スキルの記事一覧
2022/09/28
【第十一章 飛躍】第百二十話
俺は、影ツクモで一緒に行くことにした。 ルートガーが先導している。自由区にある”そこそこ”高級な宿が目的地のようだ。 途中でカイとウミとライも合流している。 思いっきり怒られた。主に、俺が”暗殺者(ルートガー)”が居る事を認識しながら、カイたちを遠ざけた事についてだ。ルートガーに関しては、俺が許している事から、今(・)回(・)は(・)問題ないと判断しているようだ。次は、無条件で殺すと言っている。 「ツクモ様が、カイ様たちに怒られる所なんて貴重な場面が見れて気分が晴れましたよ」 「ルート!いいか、今吐いた言葉…
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【第十一章 飛躍】第百十九話
「ツクモ様。なぜわかったのですか?」 「そりゃぁそれだけ殺気を放っていればわかるよ」 扉から、ルートガーが姿を現す。 「理由をお聞きにならないのですか?」 「聞いたら教えてくれるのか?」 ルートガーはスキルカードを取り出す。 腰に下げた剣を抜いている。 そうだ、俺が教えたスタイルだ。 「ツクモ様」 「いいぜ、俺も簡単には殺されないけどな」 持っているスキルカードは、レベル4麻痺や毒。レベル5雷弾や爆炎まで持っている。 「そうか、ダンジョンを使ったのだな」 「はい。ツクモ様。行きます!」 ルートガーが、出して…
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【第十一章 飛躍】第百十八話
午前中は、迎賓館の中にある謁見の間で過ごす事になってしまった。 シロ用の椅子も用意したが、俺の横で立っている事を選んだ。 初日は、既に見知った者たちの挨拶を受ける。 行政官やSA/PAの代官たちだ。挨拶と言っているが感謝の言葉を紡いでいく。誰のこと?と思わないわけではないが、後ろでシロがウンウン言っているので、俺の事を言ってるのだろう。歯が浮きそうな美辞麗句を並べられている・・・わけではないが、それでも皆が感謝しているのがわかって、挨拶を受けてよかったと思えてくる。 午後からは、影ツクモと影シロで商業区や自…
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【第十一章 飛躍】第百十七話
「パパ!」 エリンが洞窟にやってきた。 スーンが案内してきたようだ。エリンは、すぐにシロの部屋に移動していった。あっちで寝るようだ。 「大主様」 「わるいな、急に仕事を追加してしまったな」 「いえ、大丈夫です。それに彼らは思った以上に優秀です」 「ほぉそれは良かった」 スーンの報告では、彼らは商業区と自由区の簡易地図からアトフィア教の粛清部隊ならこの辺りに潜むだろうという場所を割り出した。スーンは、それをもとに数ヶ所の拠点を調査した所6ヶ所中4ヶ所で拠点として使っていた形跡が確認できた。 また、外に待機して…
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【第十一章 飛躍】第百十六話
今日は久しぶりに朝から大忙しだ。 面会の申し込みをさばくので精一杯になっている。 全員が、新しく恭順を誓った街や集落の人たちなので、無下にするわけには行かないと思って・・・対応を始めたのが失敗だった。 収拾がつかなくなりそうだったので、まずは、ミュルダ老からの報告を聞いてから、俺の計画を語ってから、それでも話がしたければ、話を聞く時間を個別に作るという事で納得させた。 昼前には、ミュルダ老を始め使者として各地を回ってもらった者と、各街の代表と47名の集落の代表と、護衛や腹心たちが集まってきた。迎賓館を作って…
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【第十一章 飛躍】第百十五話
誕生祭の2日前の今日、ユーバシャール街に向かった使者たちが帰ってきた。 俺とシロとシュナイダー老や残っていた行政官で使者たちを出迎える。 適時ワイバーン便で連絡は受け取っていたが、皆が無事に帰ってきてくれた事が嬉しい。 「カズトさん!」 一番に駆け寄ってきたのはクリスだ。 公式な場ではないと言ってあるので、2人を除いては問題ない表情をしている。 俺を睨みつけているのは、ルートガーだ。でも、どこか余裕が有るのは、ここ2ヶ月あまりクリスと過ごせたことで、精神的にも安定したのだろう。これからも、睨む程度で俺に突っ…
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【第十一章 飛躍】第百十四話
シロとフラビアとリカルダとの関係も少しだけ変化した。 カイとウミの許しが出て、シロとフラビアとリカルダに洞窟の事を教えた。普段、俺が”どこ”に行っているのか疑問に思っていた3人はこれで納得できたと話していた。 同時に、居住区やチアルダンジョンのことも説明した。ペネムに関わる事も薄々気がついていて、答え合わせになっていたようだが、俺の転生?話し以外は教えられる事は(多分)全て教えた事になる。 秘密がなくなって更に最近暇になる事が多くなってきた。やることは多いのだが、すぐに終わってしまう内容だけになってしまって…
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【第十一章 飛躍】第百十三話
「!!!!えぇぇぇぇぇ・・・・僕?なんで?」 「あっシロ。おはよう。耳元で叫ぶなよ。頭の中までお前の声が響いたぞ?」 「カッカッカッカズト様。僕なんで?」 「あぁ?シロがドア開けて入ってきたのだろう?おねしょでもして寝られなくなったのか?」 シロが布団をガバっと開けて、自分の服装を確認しようとした。 「あっバカ!」 俺は気がついた。 夜にシャワーを浴びた状態のままである事を・・・。 「カズト様のバカ、僕、おねしょ・・・なん・・・て・・・え?なんで?」 「あぁ?お前が脱がしたの・・・嘘だからな、安心しろ、な、…
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【第十一章 飛躍】第百十二話
思い立ったが吉日。 ユーバシャール街に行こうとしたが、シュナイダー老だけではなく、スーン、フラビア、リカルダから全力で止められた。 ユーバシャール街に送り出した使者が帰ってくるまでは、ダメだと言われた。 少し考えればわかることだが、今ユーバシャール街の前領主の息子(末弟)は使者と一緒に港町や近隣の集落や村を回っている。ワイバーン便での連絡だけだが、ほぼ総ての集落がペネム街の傘下に入る事を望んでいるという事だ。パレスキャッスルも既に恭順の意思を示している。残っているのはパレスケープ街だが、先方から既に連絡が使…
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【第十一章 飛躍】第百十一話
作者注) この第十一章は、カズト・ツクモ 視点で書かれています。 バカ二人と一緒に居た者たちを”ペネム街が支配下に置いた街”への出入りを禁止した。 それを聞いたバカ二人は安心して、ユーバシャール区(・)に帰っていった。 既に、ワイバーンを飛ばして、バカ二人を出禁にした事は伝達済みで、バカ二人の取り巻き商人や冒険者たちも総て素性が割れて、ユーバシャール区(・)にある商店や家、総ての財産に関してユーバシャール区(・)の行政で没収している。 石壁の向こう側まで、馬車に詰め込んで運んでやる事にした。そこからは徒歩で…
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【第十章 統一】第百十話
/*** カズト・ツクモ Side 少しだけ時間は戻ります ***/ 「ツクモ様。ユーバシャール街に潜入していた者から報告が上がってきました」 「無事だったのだな」 「はい。潜入した者や商隊にまぎれていた者総て無事です」 「そうかよかった。それで?」 シュナイダー老は報告としてまとめられた物を提出してくれた。 読み込んでいるうちに笑いそうになってしまった。 前世でよく聞いた話が書かれている。 「ツクモ様」 「わるい。それで、どっちがサラトガに・・・いや、今はミュルダに向かっているのだったな?」 「出来の悪い…
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【第十章 統一】第百九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ユーバシャール街からの使者は、サ(・)ラ(・)ト(・)ガ(・)に到着した。”代(・)表(・)に会(・)わ(・)せ(・)ろ(・)”という事だ。 近いのは、間違いなくアンクラムだ。そこを避けて、サラトガにむかうあたりに悪意を感じる。石壁が急にできたりしてびっくりして使者を出したのなら、石壁に駐留している者に接触を試みればいい。 それをしないで、サラトガで”代表”に会わせろとしているあたりに、何か意図的な匂いと俺たちを甘く見ている感じがする。 対応を協議する為に、行政…
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【第十章 統一】第百八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ アトフィア教が攻め込んできたのを撃退してから1ヶ月が経過した。 だいぶ街も落ち着きを取り戻してきた。 大方の予測どおり、ロングケープ街は、ロングケープ区となりペネム街の支配下に入る事に決まった。街道の整備も始まっている。 「カズトさん。流石にペネムではロングケープまで支配領域を伸ばすのは難しいです」 「そうか・・・やっぱりダメか・・・ありがとうなクリス」 「いえ。大丈夫です」 一礼して、行政区にある執務室から出ていく。 今日もルートガーが付き従っている。仲良くや…
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【第十章 統一】第百七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「シロ!シロ!」 馬車の中で一晩を過ごした。 身体が痛かったので目が覚めてしまった。 「シロ!朝だぞ」 俺は、俺に抱きついて寝ているシロを起こそうとしているが起きる気配がない。 相当疲れているのだろう。なれない武器で戦っていたのだからしょうがない。カイとウミも、二度寝して下さいと言っていたので、言葉に甘える事にした。ライが、スーンに連絡をして、フラビアとリカルダとギュアンとフリーゼを、イサーク達に合わせる役目を頼んでもらった。 冒険者ギルドで待ち合わせをしてから…
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【第十章 統一】第百六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ シロたちの事はこれでひとまず終わりだと思いたい。 アトフィア教には、是非遠くで幸せになってほしい。俺に二度と絡んできてほしくない。 今、ログハウスの執務室でイサークとナーシャと向き合っている。ナーシャはいつもどおりだけど、イサークは少しばかり不安な表情を浮かべている。 俺の後ろには、シロが居て、俺の横にはエリンが座っている。 「ツクモ殿?俺たちが・・・ナーシャが何かしましたか?」 ナーシャが何かしたと思う辺りはさすがだな。 「安心しろ、ナーシャの件は置いておくと…
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【第十章 統一】第百五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 昨日は話が濃かった。 そう言えば、街の名前聞いていないけど、いいか・・・2ヶ月後には判明するのだろうからな。 まずは、ギュアンとフリーゼたちだけど、面倒だな。 洞窟の部屋で朝食をとってから、ログハウスの執務室に向かう事にする。 「エリン。昨日はどうだった?」 「シロお姉ちゃんたち?」 「あぁ」 「すごくびっくりしていたよ」 「そうか、ダンジョンか?」 「ううん。道具屋さんとか、武器屋さん!」 「へぇそんな所に行ったのだね」 「うん。フラビアお姉ちゃんが武器がみた…
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【第十章 統一】第百四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 解散となったはずなのに、俺は椅子から降りられない。 ミュルダ老とシュナイダー老がにこやかに笑って”少しお待ち下さい”と言ってきているからだ。 皆が退出したのを確認してから、ミュルダ老とシュナイダー老とヨーンが、俺の足元に近づいてきた。 「ツクモ様。さて、ゆっくりお話をしましょう。まずは、場所を執務室に移動しましょうか?」 「わかった。ミュルダ老。その前に、クリス!」 「はっはい」 後ろで小さくなっていたクリスに声をかける。 「9人の名前は決まったか?」 「決まっ…
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【第十章 統一】第百三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「大主様」 「あぁわかった準備ができたのか?」 「はい。クリスティーネ様。リリーア。オリヴィエがヌル殿の庭でお待ちです」 「わかった。そう言えば、クリスの従者たちは?」 「本日は遠慮して待合所に居るとこの事です」 「そうか、わかった」 ドリュアスのメイドが、先導にして歩くようだ。 それにしても、メイドや執事が増えたな。 また、魔核にスキルを付与した物を大量に作っておくか? 勝手に吸収して進化するように言ってあるけど、許可を求めてくるのだよな。メイド的なスキルや執…
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【第十章 統一】第百二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ あきらめの気持ちで、会議室で待っていると、スーンがやってきた。 「大主様」 「どうした?」 スーンは俺の正面に立って一礼した。 「今日は、お休み頂きたいのですが、お疲れだとは思いますが、大主様の領地を汚した者たちへの罰則をお決め頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」 そうだよな。もう夜に差し掛かる時間になるのだし、現実的には明日にしたほうがいいだろうな。 スーンや眷属達にしたら、アトフィア教の連中は一秒でも俺たちの領地内に居てほしくないのだろうし、実験区の実験…
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【第十章 統一】第百一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ いつの間にか寝てしまったようだ。 朝起きて思い出すまでに少しだけ時間が必要だったが、大丈夫ボケるほどではない。 シロと一緒のベッドで寝た。不可抗力だ。 それではなぜ。エリンが俺とシロの間に居る?それも、エリンがシロに抱きついて寝ているのだ? こっそりとベッドから抜け出す。 シロもエリンも起きない。フラビアはまだ寝ている・・・が、未婚の女子としては少々だらしない格好である。リカルダは起きて居た。ニコニコ笑っているように見える。 「リカルダ!」 「おはようございます…
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【第九章 帰路】第百話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ミュルダを抜けた場所で、エリンたちが待っていた。合流して、ペネム街を目指す。 ペネム-ミュルダ街道に出たことで、馬車の速度を上げる事ができる。 道を整備しているので、馬車の跳ねも少ない。 その上馬車を引いているのはノーリたちだ。 何をいいたいのかというと、”高速道路を法定速度以上で飛ばしている”連中と同じ状況になっている。実際に感じるのはそれより酷い状況だ。馬車が自動運転になっているからだ。ノーリに整備された道を走ってくれで済んでしまっている。 その上、振動が少…
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【第九章 帰路】第九十九話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 司祭派と聖騎士派の集落は、竜族のブレスで壊滅させた。 死体だけが残されていた元集落は、遺体を集めてブレスで浄化した。 壊滅と浄化の違いは、気分的な物で特段指示を変えなかったが、竜族にも気持ちが伝わったのか、壊滅と命じたときには攻撃の様に激しく、浄化と命じたときに建物を燃やすようにしてから、炎で遺体を覆っていた。 そして、俺たちは、ミュルダ区に到着した。 まだ全部が終わったわけではないが、気分的には半分以上消化した気分になっている。 馬車で到着したのだが、ミュルダ…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十八話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 集落の炎が消えるのを待って、カイとウミが待っている馬車の場所まで戻った。 いろいろ有りすぎて寝るのを忘れていたが、もう丸一日程度起きていた事になる。 馬車が広いとは、中で寝る人数は限られてしまう。 一つ目の馬車には、俺とカイとウミとライとギュアンとフリーゼ。 二つ目の馬車には、エリンとシロとフラビアとリカルダ。 で・・・落ち着いたと思っていたが、フラビアとリカルダが、新参のギュアンとフリーゼに、俺の世話を任す事ができないといい出した。 その結果”なぜ”か、 ・俺…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ エリンの所に戻る前に、疑問を一つ解消しておきたいと思っていた。 「なぁシロ。どうして、フラビアは俺に報告に来た時に、泣きそうな顔をしていたのだ?」 後ろから抱きついているシロが少しだけ動揺した。 「言い難いのならいい。シロがフラビアにも聞かないで欲しいというのなら、この話はこれで終わりにする」 「・・・カズト様・・・いえ、聞いて下さい」 やはり何か有ったのだろう。 シロが語ったのはよくある話だ。 集落には、先程のクズどもが来る前に、到着していた準聖騎士がいた。そ…
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【第九章 帰路】第九十六話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 30分位待っただろうか。 フラビアが戻ってきた。返り血を浴びている。 俺の前で跪いて 「ツクモ様。首魁共を捕らえました」 「わかった。それよりも」 「そうでした。シロ様。リカルダ。私も無傷です」 「そうか、それならいい。首魁は1人か?」 共と言ったのが気になった。 「3名です。司祭が1名と聖騎士が2名です」 「ほかは?」 「切り捨てました」 「そうか・・・」 「ダメでしたか?」 「いや、お前たちに辛いことをやらせたと思っただけだ」 「ありがとうございます。でも、…
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【第九章 帰路】第九十五話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 湖が近づいてきた。 ここまで来て、俺や3人にもはっきりと匂いが解る。 「姫様」 フラビアとリカルダの、シロを呼ぶときの呼び方が安定しない。 ”姫様”と呼ぶときと、”シロ”と呼ぶときと、”シロ様”と呼ぶときがある。シロは、”私の名前はシロだから、シロと呼ぶように”と言っている。多分、姫様かシロ様になりそうな雰囲気がある。 「リカルダ?これは・・・」 「間違いないでしょう」 「どうした?」 シロもリカルダもフラビアも気がついているようだ。 聖騎士の儀式かなにかだろう…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「カズト様」 「どうした?」 シロから話しかけてきた。なにか有るのだろう。 フラビアとリカルダは、エリンと一緒にライから受け取った肉の調理をおこなっている。 俺がやっても良かったのだが、カイとウミとエリンに反対された。刺激が強すぎるという事だ。意味がわからない。 フラビアとリカルダが喜々として準備を始めたのでそのまま任せる事にした。 「・・・あぁカズト様は、私たちを・・・」 「許したわけじゃない。だが、お前たちが考えて、アトフィア教が正しいというのなら、それは尊…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十三話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「それでは、ライマン老。ロングケープ街を頼むな」 「はい。代官を勤めさせていただきます」 結局、出立が2日伸びてしまった。 ライマン老との話し合いもだが、前領主たちが起きて騒ぎ出したからだ。黙らせる事は簡単だったが、黙らせるよりもそのまま檻に入れて連れ出す事にした。街中を引き回した結果、見事な囮役になってくれた。 まずは、街の中で前領主たちの罪を公表した。その上で、ライマン老が領主代行になる事が発表された。 夜に、前領主たちを助け出そうと忍び込んだ者たちが居た。…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十二話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ ヴェネッサがシロの名前を気に入っている理由がわからないが、本人がそれでいいというのなら俺としてはこれ以上何も言わない。シロを連れて、領主達が押し込められている部屋に向かう。 約束の期限には早いがいいだろう。 部屋の中からは話し声も聞こえない。 ドアの所にいるエントに確認をする 「どうなっている?」 「大主様。昨日くらいまでは罵り合っていましたが、今はおとなしくなっています」 「そうか・・・寝ているのか?」 「いえ、寝る必要はないだろうと思い、寝たら起こすようにし…
続きを読む2022/09/28
【第九章 帰路】第九十一話
/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちは、ロングケープ街に戻った。 「ノーネーム殿」 ヴェネッサが声をかけてくる。 「食料だろ?少し待ってくれ。用意させる。さっきの子供が居た辺りで食料を配る事にしよう」 「頼む」 「いや、いいさ。どのみち、配給はしようと思っていたからな。さて、お前たちはどうする?配給に立ち会うか?」 二人は、配給に立ち会いたいという事だが、ヴェネッサは俺についてくると言っている。 「姫様」 「大丈夫だ。それに、さっきの戦いを見ただろう?ノーネーム殿だけではなく、二匹のフォレス…
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