サイト小説の記事一覧
2022/09/28
【第十八章 神殿】第百八十二話
少しだけうんざりした気分になってきている。 最初の部屋は休憩にちょうど良かった。一日休んで、身体も心もリフレッシュして、新たな気持ちで探索を再開する事ができた。 すぐに回廊に扉が設置されていた。休んでまだ半日も経過していなかったので、皆で話し合って、部屋で休む必要はないと判断した。それが悪かったのか、次から回廊の一部が罠のように発動して、セーフエリアを作るようになってきた。回廊の前後を壁で仕切られる。時間が来るまで壁が降りない仕組みになっている。 それも、回廊を一周した程度の距離で強制セーフエリアが作られる…
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【第十八章 神殿】第百八十一話
俺達は、回廊を降りている。 どのくらいの高さを降りたのだろう。 まだ、神殿の入り口にたどり着いていない。 戦闘は、回廊で行われる。それほどの頻度ではないが、確実に待ち伏せされている。出てくる魔物がそれほど強いものではないのが救いだ。 人型の魔物が多い。コボルト、ゴブリン、オーク、オーガ、トロールだ。上位種は出てくるが、進化体は出てきていない。そのために、戦闘自体は苦戦する事なく突破できる。 問題は、回廊の方だ。どこまで降りるのか見当がつかない。 一度、レッチェとレッシュに頼んで、吹き抜けに出てもらおうと思っ…
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【第十七章 攻略】第百八十話
「カズトさん」 「シロか?あぁ悪い。寝てしまったようだ」 「寝るのでしたら、ベッドに行きましょう」 「そうだな」 まだ起きるには早いか? 「シロ。どのくらい寝ていた?」 「カウントは、まだ4,000近くあります」 「そうか、5-6時間という所だな。もう少し寝るか?」 「そうしてください」 「シロを抱きしめながら寝るから一緒にベッドに入るぞ」 「はい!」 嬉しそうに腕を絡めてくる。 シロを抱きかかえて、ベッドに潜り込む 布団に入った途端に、温泉浴衣を脱いで抱きついてくるシロを軽く殴ってから一緒に寝る事になる。…
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【第十七章 攻略】第百七十九話
100階層の階層主は、前回と違うことを期待しながら、ステファナとレイニーに扉を開けさせた。 前回と違って中を見る事ができない。 「オリヴィエ。どう思う?」 オリヴィエは首を横にふる。 わからないという意味なのだろう。 「カズトさん」 オリヴィエが、身体を少しずらして、シロが俺の前に出てくる。 「シロ。何か気がついたのか?」 「はい。いえ、なんとなくですが・・・」 「いいよ。今は、なんでもヒントが欲しいからな」 「・・・。はい」 シロは、自分が感じた事だと言ってから、話し始めた。 扉を開けて中が見えるときには…
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【第十七章 攻略】第百七十八話
90階層の階層主の扉を開ける。 今度は、階層主?が見える。 なんと言っていいのか・・・・。 うん。扉を閉めたくなるな。 朝食の時に話したのは、階層主の部屋には”俺とシロとリーリアとオリヴィエとステファナとレイニー”で入る事になっているのだが、謝罪して撤回したくなってきた。 「シロ。どうする?」 「カズトさん。僕に聞かれても・・・。そうだ、ステファナ!」 ステファナとレイニーは扉の方を見ていない。 泣き出しそうな目で俺を見ている。 「ステファナ!レイニー!目をそらすな!シロ。お前もだ!」 『主様。僕たちが行き…
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【第十七章 攻略】第百七十七話
「エーファ。無理するな。アズリとエルマンとエステルと変われ」 「はい!ティア。ティタ。下がりますよ」 何度目かの交代を行った。 今、83階層の踏破に挑んでいる。 美味しいか、美味しくないか?と問われたら、かなり美味しい。あくまで素材という意味だけだ。 出てくる魔物は、殆どが上位種か進化体になっている。素材もいい物が獲れている。 魔核もレベル8が最低でレベル9が混じり始めている。 それらの素材や魔核を使って手元にあるスキル道具を強化している。休憩時に入れ替えるだけでもだいぶ違ってくる。 美味しくない所は、レベ…
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【第十七章 攻略】第百七十六話
80階層の階層主の顔を拝みに行きますか! 「ステファナ。レイニー。扉を開けてくれ!」 「はい!」「はい!」 2人が扉に手をかける。 困った事に、このダンジョン。内開きの時と外開きの時がある。どちらかに統一して欲しいと思う。 今回は、内開きのようだ。 6名が入った所で、階層主の部屋を結界が覆う。 どうやら、6名で戦えということのようだ。 中央に魔法陣ができて、光が集る。大型の魔物のようだ。 「シロ!」 「はい。僕は、中盤で抑えます」 「オリヴィエ。俺とアズリの背中を任せる。アズリ。前に出るぞ!」 「はい!」「…
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【第十七章 攻略】第百七十五話
72階層に降りた俺達は笑顔に包まれている。 階層がまた森フィールドなのだ。 それも、植生が違うようだ。 リーリアとステファナとオリヴィエが確認したので間違いはない。 そして、カイとウミとエリンからは魔物が71階層と同じだと報告が上がってくる。 そうなると、やる事は変わらない。 根こそぎ採取する。 シロが積極的だ。 今回はシロに任せる事にした。恥ずかしい思いをした事への鬱憤を晴らしたいのだろう。生理現象だししょうがないとは思うけど、やはり恥ずかしいのだろう。そんな事もあり、シロとウミとエリンとリーリアとステフ…
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【第十七章 攻略】第百七十四話
しっかりと朝食をとってから、武装の再確認をして、階層主の部屋の前にやってきた。 俺とシロとカイとウミとライとアズリが、最初に扉の内側に入る。 そこで扉が閉まったりしなければ、ステファナとレイニーが続いて、リーリアとオリヴィエとエリンが続く、ステファナとレイニーが先に入るのは、2人以外は眷属になっているので、スキル呼子で呼び出す事ができる。 「行くぞ!」 順番に入っていく、正面の魔物・・・オルトロス・・・でいいのかな?まだ動き出さない。扉を閉めたら動き出すのか? 空けたままスキル攻撃したら勝てないのか? 扉を…
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【第十七章 攻略】第百七十三話
「シロ!シロ!」 今日は、シロを起こす事から始まった。 ダンジョンの中にいることを忘れさせる日常の風景が広がっていた。 「カズト・・・さん。おはようございます」 「うん。おはよう」 「シロ。服着ろよ」 「え?あっ!」 またシロは服を脱いでしまっている。 上半身だけだが見えてしまっている状態だ。やはり、シロには温泉浴衣は早かったかもしれない。気分的に楽だから導入したのだが、俺以外で上手く着て寝られるのは、リーリアくらいだ。オリヴィエは早々に諦めた。アズリは気に入って着ているがいつもはだけてしまっている。 シロ…
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【第十七章 攻略】第百七十二話
「シロ。準備はいいか?」 「はい!」 準備と関連各所への連絡が終わって、今日からダンジョンアタックを開始する。 チアルダンジョンの最下層にいると思われるダンジョンマスターとダンジョンコアのチアルに会いに行く。 まずは60階層から挑むことにしている。 各々の戦い(戦闘)は問題になっていない。戦力という意味ではばらつきがあるが、パーティーとして考えれば問題はないと思える。しかし、パーティー単体での戦いに不安が有るために少し余裕を見ようという事になったのだ。 チアルダンジョンは中階層以降に入るときに毎回思うのだが…
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【第十七章 攻略】第百七十一話
全体会議から2ヶ月が経過した。 リヒャルトが、ゼーウ街のスラム街の開発を行い始めている。現地では概ね問題は出ていないようだ。下準備が済んでいたようで、スラム街の住民も協力的だと連絡が入っている。 ゼーウ街は、新しい領主とリヒャルトにまかせておけば大丈夫だろう。 ロックハンドも開発が開始された。 基礎工事は俺と眷属達で終わらせた。当初、陸路も作ろうと思っていたが、イサークから陸路は作らないで、魔の森の中心地点に橋頭堡を作って、ロックハンドからしか行けないようにしたいと言われた。 イサークが代官なので、代官に任…
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【第十六章 眷属】第百七十話
書類を読み込んだり、決裁を行ったり、スーンに依頼されて、新しい飲み物を開発したり、充足した日々を過ごしていた。 エリンを始めチアルダンジョンに潜っている眷属たちはまだ帰ってこない。 ヌラたちから無事である事は伝わってきている。 当初は、ナーシャの目が死んでいたのだが、生き生きと輝き出したようだ。スキルカードを大量に取得できて嬉しくなったのだろう。普段なら捨てていく魔物の素材に関しても、ライが全部保管してくれているようだ。それに、分配で揉める事もなさそうな事も嬉しくなっている要因のようだ。帰って来て、ロックハ…
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【第十六章 眷属】第百六十九話
「マスター。マイマスター!」 「オリヴィエか?シロは?」 「奥様は、すでに起きられて、朝ごはんの支度をしていらっしゃいます」 「シロが?」 「奥様が・・・です。ステファナもレイニーもリーリエも止めたのですが、奥様が絶対に作るとおっしゃっていまして」 何に対抗したのかわからないけど、対抗心を燃やしたのだろうな。 「わかった。起きる。シロに、一緒に食事をとろうと言ってくれ、食堂に行けばいいよな?」 「はい。かしこまりました」 食堂に行くと、シロがすでにスタンバイして待っていた。 簡単な朝食を用意してくれたようだ…
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【第十六章 眷属】第百六十八話
俺の前に座っているご老人にはいろいろとヒントを貰っていた。 俺が気がつくのを楽しんでいたようだ。アトフィア教のシンボルをわざと目に見える所につけているが、壊しているようにも見える。それに気がつけば、アトフィア教の人間だとは思わなかっただろう。 それだけではなく、ジャケットの袖口の見えるか?見えないか?程度の場所に、コレッカ教のシンボルをかたどった入れ墨がされている。 司祭か枢機卿か判断に迷う所だが、壊したアトフィア教のシンボルが枢機卿がつける物だと気がつけば、同程度の権力を持っていると考えるのが妥当だろう。…
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【第十六章 眷属】第百六十七話
メリエーラ老が執務室から帰っていった。 帰りは、執事(エント)の一人が送っていくようだ。 「オリヴィエ」 「はい。マスター」 「シロ達は暫く帰ってこないよな?」 「奥様が皆を引きづり回していると報告が来ています」 「そうか、それじゃ帰ってくるのは、夕方になるな」 「はい」 本当に久しぶりだな。 オリヴィエがいるけど、一歩も二歩も下がっているから存在を認識できない時もある。 エントの特性が出ているのだろうか? 溜まっている決裁書類を読み込んでいく。 「なぁオリヴィエ。犯罪者が増えているけど、これって管轄する場…
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【第十六章 眷属】第百六十六話
眷属達の強化も一応目処がたった。 あれから、エーファはシロの隣で人化して過ごす事が多い。人化での戦闘に慣れるためだと言っているが、どうやら食事が気に入っているようだ。別に、狐形態でも同じ食事をさせるぞと言ったのだが、人化を解こうとしない。どうやら他にも理由が有るようだ。 俺が気にしてもしょうがないだろうと思って、エーファの好きにさせている。 今日、シロとエリンとステファナとレイニーとエーファで買い物にでかけた。 下着は、メイド(ドリュアス)が持ってきているが、服は自分で選んでみたいという事だ。ついでに、エー…
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【第十六章 眷属】第百六十五話
ティリノがいきなりぶっこんできた。 「ティリノ。ダンジョンにする?どういう事だ?」 『建物をダンジョン化しておけば、移動が楽に出来ます』 「どういうことだ?移動は、転移門が必要だろう?」 『え?マイロード。ペネムからそう聞いたのですか?』 「あぁ」 ティリノの認識では、ダンジョンは飛び地でも作られるようだ。 そして、作ったダンジョンは空間を繋げる事ができるという事だ。 「ペネム。聞いた事はあるか?」 『我が主。我はそのような事は聞いた事が有りませぬ』 どうやら同じダンジョン・コアでも権能に若干の違いがあるよ…
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【第十六章 眷属】第百六十四話
「エーファ(母親狐)。ティア(兄狐)。ティタ(妹狐)。レッチェ(鷲夫)。レッシュ(鷲妻)。エルマン(梟夫)。エステル(梟妻)狭い所で悪いな」 『マイロード。問題ありません』 最初、俺とシロの部屋を一つ開放する考えだったのだが、眷属を含めた皆から、反対された。本人たちも、それはできないと言われてしまった。 妥協案として、オリヴィエとリーリアとステファナとレイニーとアズリがログハウスに移動する事になった。 洞窟内は、カイとウミとライとエリンと新しく眷属になった者が使う事になった。 「シロ。おつかれ」 「カズトさ…
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【第十六章 眷属】第百六十三話
「大主様。チアルダンジョンに残ると申し出た者たちです」 今、俺の前で狐(フォックス)と鷲(イーグル)と梟(アウル)が少し緊張した感じで、俺の言葉を待っている。 // 名前:— // 性別:メス // 種族:フォレストフォックス // 固有スキル:魅了・誘引(レベル1) // 固有スキル:憑依(レベル1) // スキル:— // スキル:— // スキル:— // スキル:— // スキル:— // 体力:E // 魔力:F 狐(フォック…
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【第十六章 眷属】第百六十二話
通常の生活が戻ってきた。洞窟に戻ってきて数日が経過した。 風呂は作って入っていても、やはり自分の部屋の風呂が一番にきまっている。 「ご主人様。お風呂の準備を致しましょうか?」 「頼めるか?」 「はい」 リーリアがステファナとレイニーを連れて、風呂の用意を始める。 この間に、少しやっておく事がある。 「アズリ!」 「はい。旦那様」 アズリも、ステファナとレイニーに習って、シロを奥様。俺を旦那様と呼ぶことにしたようだ。最初は、シロを聖女様と呼んで居て、改める事から始めたのだが、なんとか問題ないレベルまで落ち着か…
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【第十六章 眷属】第百六十一話
え?無反応? リッチ的な何かかと思ったのだけど違うのか? カイとウミとライが、倒した魔物の処理を始めている。 ローブをまとっている者を、カイやウミやライだけではなくオリヴィエもリーリアも脅威とは見ていない様子だ。 どうしようかな? シロを見る。シロは、ローブを凝視している。 「シロ?シロ?」 「カズトさん。あのローブ。アトフィア教の司祭が身につける物に似ています」 「似ているのだな?」 「はい。僕が知っている物と大きくは違わないのですが、細部が違っています」 「そうか、年代が古いとか、そういう事なのかもしれ…
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【第十五章 調査】第百六十話
そりゃぁすんなり踏破とは行かないよな。 60階層のオーガの上位種と進化体を相手に戦った。 戦い事態はそれほど困難ではなかったのだが、数が多かった。 正確には、数が多くなってしまった。オーガの進化体が手ごわかった。ウミとエリンが対応したのだが、元々力が強いオーガが固有スキルを持つのだ厄介になるのは当然だろう。 ウミとエリンで進化体を相手にしている間に、俺たちは上位種を倒していたのだが、黒い珠(イミテーション・コア)から上位種が産まれ続けていた。 200を超えた辺りで数えるのが馬鹿らしく思えてしまった。最終的に…
続きを読む2022/09/28
【第十五章 調査】第百五十九話
「マスター。マスター」 もう起きる時間か? シロは、起きているようだ。寝るときに感じていた暖かさがない。 「オリヴィエ。皆、起きているのか?」 「はい」 律儀に馬車の外から話しかけてくれている。 「そうか、悪かったな」 「いえ、お休みの所申し訳ありません」 「いや、問題ない。それよりも、何か有ったのか?」 『我が主よ』 「オリヴィエ。すまん。少しペネムがなにかあるようだ」 「はい」 『なんだよ。急に、何か有ったのか?それに、我が主ってなんだよ?』 『ダメなのか?』 『別に呼び方なんて何でもいいけど、それより…
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【第十五章 調査】第百五十八話
階層主が居る扉の前でじっくりと休む事にした。 ペネムが展開した草原で、シロが俺の肩に頭を乗せて寝息を立てている。 「マスター」 食事の用意ができたようだ。 オリヴィエが俺とシロを呼びに来た。 「シロ。シロ」 よほど疲れたのだろう。無理をさせていたのかもしれない。 「あっうぅぅん」 まだ眠そうだな。 「シロ」 「うぅぅん。あっ」 うん。起きたようだな。 「シロ。起きろよ。ご飯を食べて、身体を拭いてから寝ることにしよう」 「え・・。あっ。カズトさん。ごめんなさい」 「そんなに疲れていたのなら、言ってくれよな」 …
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【第十五章 調査】第百五十七話
エリンの活躍で地図が手に入った。 地図を眺めていると、シロが近づいてきた 「カズトさん。明日から僕も前にでましょうか?」 「うーん。まだいいかな?レイニーで対応が難しくなってからだな」 シロが少しだけ残念そうな顔をする。 「わかりました」 「どうした?」 シロが何かいいたいことでも有るのだろうか? 「僕、カズトさんの・・・。いえ、なんでもないです」 そういう事か? ここまでシロは殆ど戦いに参加していない。同じ、戦闘に参加していなかった、エリンが地図を入手してきた。それを俺が喜んでしまったのが、シロに変なスイ…
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【第十五章 調査】第百五十六話
万全の体制で挑む必要性は皆無だろう。 それでも、”主(ヌシ)”が待っているのだ、手を抜かないで、しっかりと休んでから挑もう。 ダンジョン内で身体をゆっくりと休める事が出来るわけもなく、できるだけ快適な状態で休める場所を作る必要が有る。俺達は、ライに馬車を出してもらって、馬車の周りに眷属たちに結界を展開してもらう。 俺とシロで一台の馬車を使って、他でもう一台を使う事になった。 馬車の中なら布団を敷いて休むことが出来るので、快適度合いで差が出てくる。 食事を終えて、湯で身体を拭いてから、寝ることにした。 「シロ…
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【第十五章 調査】第百五十五話
「エリン。大丈夫か?」 『大丈夫だよ。パパ。シロママも早く乗って』 エリンに、拠点にする予定のロックハンド(仮)港予定地まで飛んでもらう事にした。 エリンにしたら距離はさほど問題にはならない。 問題になるのは、行った先に何も無いことだ。 そこで、まずは場所を確認してから、ライに眷属を盛大に呼び出してもらう。 定職がない者から順次呼び出していく、そして一気に拠点となる港を作ってしまおうと考えた。 港ができれば、パレスケープは無理だとしても、ロングケープやパレスキャッスルから船で物資を運び込めるようになる。ワイ…
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【第十五章 調査】第百五十四話
報告を聞いて、5つのダンジョンの存在を確信しているのだが、少しわからない事もある。襲撃が行われている場所が、石壁全域に及んでいる事だ。 石壁の長さは、万里の長城ほどではないが、かなりの距離を誇っている。正確に計測したわけではないが、ミュルダ-ロングケープ街道を倍にした長さがあると思って間違いないだろう。 そして、石壁から目視出来る程度の場所にダンジョンが発見出来ていない。 中央付近から石壁に来ているのだとしたら、距離的な事を考慮すると、4-5日前にダンジョンから這い出た魔物が来ている事になる。 石壁にのぼっ…
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【第十五章 調査】第百五十三話
さっそく、魔の森に行くぞ! とはならなかった、オリヴィエとリーリアから、ステファナとレイニーの武器と防具を新しくしたほうが良いだろうという進言を貰ったからだ。 シロが2人を連れて、商業区に買い物にでかけた。 オリヴィエに問いただす必要がある。 「それで、オリヴィエ。本当の目的は?」 「マスター。なぜ?」 「わからないと思ったのか?シロが何か頼んだのだろう?」 「はい。奥様から、2人が休もうとしないと相談されました」 「それなら、シロが一緒では・・・。そうか、シロが途中で帰ってくるのだな」 「はい。商業区なら…
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