復讐の記事一覧
2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第六十三話 情報交換?
女性と子供が入ってくる。 女性は初めて見る顔だが、猫族だという事がわかる。子供はよく見た顔だ。 「えへっにいちゃん。ごめん」 「アル!」 アルバンが何故か悪ふざけが成功したかのような顔で部屋に入ってきて、クリスの横に控えるように立った。 「アルノルト様」 アルの横に立っている猫族の女性が”アルノルト”と俺のことを呼んだ。 「マナベだ」 よく見ると、ユリウスもクリスも苦笑しているのがわかる。 「失礼しました。マナベ様」 「”様”はいらない。俺は、冒険者シンイチ・アル・マナベだ」 「かしこまりました。…
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【第三章 ダンジョン攻略】第六十二話 皇太孫?
翌日行動する事にした。 施設を見て回っただけではなく、孤児院を見に行ったときに子供たちに夕ご飯を一緒に食べないかと誘われた。言葉は”誘われた”で間違っていないのだが、俺が居ると院長たちが料理の質を少しだけ上げると思ったのだろう。しっかり者の子供が多い孤児院なのだ。 それでも良かったのだが、今後のことを考えて厨房にお願いをした。料理は”いつもどおり”でかまわないと伝えて、その代わりに食後にデザートを出してもらう事にした。 「マナベ様。よろしいのですか?」 「あぁ子供には腹いっぱい食べて欲しいからな。それ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第六十一話 ホーム改造
ユリウスとクリスとおまけでギルが、正式に査察官としてウーレンフートを訪れることが決まったようだ。 当初は数日後と言われていたのだが、ライムバッハ領都での作業が残っていたらしく、約1ヶ月後に延期されることになった。 問題が解決に向かった事や、”シンイチ・アル・マナベ”がホームを得て状況を変えていると報告したことが大きいようだ。”マナベ商会”のことを彼らは知っているので、アルノルトが絡んでいると判断して、急いでくる必要がなくなったと考えたのだろう。 査察官から冒険者マナベにありがたいお手紙が届いた。 …
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【第三章 ダンジョン攻略】閑話 ベルメルトの驚愕
「ガゼット。それは本当か?」 「ベルメルト様。本当です。俺たちの孤児院が潰されるようです」 「誰だ!」 ベルメルトに話をしたのは、ガゼットと呼ばれた青年だ。 青年と言っても、数年前に成人したばかりで、まだ一人前だとは認められていない。 「ガゼット!もう少し正確に伝えなよ。ベルメルト様。潰されるのは間違いないようですが、ホームに吸収されるようです」 「??」 「模擬戦の話は聞きましたか?」 「あぁランドルのバカとテオフィラとアレミルが犯罪奴隷になって、ランドルのホームをなんとかという餓鬼が引き継いだのだろ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第六十話 スラムの顔役
結局、ゼバスをはじめ全ての奴隷を解放する事になった。 本人たちは渋ったのだが、親父さん(ブルーノ)が笑いながら『執事が奴隷では、主人も信用できないな』と言った事が決め手となって、解放を受け入れてくれた。 セバスとツアレの解放が決まって、それならば自分と同格のダーリオが奴隷では、今後入ってくる冒険者がご主人様の事を侮ると言って、ダーリオの解放が決まった。 その後は早かった。全員の解放が決まって、処理を行った。 孤児院も正式に、院長が訪ねてきて、これからよろしくお願いしますと言われた。 働いていたス…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十九話 奴隷たち
孤児院は大丈夫そうだ。 3つの孤児院ともに感触は悪くない。 奴隷になった者たちとの面談を行う事になるのだが、これが意外と時間がかかりそうだ。 冒険者ギルドと商業ギルドと鍛冶ギルドと宿屋ギルドが、ヘルプを出してくれた。 「それで、なんで現ギルドマスターのエフライン殿が居るのですか?」 「私が、マナベ様のヘルプで来たからですが?」 「それは、先程聞きました。ギルドは大丈夫なのですか?」 「大丈夫ですよ。グスタフ殿が仕切ってくれています」 エフラインは少しだけ遠い所を見て寂しそうにした。 少しだけ可哀…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十八話 孤児院!
奴隷の面談は、明日に延期した。 孤児院に赴いて、安心してもらう事が、他の何よりも優先度が高いと判断したからだ。 「アル!こっちで間違いないのか?」 「うん。兄ちゃんが言った孤児院ならそうだよ!」 アルに案内させる事にしたのだが、しっかりと大銅貨3枚を要求された。 確かに、案内という仕事だが、少し高いとは思ったが、アルが孤児院の先生も知っていると言っていたので、先生までつなげる事を条件に大銅貨3枚を渡した。 まずは1軒目だが、ウーレンフートの門の近くにあるようだ。 正門から伸びる表通りではなく、2…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十七話 受け渡し?
翌日と言われていたのだが、すぐにグスタフから泣きが入った。 翌日までにまとめられそうにないという事だ。そのために、3日後の今日に会談が設定された。 奴隷の引き渡しは終わっているのだが、物品や賭けの回収ができていないからだ。 「マナベ様!」 受付が俺を見つけると声をかけてきた。 周りに居た冒険者が何か言っているが気にしてもしょうがないだろう。 「グスタフ殿は?」 「ギルドマスターの部屋でお待ちです」 「ありがとう」 「ご案内いたします」 俺が何か言う前に、受付嬢は立ち上がって案内を開始した。 別…
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【第三章 ダンジョン攻略】閑話 グスタフの憂鬱/チェルソの事情
(ふぅ・・・なんなのだ。あれは?) グスタフは、アルノルト(シンイチ・アル・マナベ)が出ていったドアを見つめている。 アルノルトが居なくなった事を確認してから、大きく空気を吸い込んでから吐き出す。自分の緊張を身体から追い出すような仕草だ。 「おい」 ギルドマスターの部屋の1角に向けて声をかける。 「はい」 壁だと思われた場所が開かれて、一人の男が出てきた。 「お前から見て、彼(マナベ)はどう見えた」 「化物です」 「それは?」 男は、グスタフの正面。アルノルトが座っていた所に腰をおろした。 「マス…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十六話 模擬戦(後始末)?
ランドル(オークもどき)は、生きていた。十分注意しながら切り落としたから当然なのだが、止血も切る時に、炎をまとった刀で切ったので、焼くことがうまくできたようだ。 両手がなくなって、片目も潰れている。足も腱が切られているから立つのも難しいだろう。 最後に戦った5人以外は、四肢欠損とかにはなっていないと思う。少し傷跡が残る怪我があるかもしれないが、そのくらいは許してもらおう。それに、正式に俺の奴隷になって、話を外部に漏らさない誓約が取れた時に直してもいいと思っている。 「グスタフ殿?」 「マナベ様。やりす…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十五話 模擬戦(後編)?
”鉄壁のダーリオが負けた”とか冒険者や”なんたらの牙”から聞こえてくる。 そうか、こいつ”二つ名”持ちだったのだな。 「どうする?もう一度やるか?」 「勘弁してくれ、腕がもう使い物にならない」 「そうか、それなら、端で見ていろ」 「そうさせてもらう。あぁ俺も奴隷かぁ・・・。いい人に買ってもらわないと・・・な!」 俺をそこで見るな。 思考が読まれたようで気持ちが悪い。 必要だと思えば残しておけばいいし、邪魔だと思えば売ってしまえばいい。訓練相手として残したい気持ちはあるが、考えを聞いてみないと判断で…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十四話 模擬戦(前篇)?
控室はまともだった。 飲み物や軽食が置かれているが、何が入っているかわからないから、自分が持ってきた物だけを口にする事にした。 結局、模擬戦は建前できに1対1になった。どうせ、途中から1対多になるだろう。 俺としては、集団戦で手加減をするいい演習だったのだがしょうがない。 ニヤニヤ笑いをしているオークもどきと仲間たち。 その笑いがいつまで持つのか楽しみだ。 仕切りは、グスタフがしてくれるので、少しは安心する事にする。 「それで、ランドル率いるパーティー”影なる牙(シャドーファング)”と”シンイ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十三話 模擬戦の前哨戦
やっと書類が出来上がった。 怒鳴ってばかりで何も建設的な意見が言えない脳筋(バカ)と、ギルドマスターの皮を被った一部のギルド員の代理人に成り下がった愚者(腐臭がする人)と、書類の詰めなどできるわけもなく、結局王都から派遣されてきていた人と教会から人を出してもらって書類を作成した。 王都から来ている職員の様子から、ギルドマスターの更迭は間違いないだろう。正しい所が一片も無い事を証明できれば、風通しの面でも良くなるのだろう。そのためにも、パーティー相手にして完勝するのが望ましいのだろう。無様な事をすれば流…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十二話 ランクアップ?
ダンジョンの低階層の攻略を初めて、1週間が経過した。 恐ろしいほどの資金が集まっている。 初日が少なかったのだ。 今では、毎日ソロで40-50万ワトほど稼いでいる。 ギルドの職員が言うには、飛び抜けて多いそうだ。 通常は、パーティーで4-5万ワト程度が稼げればいいそうだ。 何が違うのかわからない。 わからないが、俺が稼いでいることは解る。それが解るのは、俺だけではなく、目の前で悶絶しているバカ共も同じ様だ。 いつものように、ダンジョンの5階層辺りで狩りをしていた。 その頃から視線を感じて…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十一話 探索
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ しっかり予定していた時間に起きる事ができたようだ。 昨晩は疲れてもいたので、すぐに寝てしまった。 野宿でもそこそこ快適に寝られたけど、やはり屋根がある所で寝るほうがいい。それに、安物で簡単に破られそうな鍵だがあるだけで気持ちがこれほど落ち着くとは思っていなかった。野営の時の魔法をもう少し工夫しようと心に決めた。 食堂に降りていくと、何人かが食事をしていた。 多分冒険者なのだろう。 「ナベさん!」 朝から元気だな。 アルの声で完全に目が覚める…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十話 冒険者ギルド
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ アルに案内されて入った宿屋はお世辞にも綺麗とは言えなかったが、宿屋で間違いが無いようだ。 「ナベさん!」 「あぁすまん。それで?」 宿の仕組みを聞いた、一泊3,000ワト。銀貨3枚だ。 ダンジョンの探索をしている時には無駄にならないように荷物の預かりだけをしてくれるサービスもあるようだ。宿が信頼できると思ったら頼んでもいいかも知れない。俺には、ステータス袋があるから荷物を全部持っていく事もできるけど、カモフラージュには丁度いいかも知れない。 いろ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十九話 迷宮街ウーレンフート
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 派手ではないが、しっかりとした葬儀が執り行われた。 俺は、マナベ家の者として参列した。ライムバッハ家の者としては出ない事を、直前にユリウスたちに話した。 反対されたが、俺が出ると、共和国の客や貴族連中が良からぬ事を考えるかも知れないと、もっともらしい説明をした所、1人以外は納得してくれた。その1人から、俺が迷宮街ウーレンフートに向かうのを一日伸ばすという条件だった。 今、その条件を出した者と二人っきりで部屋で過ごしている。 「エヴァ。何を怒ってい…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十八話 指輪と魔道具
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ 今、私の隣で、アルが寝ている。 今日は、うなされなかったようだ。アルから贈られた、指輪が左手の薬指に光っている。明日、ギルにお願いして、状態保存の魔法が使える人に保護をお願いしよう。 でも、今は、もう少し、アルを感じていたい。 私が愛する唯一人の人。私を愛していると言ってくれた人。私は、アルを独り占めできるとは思っていない。独り占めしたいとは思っているのだが、多分無理だろう。それは、それでいい、私は、アルの1番最初になる。そして、できれば正妻の座を…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十七話 レイ・エヴァ・マナベ
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ イレーネから衝撃の告白をうけた。 それから、どうしてこうなったのかわからないが、アルから告白された。 この部屋での生活も、既に10日に達している。 そして、昨日始めて、アルと結ばれた・・・・キスだけだが・・・それ以上はしてくれなかった。 クリスの話では、あと10日くらいは時間がかかるという事だ。 アルは、長いと言っているが、私は短いと思う。だって、その10日が過ぎてしまえば、アルは旅立ってしまうのだ。私も、3年間は王都で高等学校に進む事になる。…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十六話 二人での生活
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 久しぶりのライムバッハ領。 そして、久しぶりの俺が生まれ育った街の、生まれ育った屋敷の、生まれ育った部屋の中に、俺は軟禁されている。 それは、別に構わない。構わなくは無いが、事情が解るので、別にそれならそれでいい。 一緒にエヴァが居るが別にエヴァが嫌がっていないのなら問題ない。 そして、エヴァはすこぶる機嫌がいい。今も、俺が作った。コンロの実験を手伝ってくれている。 さすがに、ギルが街に居るだけあって、素材で欲しい物が有る時にお願いすると、数…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十五話 ライムバッハ辺境領
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ ライムバッハまでの道のりは、私は、シンイチ・アル・マナベのパーティーメンバーだ。 大勢居る護衛メンバーの中、1つのパーティーとしてだ。 この集団が向かっているのは、ライムバッハ領。アルの実家だ。護衛しているのは、協会関係者の護衛という事になっている。護衛対象は、馬車の中に居て出てこない。 名前を、エヴァンジェリーナ・スカットーラという。聖女の肩書を持っている女性だ。 彼女を、ライムバッハ領まで送り届けるのが私たちの役目になっている。 なんで、こ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十四話 旅立ち
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 「アル。先に行くな!」 ユリウスが仕切っているが 「クリス。クヌート先生お願いします」 「もちろん」 「えぇ任せてください」 ユリウスが、俺の肩を掴むが、払いのけさせてもらう。 「アル。お前!」 「そうだ、ハンス。ギード。頼むな。道中、魔物は出ないとは思うけど、これだけの隊列だ。野党が襲ってこないとは限らない」 「アル。安心しろよ。俺が仕切ってやるからな!」 冒険者組合に、護衛任務の依頼を出した。 ほぼ名指しの依頼で、イーヴォさんは快く引き受けて…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十三話 冒険者シンイチ・アル・マナベ
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ エヴァが終始ごきげんなのは良かった。登録名でやってくれたけど、まぁ些細な問題だ。それに、家名が同じだから、兄妹という事にしてもいいかも知れない。別に、同じ家名だから・・・夫婦であるわけではない。よな。 今日一日、エヴァと歩いてみたが、やはり、あの婆さん達の店は見つからなかった。 メインの武器になってしまっている、刀の予備が欲しかった。ステータス袋が使えるようになって、荷物の心配が少なくなったので、武器になりそうな物を仕入れておきたかった。 「アル?…
続きを読む2020/08/30
【第二章 冒険者マナベ】第四十二話 エヴァの葛藤
/*** エヴァンジェリーナ・スカットーラ Side ***/ 朝起きたときに、少しパニックになってしまった。 隣で、アルノルト様が眠っている。私は、アルノルト様の服を掴んで眠ってしまったようだ。一緒に寝たのだろう。私にも、知識はある。自分の服装の乱れが無いことを確認してしまった。 安心したが、少しだけ残念に思えてくる・・・が、そういう事は、意識がある時にしてほしいと考えてしまって、身体が暑くなってしまった。しっかり掛かっていた布団が少し暑く感じて、上半身に掛かっている布団をどけた。 どうしよう。先…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十一話 神からの忠告
/*** シンイチ・マナベ Side ***/ 『クスクス』『キャハハ』 「誰だよ?」 ん?ここはどこだ? 以前にもどこかで? 『やっと起きた』『起きたね。飲み過ぎ。飲み過ぎ!』 エトとエリ! 『そうだよ。エリだよ』『覚えていた。覚えていた。エトだよ』 とい言うことは、ここは、アリーダ様の? 『前にもいいましたよね?』 え?あっ、アリーダ。ここは? 『私の居城ですよ。貴方の妹さんが眠る場所とつなげる事ができましたのよ』 そうですか? それで、今日は、その連絡ですか? 『それも有りましたけど、今…
続きを読む2020/08/30
【第二章 冒険者マナベ】第四十話 別れ
「エヴァ。案内・・・頼めるか?」 「はい!」 振り返って、まだ、袋を眺めて、ワイワイ言い合っているユリウスをみる。 「俺は、今から、ユリアンネとラウラとカウラに、少し、王都を離れる事になりそうだという報告をしてこようと思う。ユリウスたちはどうする?」 「もちろん。行く。多分、俺達のほうが、長く王都を離れる事になるだろうからな」 他の皆も、陛下たちも含めて、挨拶をしてくれる事になった。 ユリアンネたちが眠る場所は、寮から少し離れた場所にある森の中にあった。 俺が、静かに眠らせたいという要望を聞いてくれ…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十九話 新たな力
「ユリウス。この後どうする?何も無ければ、エヴァに、ユリアンネとラウラとカウラの眠る場所に案内してもらおうと思っているのだが?」 「アル。すまん。少し待って欲しい」 「ん。いいけど、どうした?」 「あぁ」 ドアがノックされた。 エヴァの母親が入ってきて、来客だと告げた。どうやら、ユリウスが待っていた人なのだろう。 「お父様!!」 フォイルゲン辺境伯が入ってきた。 クリスは知らされていなかったのだろう。びっくりして立ち上がっている。 その後ろから、この国の王である陛下と皇太子も一緒に入ってきた。 …
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【第二章 冒険者マナベ】第三十八話 今後の方針
エヴァと連れ立って、食堂に降りる。 皆がそろっているようだ。 所定の位置に座る。ラウラとカウラの場所を、誰もが見つめている。 「それで?」 「アルの話の前に、皆、すまなかった」 それだけ言って、ユリウスは、皆に向かって頭を下げた。 何が有ったのか、想像ができるが、話が進まなくなりそうなので、スルーさせてもらおう。 「クリス。それで?」 「私ですか?」 クリスが盛大にため息をつく 「ユリウス様。よろしいのですか?」 「ダメだ。俺から、話をする」 「と、いうことですわ。アルノルト様」 「アル。いや、…
続きを読む2020/08/30
【第二章 冒険者マナベ】第三十七話 旅立ちの前に
/*** シンイチ・アル・マナベ(アルノルト・フォン・ライムバッハ) Side ***/ 久しぶりに寮に戻ってきた。着替えが欲しくなった事もあるが、ユリアンネとラウラとカウラの事が気になってきた。 尋問(八つ当たり)も俺ができる事は、終わったと思っていいだろう。対面してわかったが、あいつらを相手していると、虚しいとさえ思えてくる。”あいつら”ではダメだ。 俺が使っている部屋に入った。 エヴァは、3人が眠る場所を作ってくれたようだ。俺の部屋・・・こんなに広かったのだな。ラウラ。カウラ。お前たちの声が聞…
続きを読む2020/08/30
【第二章 冒険者マナベ】第三十六話 権利と義務
冒険者組合が用意した宿屋は、かなり上等な物だと思う。 食事もかなり高級な物なのだろう。だが、味がしない。宿屋の主人に礼を言ってから部屋に戻る。部屋には、今、判明している事がまとめられている物が置かれている。 これを、ビルドアップしていくしか無いのか? もう少し、アップデートしやすい感じにまとめ直すか? 羊皮紙が大量に・・・いや、和紙を作ってしまおうか、あぁタブレットかパソコンが欲しい、こっちの世界にて、12年が過ぎたかなり慣れたが、メモを作成したり、簡単な覚書をする時に、スマホとは言わないまでも、…
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