明されて納得した。 俺が30階層のセーフエリアに来るまでに、魔法を使わなかったことを聞きたかった・・・。らしい。 ユリウス。”アル?”だけ…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第六十九話 攻略開始?
「旦那様。本当に、一人で行かれるのですか?」 「それが条件だからな」 セバスとサルラから、報告を聞いて問題はないと判断した。 俺の力を見て安心したいのだろう。先方も、待ち合わせの場所を直前に変えてきた。俺が単独で動いていると確信しているのだろう。 「マスター。俺も、セバスと同じ意見です。皇太孫と婚約者は信用できるとしても・・・。だからこそ、マスターと一緒に殺してしまおうと思っている連中には、最高のチャンスだと思います」 「俺もそう思う」 「旦那様。なぜ!」 「セバスと、サルラと、ダーリオを、二人よりも信…
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