テンプレの記事一覧

2022/09/28

【第十一章 飛躍】第百十三話

「!!!!えぇぇぇぇぇ・・・・僕?なんで?」 「あっシロ。おはよう。耳元で叫ぶなよ。頭の中までお前の声が響いたぞ?」 「カッカッカッカズト様。僕なんで?」 「あぁ?シロがドア開けて入ってきたのだろう?おねしょでもして寝られなくなったのか?」 シロが布団をガバっと開けて、自分の服装を確認しようとした。 「あっバカ!」 俺は気がついた。 夜にシャワーを浴びた状態のままである事を・・・。 「カズト様のバカ、僕、おねしょ・・・なん・・・て・・・え?なんで?」 「あぁ?お前が脱がしたの・・・嘘だからな、安心しろ、な、…

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2022/09/28

【第十一章 飛躍】第百十二話

思い立ったが吉日。 ユーバシャール街に行こうとしたが、シュナイダー老だけではなく、スーン、フラビア、リカルダから全力で止められた。 ユーバシャール街に送り出した使者が帰ってくるまでは、ダメだと言われた。 少し考えればわかることだが、今ユーバシャール街の前領主の息子(末弟)は使者と一緒に港町や近隣の集落や村を回っている。ワイバーン便での連絡だけだが、ほぼ総ての集落がペネム街の傘下に入る事を望んでいるという事だ。パレスキャッスルも既に恭順の意思を示している。残っているのはパレスケープ街だが、先方から既に連絡が使…

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2022/09/28

【第十一章 飛躍】第百十一話

作者注) この第十一章は、カズト・ツクモ 視点で書かれています。 バカ二人と一緒に居た者たちを”ペネム街が支配下に置いた街”への出入りを禁止した。 それを聞いたバカ二人は安心して、ユーバシャール区(・)に帰っていった。 既に、ワイバーンを飛ばして、バカ二人を出禁にした事は伝達済みで、バカ二人の取り巻き商人や冒険者たちも総て素性が割れて、ユーバシャール区(・)にある商店や家、総ての財産に関してユーバシャール区(・)の行政で没収している。 石壁の向こう側まで、馬車に詰め込んで運んでやる事にした。そこからは徒歩で…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百十話

/*** カズト・ツクモ Side 少しだけ時間は戻ります ***/ 「ツクモ様。ユーバシャール街に潜入していた者から報告が上がってきました」 「無事だったのだな」 「はい。潜入した者や商隊にまぎれていた者総て無事です」 「そうかよかった。それで?」 シュナイダー老は報告としてまとめられた物を提出してくれた。 読み込んでいるうちに笑いそうになってしまった。 前世でよく聞いた話が書かれている。 「ツクモ様」 「わるい。それで、どっちがサラトガに・・・いや、今はミュルダに向かっているのだったな?」 「出来の悪い…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百九話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ ユーバシャール街からの使者は、サ(・)ラ(・)ト(・)ガ(・)に到着した。”代(・)表(・)に会(・)わ(・)せ(・)ろ(・)”という事だ。 近いのは、間違いなくアンクラムだ。そこを避けて、サラトガにむかうあたりに悪意を感じる。石壁が急にできたりしてびっくりして使者を出したのなら、石壁に駐留している者に接触を試みればいい。 それをしないで、サラトガで”代表”に会わせろとしているあたりに、何か意図的な匂いと俺たちを甘く見ている感じがする。 対応を協議する為に、行政…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百八話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ アトフィア教が攻め込んできたのを撃退してから1ヶ月が経過した。 だいぶ街も落ち着きを取り戻してきた。 大方の予測どおり、ロングケープ街は、ロングケープ区となりペネム街の支配下に入る事に決まった。街道の整備も始まっている。 「カズトさん。流石にペネムではロングケープまで支配領域を伸ばすのは難しいです」 「そうか・・・やっぱりダメか・・・ありがとうなクリス」 「いえ。大丈夫です」 一礼して、行政区にある執務室から出ていく。 今日もルートガーが付き従っている。仲良くや…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百七話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「シロ!シロ!」 馬車の中で一晩を過ごした。 身体が痛かったので目が覚めてしまった。 「シロ!朝だぞ」 俺は、俺に抱きついて寝ているシロを起こそうとしているが起きる気配がない。 相当疲れているのだろう。なれない武器で戦っていたのだからしょうがない。カイとウミも、二度寝して下さいと言っていたので、言葉に甘える事にした。ライが、スーンに連絡をして、フラビアとリカルダとギュアンとフリーゼを、イサーク達に合わせる役目を頼んでもらった。 冒険者ギルドで待ち合わせをしてから…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百六話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ シロたちの事はこれでひとまず終わりだと思いたい。 アトフィア教には、是非遠くで幸せになってほしい。俺に二度と絡んできてほしくない。 今、ログハウスの執務室でイサークとナーシャと向き合っている。ナーシャはいつもどおりだけど、イサークは少しばかり不安な表情を浮かべている。 俺の後ろには、シロが居て、俺の横にはエリンが座っている。 「ツクモ殿?俺たちが・・・ナーシャが何かしましたか?」 ナーシャが何かしたと思う辺りはさすがだな。 「安心しろ、ナーシャの件は置いておくと…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百五話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 昨日は話が濃かった。 そう言えば、街の名前聞いていないけど、いいか・・・2ヶ月後には判明するのだろうからな。 まずは、ギュアンとフリーゼたちだけど、面倒だな。 洞窟の部屋で朝食をとってから、ログハウスの執務室に向かう事にする。 「エリン。昨日はどうだった?」 「シロお姉ちゃんたち?」 「あぁ」 「すごくびっくりしていたよ」 「そうか、ダンジョンか?」 「ううん。道具屋さんとか、武器屋さん!」 「へぇそんな所に行ったのだね」 「うん。フラビアお姉ちゃんが武器がみた…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百四話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 解散となったはずなのに、俺は椅子から降りられない。 ミュルダ老とシュナイダー老がにこやかに笑って”少しお待ち下さい”と言ってきているからだ。 皆が退出したのを確認してから、ミュルダ老とシュナイダー老とヨーンが、俺の足元に近づいてきた。 「ツクモ様。さて、ゆっくりお話をしましょう。まずは、場所を執務室に移動しましょうか?」 「わかった。ミュルダ老。その前に、クリス!」 「はっはい」 後ろで小さくなっていたクリスに声をかける。 「9人の名前は決まったか?」 「決まっ…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百三話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「大主様」 「あぁわかった準備ができたのか?」 「はい。クリスティーネ様。リリーア。オリヴィエがヌル殿の庭でお待ちです」 「わかった。そう言えば、クリスの従者たちは?」 「本日は遠慮して待合所に居るとこの事です」 「そうか、わかった」 ドリュアスのメイドが、先導にして歩くようだ。 それにしても、メイドや執事が増えたな。 また、魔核にスキルを付与した物を大量に作っておくか? 勝手に吸収して進化するように言ってあるけど、許可を求めてくるのだよな。メイド的なスキルや執…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百二話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ あきらめの気持ちで、会議室で待っていると、スーンがやってきた。 「大主様」 「どうした?」 スーンは俺の正面に立って一礼した。 「今日は、お休み頂きたいのですが、お疲れだとは思いますが、大主様の領地を汚した者たちへの罰則をお決め頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」 そうだよな。もう夜に差し掛かる時間になるのだし、現実的には明日にしたほうがいいだろうな。 スーンや眷属達にしたら、アトフィア教の連中は一秒でも俺たちの領地内に居てほしくないのだろうし、実験区の実験…

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2022/09/28

【第十章 統一】第百一話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ いつの間にか寝てしまったようだ。 朝起きて思い出すまでに少しだけ時間が必要だったが、大丈夫ボケるほどではない。 シロと一緒のベッドで寝た。不可抗力だ。 それではなぜ。エリンが俺とシロの間に居る?それも、エリンがシロに抱きついて寝ているのだ? こっそりとベッドから抜け出す。 シロもエリンも起きない。フラビアはまだ寝ている・・・が、未婚の女子としては少々だらしない格好である。リカルダは起きて居た。ニコニコ笑っているように見える。 「リカルダ!」 「おはようございます…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第百話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ ミュルダを抜けた場所で、エリンたちが待っていた。合流して、ペネム街を目指す。 ペネム-ミュルダ街道に出たことで、馬車の速度を上げる事ができる。 道を整備しているので、馬車の跳ねも少ない。 その上馬車を引いているのはノーリたちだ。 何をいいたいのかというと、”高速道路を法定速度以上で飛ばしている”連中と同じ状況になっている。実際に感じるのはそれより酷い状況だ。馬車が自動運転になっているからだ。ノーリに整備された道を走ってくれで済んでしまっている。 その上、振動が少…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十九話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 司祭派と聖騎士派の集落は、竜族のブレスで壊滅させた。 死体だけが残されていた元集落は、遺体を集めてブレスで浄化した。 壊滅と浄化の違いは、気分的な物で特段指示を変えなかったが、竜族にも気持ちが伝わったのか、壊滅と命じたときには攻撃の様に激しく、浄化と命じたときに建物を燃やすようにしてから、炎で遺体を覆っていた。 そして、俺たちは、ミュルダ区に到着した。 まだ全部が終わったわけではないが、気分的には半分以上消化した気分になっている。 馬車で到着したのだが、ミュルダ…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十八話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 集落の炎が消えるのを待って、カイとウミが待っている馬車の場所まで戻った。 いろいろ有りすぎて寝るのを忘れていたが、もう丸一日程度起きていた事になる。 馬車が広いとは、中で寝る人数は限られてしまう。 一つ目の馬車には、俺とカイとウミとライとギュアンとフリーゼ。 二つ目の馬車には、エリンとシロとフラビアとリカルダ。 で・・・落ち着いたと思っていたが、フラビアとリカルダが、新参のギュアンとフリーゼに、俺の世話を任す事ができないといい出した。 その結果”なぜ”か、 ・俺…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十七話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ エリンの所に戻る前に、疑問を一つ解消しておきたいと思っていた。 「なぁシロ。どうして、フラビアは俺に報告に来た時に、泣きそうな顔をしていたのだ?」 後ろから抱きついているシロが少しだけ動揺した。 「言い難いのならいい。シロがフラビアにも聞かないで欲しいというのなら、この話はこれで終わりにする」 「・・・カズト様・・・いえ、聞いて下さい」 やはり何か有ったのだろう。 シロが語ったのはよくある話だ。 集落には、先程のクズどもが来る前に、到着していた準聖騎士がいた。そ…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十六話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 30分位待っただろうか。 フラビアが戻ってきた。返り血を浴びている。 俺の前で跪いて 「ツクモ様。首魁共を捕らえました」 「わかった。それよりも」 「そうでした。シロ様。リカルダ。私も無傷です」 「そうか、それならいい。首魁は1人か?」 共と言ったのが気になった。 「3名です。司祭が1名と聖騎士が2名です」 「ほかは?」 「切り捨てました」 「そうか・・・」 「ダメでしたか?」 「いや、お前たちに辛いことをやらせたと思っただけだ」 「ありがとうございます。でも、…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十五話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 湖が近づいてきた。 ここまで来て、俺や3人にもはっきりと匂いが解る。 「姫様」 フラビアとリカルダの、シロを呼ぶときの呼び方が安定しない。 ”姫様”と呼ぶときと、”シロ”と呼ぶときと、”シロ様”と呼ぶときがある。シロは、”私の名前はシロだから、シロと呼ぶように”と言っている。多分、姫様かシロ様になりそうな雰囲気がある。 「リカルダ?これは・・・」 「間違いないでしょう」 「どうした?」 シロもリカルダもフラビアも気がついているようだ。 聖騎士の儀式かなにかだろう…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十四話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「カズト様」 「どうした?」 シロから話しかけてきた。なにか有るのだろう。 フラビアとリカルダは、エリンと一緒にライから受け取った肉の調理をおこなっている。 俺がやっても良かったのだが、カイとウミとエリンに反対された。刺激が強すぎるという事だ。意味がわからない。 フラビアとリカルダが喜々として準備を始めたのでそのまま任せる事にした。 「・・・あぁカズト様は、私たちを・・・」 「許したわけじゃない。だが、お前たちが考えて、アトフィア教が正しいというのなら、それは尊…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十三話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 「それでは、ライマン老。ロングケープ街を頼むな」 「はい。代官を勤めさせていただきます」 結局、出立が2日伸びてしまった。 ライマン老との話し合いもだが、前領主たちが起きて騒ぎ出したからだ。黙らせる事は簡単だったが、黙らせるよりもそのまま檻に入れて連れ出す事にした。街中を引き回した結果、見事な囮役になってくれた。 まずは、街の中で前領主たちの罪を公表した。その上で、ライマン老が領主代行になる事が発表された。 夜に、前領主たちを助け出そうと忍び込んだ者たちが居た。…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十二話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ ヴェネッサがシロの名前を気に入っている理由がわからないが、本人がそれでいいというのなら俺としてはこれ以上何も言わない。シロを連れて、領主達が押し込められている部屋に向かう。 約束の期限には早いがいいだろう。 部屋の中からは話し声も聞こえない。 ドアの所にいるエントに確認をする 「どうなっている?」 「大主様。昨日くらいまでは罵り合っていましたが、今はおとなしくなっています」 「そうか・・・寝ているのか?」 「いえ、寝る必要はないだろうと思い、寝たら起こすようにし…

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2022/09/28

【第九章 帰路】第九十一話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちは、ロングケープ街に戻った。 「ノーネーム殿」 ヴェネッサが声をかけてくる。 「食料だろ?少し待ってくれ。用意させる。さっきの子供が居た辺りで食料を配る事にしよう」 「頼む」 「いや、いいさ。どのみち、配給はしようと思っていたからな。さて、お前たちはどうする?配給に立ち会うか?」 二人は、配給に立ち会いたいという事だが、ヴェネッサは俺についてくると言っている。 「姫様」 「大丈夫だ。それに、さっきの戦いを見ただろう?ノーネーム殿だけではなく、二匹のフォレス…

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2022/09/28

【第八章 進展】第九十話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 念話の着信?で起こされた。 昨晩は、念話で指示を送り続けて疲れてしまった。ロングケープ街につながる街道に作っていた石壁が完成したのだ。それと同時に、ロングケープ街から退避していた獣人の所に、支援物資が届けられた。 どうやってこの距離を運んだのか・・・答えは簡単だ。オリヴィエとリーリアとクリスが、街道をまっすぐに支援物資を格納して、駆け抜けてきたのだ。アトフィア教の敗残兵が居たが気にしないで突っ切ってきたようだ。 今回は、オリヴィエが暴走した。活躍の場面だと思った…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十九話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 執事服をきっちりと着こなしたエントが俺たちに向かって歩いてきて一礼した。 隣に居るヴェネッサは居ない者として扱うようだ。 「大主様」 「おぉどうだ?」 「はい。議会場は掌握いたしました。領主の屋敷も抑えました」 うん。上手く行ったようだな。 「わかった。犯罪者共は?」 混乱に乗じたバカどもにはきつい仕事を頼むことになるからな。 「大主様の指示どおりに、議会場の一室に閉じ込めてあります」 問題はなさそうだな。 「犯罪奴隷共は?」 「比較的綺麗な奴隷商に押し込めてあ…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十八話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアの報告を聞く限り、本当に敗走という言葉が適当なのだろう。 殿(しんがり)もおいていない。来た道を戻るだけしかできていない。 当然、ブリットからは突撃指示が出る。 今度は、俺への確認は必要ないと言ってある。現場の判断だ。 聖騎士を各個撃破している。 本来なら、聖騎士は強いのだろう。ブリットたちがこんなにあっさり勝てる相手ではないのだろう。 さて、そろそろ本当に一度寝ることにしよう。 念話を切る。 — 朝・・・ そろそろだろう。 エリンとウミとカ…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十七話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 俺たちが乗っている船は、前世?の記憶では、クルーザよりも少し小さめの船だ。居住スペースはエント達が急ごしらえしたようだ。 眷属から行軍の様子や聖騎士の情報が続々と届けられる。 両軍の行軍情報を得ながらタイミングを図っている。 突撃部隊に居るリーリアや後衛部隊に居るクリスとも、数カ所の”念話中継魔核”を通して繋がっている。 今回の戦いで俺が1番懸念していたのが情報伝達の方法だ。念話は便利だが到達距離に制限がある。魔力が、距離と通話品質?に影響を与えるのかはまだわか…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十六話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ 小型ワイバーンにエントとドリュアスと魔蟲達を載せて、ロングケープ街に潜入させた。予想通りの報告が上がってくる。完全に、戦争の準備をおこなっていると考えて間違いないだろう。 ”面倒な事になった”が正直な感想だ。 表の対策と裏の対策を行う事にした。 表の対策は、難しいことではない。獣人族を中心に、ペネム街の軍を組織してもらう事だ。 こちらは、ミュルダ老に任せた。いろいろ任せすぎて、何を任せたのか忘れているが、サポートも増えているし大丈夫だろう。 ペネム軍の中核は、ブ…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十五話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ ログハウスに戻ってみると珍しく、スーンが面会を求めてやってきていた。 すぐに許可を出して、執務室に通した。 「大主様。申し訳ございません」 「どうした?なにかあったのか?」 普段、スーンは連絡だけなら、念話でおこなってくる。 面会を求めてやってくるとはよほどの事があったのだろう。 「はい。実験区のモルモットから聞き出した事ですが・・・」 実験区。ペネム・ダンジョン内に作っている、アトフィア教や俺が死刑だと判断したやつらを使って、スキルの実験をおこなっている所だ。…

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2022/09/28

【第八章 進展】第八十四話

/*** カズト・ツクモ Side ***/ リーリアに命令して、ログハウスや居住区で見かけない食材や調味料は一通り集めるように言ってある。 同じ様に、リヒャルト商隊にもこの辺りでは食べる習慣が無いものや、珍しい植物を見つけたら一通り買ってきてくれるように頼んでいる。それらの報告が、執務室に置かれた嘆願書の中に混じっていたのだ。 新しい食材や調味料の発見は嬉しい。 サラトガやアンクラムやミュルダでは普通に入手できていた物の中にもいろいろな食材や調味料になる物が存在していた。 ユリの花が見つかった、簡単に言え…

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