チートの記事一覧
2020/08/30
【第二章 冒険者マナベ】第四十二話 エヴァの葛藤
/*** エヴァンジェリーナ・スカットーラ Side ***/ 朝起きたときに、少しパニックになってしまった。 隣で、アルノルト様が眠っている。私は、アルノルト様の服を掴んで眠ってしまったようだ。一緒に寝たのだろう。私にも、知識はある。自分の服装の乱れが無いことを確認してしまった。 安心したが、少しだけ残念に思えてくる・・・が、そういう事は、意識がある時にしてほしいと考えてしまって、身体が暑くなってしまった。しっかり掛かっていた布団が少し暑く感じて、上半身に掛かっている布団をどけた。 どうしよう。先…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十一話 神からの忠告
/*** シンイチ・マナベ Side ***/ 『クスクス』『キャハハ』 「誰だよ?」 ん?ここはどこだ? 以前にもどこかで? 『やっと起きた』『起きたね。飲み過ぎ。飲み過ぎ!』 エトとエリ! 『そうだよ。エリだよ』『覚えていた。覚えていた。エトだよ』 とい言うことは、ここは、アリーダ様の? 『前にもいいましたよね?』 え?あっ、アリーダ。ここは? 『私の居城ですよ。貴方の妹さんが眠る場所とつなげる事ができましたのよ』 そうですか? それで、今日は、その連絡ですか? 『それも有りましたけど、今…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十話 別れ
「エヴァ。案内・・・頼めるか?」 「はい!」 振り返って、まだ、袋を眺めて、ワイワイ言い合っているユリウスをみる。 「俺は、今から、ユリアンネとラウラとカウラに、少し、王都を離れる事になりそうだという報告をしてこようと思う。ユリウスたちはどうする?」 「もちろん。行く。多分、俺達のほうが、長く王都を離れる事になるだろうからな」 他の皆も、陛下たちも含めて、挨拶をしてくれる事になった。 ユリアンネたちが眠る場所は、寮から少し離れた場所にある森の中にあった。 俺が、静かに眠らせたいという要望を聞いてくれ…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十九話 新たな力
「ユリウス。この後どうする?何も無ければ、エヴァに、ユリアンネとラウラとカウラの眠る場所に案内してもらおうと思っているのだが?」 「アル。すまん。少し待って欲しい」 「ん。いいけど、どうした?」 「あぁ」 ドアがノックされた。 エヴァの母親が入ってきて、来客だと告げた。どうやら、ユリウスが待っていた人なのだろう。 「お父様!!」 フォイルゲン辺境伯が入ってきた。 クリスは知らされていなかったのだろう。びっくりして立ち上がっている。 その後ろから、この国の王である陛下と皇太子も一緒に入ってきた。 …
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【第二章 冒険者マナベ】第三十八話 今後の方針
エヴァと連れ立って、食堂に降りる。 皆がそろっているようだ。 所定の位置に座る。ラウラとカウラの場所を、誰もが見つめている。 「それで?」 「アルの話の前に、皆、すまなかった」 それだけ言って、ユリウスは、皆に向かって頭を下げた。 何が有ったのか、想像ができるが、話が進まなくなりそうなので、スルーさせてもらおう。 「クリス。それで?」 「私ですか?」 クリスが盛大にため息をつく 「ユリウス様。よろしいのですか?」 「ダメだ。俺から、話をする」 「と、いうことですわ。アルノルト様」 「アル。いや、…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十七話 旅立ちの前に
/*** シンイチ・アル・マナベ(アルノルト・フォン・ライムバッハ) Side ***/ 久しぶりに寮に戻ってきた。着替えが欲しくなった事もあるが、ユリアンネとラウラとカウラの事が気になってきた。 尋問(八つ当たり)も俺ができる事は、終わったと思っていいだろう。対面してわかったが、あいつらを相手していると、虚しいとさえ思えてくる。”あいつら”ではダメだ。 俺が使っている部屋に入った。 エヴァは、3人が眠る場所を作ってくれたようだ。俺の部屋・・・こんなに広かったのだな。ラウラ。カウラ。お前たちの声が聞…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十六話 権利と義務
冒険者組合が用意した宿屋は、かなり上等な物だと思う。 食事もかなり高級な物なのだろう。だが、味がしない。宿屋の主人に礼を言ってから部屋に戻る。部屋には、今、判明している事がまとめられている物が置かれている。 これを、ビルドアップしていくしか無いのか? もう少し、アップデートしやすい感じにまとめ直すか? 羊皮紙が大量に・・・いや、和紙を作ってしまおうか、あぁタブレットかパソコンが欲しい、こっちの世界にて、12年が過ぎたかなり慣れたが、メモを作成したり、簡単な覚書をする時に、スマホとは言わないまでも、…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十五話 尋問
床に寝かされているのは、俺が捕縛した奴らのようだ。 リーヌス・フォン・ルットマンらしき奴も居る。よく見ると、ゴミどもは、目隠しをされている。 さて、尋問(八つ当たり)を始める事にしよう。 ラウレンツ殿にお願いして、椅子を二つ持ってきてもらう。床に転がっているゴミどもが何か言っているが、面倒なので、腹を蹴飛ばして黙らせる。 さて、まず適当なやつからやっていくか! 「おい」 手近にいた奴の首を持って、椅子に座らせる。 「おい。お前。名前は?」 「な・・・なんだ。俺は」 刀を抜いて、首筋にあてる。そ…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十四話 目的?
あれから、何日が過ぎたのだろう。 お前らいい加減に起きろよ。俺、疲れたぞ。 光魔法や・闇魔法や、氷魔法をかけ続けている。ステータスが、うなぎのぼりだ。 名前:アルノルト・フォン・ライムバッハ [異世界(日本)語変換:1.69] [鑑定:3.23] [思考加速:1.00] 魔法制御:4.71 精霊の加護 地の加護:2.18 火の加護:2.79 炎の加護:0.79 [水の加護:2.35] 氷の加護:1.03 木の加護:2.09 風の加護:3.11 雷の加護:0.35 [闇の加護:0…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十三話 ライムバッハ家
「ユリアンネ。帰ろう。ラウラとカウラの所に・・・。父上も母上も、そうだ、ルグリタもロミルダも待っているよ」 ”あぎゃ。あぎゃ。” ん? 奥の茂みから赤ちゃんの泣き声がする。 俺が、初めてユリアンネにあげたぬいぐるみを持った赤ん坊が、泣いている。 ユリアンネは、この子を守ったのか? そうか、カール。おまえだけは生き残ってくれたのだな。 「カール。ユリアンネ。帰ろう。もう大丈夫だ」 カールを肩に固定して、片手でユリアンネを持ち上げた。 「ユリアンネ。軽いな。しっかり食べなきゃダメだぞ」 ユリアン…
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【第一章 少年期】第三十二話 撃退
★☆★☆ Side エルマール 「アトリア!」 「はい」 「いそげ!」 「・・・ラウラは?」 「あとから来る」 「わかりました。ルグリタ。ロミルダ。最低限だけまとめて行きます」 「はい。奥様」「かしこまりました」 「あなた、ユリアンネとカールは?」 「カウラと護衛数名で先に逃した」 「・・・。それなら、もう何もありません。逃げましょう」 「あぁ」 確かに俺はいろんな貴族には恨まれているとは思うが、襲撃を行うほどの者など居ないはずだ。 盗賊なのか?ちらっと見た感じだと、武具が揃っていた。それもかなりの品質…
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【第一章 少年期】第三十一話 襲撃
「イーヴォさん。何が有ったのですか?」 「・・・落ち着いて聞いてくれ」 イーヴォさんに連れられて入った場所は、冒険者ギルドにある会議室だ。 「解りました」 「俺が昔パーティを組んでいた奴からの話しで、俺も裏取りはしていない。そのつもりで聞いて欲しい」 「はい」 「ルットマン子爵家が、冒険者や憲兵崩れや野盗を集めている。そして、ベルリッツに向かっている」 「ベルリッツ?」 「あぁ王都から3日位の距離にある。服飾や小物の生産がメインの街で、この時期に貴族が集まる」 「まさか・・・・。あぁ俺の聞いた話では、ライ…
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【第一章 少年期】第三十話 ラウラとカウラ
★☆★☆ Side ラウラ 「ロミルダさんまで一緒に来られて大丈夫だったのでしょうか?」 「アルノルト様の事?」 「えぇ私だけでも残っていれば・・・」 「そうね。でも、今回は伯爵様からのご命令だし、ラウラとカウラにしっかりした物を着せて、卒業式に出させたいというお考えですからね」 「ロミルダさんまで・・」 「私は、カウラの母親役ですからね。ラウラは、ルグリタが母役なのでしょ」 「あっはい。そうです。でも・・・私達は、アル様の従者です。アル様のお側にこそ居るべきでは無いでしょうか」 「う~ん。実はね。この話を…
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【第一章 少年期】第二十九話 逆恨み
★☆★☆ Side リーヌス・フォン・ルットマン 「リーヌス。おまえは、どこまで、儂に恥をかかせれば気が済むのだ!」 「父上。違うのです。俺は何も、あの”マナベ”が全部悪いのです」 「おまえは、”マナベ”と言うが、ライムバッハ辺境伯の跡継ぎで間違いないのだぞ」 「違います。父上。実際に、奴は弟に後継ぎを奪われたではありませんか!」 「愚か者。おまえは・・・。あれは、アルノルトが自分から言い出した事で、”自分は貴族としての振る舞いが出来ません。父が弟に辺境伯としてふさわしい教育を行ってください”と、言って譲っ…
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【第一章 少年期】第二十八話 冒険者ギルド
俺とラウラとカウラは、先に拠点に向かった。そのまま、学校に戻る事にした。 夜間の移動になってしまったが、拠点に居るよりはマシと思った、これ以上の面倒事を避ける意味もあった。 学校に着いた時には、翌朝になっていたが、そのまま先生方に事情を説明する為に、集まっている場所に移動した。 説明が終わって、寮に戻ってきたのはもうかなりの時間が過ぎていたが、皆起きていた。 食堂に集まってもらって、簡単に顛末を話す。疲れたので、今日はそのまま休ませてもらう。座学の試験は明日。大丈夫だろうとは思うが・・・今は、疲れ…
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【第一章 少年期】第二十七話 救出劇
連れて行かれた部屋では、数名の生徒と先生方が話していた。 「遅くなりました。特待生クラスのライムバッハ。アーベントロート。フォイルゲン。3名を連れてきました」 「クヌート先生。ご苦労様です」 確か、校長だったよな。 名前は・・・忘れた。まぁ校長先生と呼びかければ問題無いだろう。 今は、状況を注視する方が大事だろう。 ”火付け現場”では、後から来た人間は質問もしないほうがいい。前のめりになるにしても、相手から頼まれて作業に加わる事が重要だ。 その為にも、聞かれた場合にだけ”答える事”が肝要だ。 「…
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【第一章 少年期】第二十六話 成績考査
一回目の実地訓練は、無事終わった。 終わってみれば、どっかの子爵家のぼっちゃんのおかげで森が荒らされまくって、俺達以外で獣を狩ることが出来たのは数パーティだけだった。 皆、深層部に足を踏み入れる為に、行軍にも時間を取られ、実際に狩りに使えた時間が少なかった事も影響している。 俺達は比較的浅い場所に野営地を作って、拠点として使ったおかげで無理なく狩りをする事が出来た。 結果、俺達のパーティがトップの成果となった。二番目は、ラウラのパーティで、三番目がユリウスパーティだ。ユリウスは、一日目に深層部に入…
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【第一章 少年期】第二十五話 実地訓練
帝国からのアクションは”あれ”から一切なかった。 そして、エヴァのお母さんは、今寮に居る。 襲撃があった二日後に、使節団が王都に到着した。 そのまま王城に上がった使節団に、俺とクリスが接触した。”辺境伯の後継ぎ”と”皇太孫の婚約者”の、身分を使った。そのおかげか、簡単に、エヴァの母親に接触することができた。 後で話を聞くと、この使節団自体が、エヴァの父親が、関わっていた事が判明した。 そして、母親は、”すでに帝国では死んだことになっている”のだと教えてもらった。父親は、娘が帰ってこない事や、帝国…
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【第一章 少年期】第二十四話 日常
泣き止まないエヴァをなんとか落ち着かせて、馬車が待っている場所まで移動した。 ラウラとカウラが待っていた。 服の裾を掴んで離さない。エヴァを一瞬睨んでいたが、俺が手を挙げると、一礼して、馬車の扉を開けてくれた。 俺とエヴァが並んで座って、正面に二人が座る形になった所で、馬車が動き始めた。 「アル様。なにかございましたか?」 「・・・あ。あぁ少しな。それは帰ってから話す。あっそれよりも、”これ”二人にお土産。髪留めだけど貰ってくれると嬉しいな」 「アル様。私達などに・・・」「アル兄ィ」 「二人の為に買…
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【第一章 少年期】第二十三話 決闘
「エヴァンジェリーナ!」 エヴァは、俺の後ろに隠れた。 そして、服の袖を握っている。 「こっちに来い。おまえは、俺と居るべきだ」 「ボニート様。婚約は、貴方から破棄されたと聞きました。わたしは、それを受けて、こちらに留学して、大切なお友達を得ました。だから、”もう”帝国には、帰りたくありません。父にも、陛下にも、ご許可を頂いています」 「なっおまえは、俺の所にくればいい!守ってやる。金もある。そんな男よりも、俺の方が優秀だ!俺は、公爵だ。帝国の公爵なのだぞ、こんな王国のどこの馬とも解らないやつよりも上だ…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第二十二話 デート?!
学校の行き帰りは、俺がエヴァと一緒に登校する事になった。 数分の距離だが、それでもクリスは、一緒に行くべきだと主張した。特に、エヴァからも反対の意思表示がなかったので、一緒に登校する事になった。 実際には、他の皆一緒に登校するのだが、なんとなく俺の横には常にエヴァが居る事になった。 それから、数日はなんの問題も無く過ごせた。 ボニートからの襲撃もなかった。学校敷地内の移動だから当然と言えば当然だと思う。あの日は、父兄も来ている事から、誰かの父兄と一緒に敷地内に入ったのだろう。そう考える事にしている…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第二十一話 エヴァの事情
少し落ち着きを取り戻した。 クリスが、ユリウスを連れ戻すと言っていたので、食堂に移動した。 軽く食事をしながら話をする事になった。 そこで、ラウラとカウラの話を簡単にしてから、エヴァの話を聞く事になった。 俺の話は、”ライムバッハ”を名乗るが、学校での呼び名は、変わるかも知れないが、他は何も変わらない事を確認した。 できたら、学校でも・・・特待生クラスだけでも、アルノルト様とか呼ばないで欲しいと伝えた。今まで通りに呼んで欲しいと伝えた。クリスは笑っていたが、改めるつもりはないだろう。そのほかは了…
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【第一章 少年期】第二十話 話し合い
ラウラとカウラが、ルグリタに礼を述べに行く事になった。 馬車で待つのもおかしいので、部屋で待たせてもらった。 なかなか帰ってこない二人を待っていると、陛下が”リバーシ”セットを持ってきた。俺が、父に渡していたのを探し出したらしい。一戦したいようだ。”あの”ユリウスの血縁者だけあって負けず嫌いなんだろう、僅差で負けようと思っていたら、陛下から”本気での勝負”と、先に言われてしまった。 陛下に圧倒的な大差で三連勝した。その後で、フォイルゲン辺境伯との対戦になって、こちらも大差を付けて勝ってしまった。 …
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【第一章 少年期】第十九話 中等部入学式
何事もなく、入学式当日になった。 普段通りに起きて、普段通りに準備をした。 ザシャとディアナ以外は普段通りだ。 入場の順番も決まった。 先頭は俺が歩いて、続いて、ユリウスとクリス。 次が、イレーネとエヴァ。次が、ザシャとディアナ。次が、ギードとハンス。ラウラとカウラ。最後が、ギルという並びになった。ギルとラウラ達の順番ですこし揉めたが、ギルが一人で一番最後がいいと言って譲らなかったので、この順番で確定させた。 ザシャとディアナが緊張しているのが、自分たちが、皇太孫のすぐ後ろだという事だ。 何…
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【第一章 少年期】第十八話 中等部試験
シュロート商会で思った以上に時間を取られてしまった。 リバーシ対戦をこなしていたのが原因だが、ギルも販売が出来ると喜んでいた。 早速、”鉄を引き寄せる石”を何個か融通してくれた。 砂鉄を集めて、たたら製鉄やカイロを作って売れないか考えよう。磁石を使った”方位磁石”を作ってもいいが、なんとなく魔法で解決出来てしまいそうだ。 寮に皆で戻ってきた。夕飯の時間には、なんとか間に合ってよかった。 食堂に入ると、丁度準備をしている所だった。ラウラとカウラがロミルダを手伝う為に厨房に入っていった。 俺はいつも…
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【第一章 少年期】第十七話 商人ギルド
中等部向けの勉強も大詰めを迎えている。 俺とクリスとエヴァは、ほぼ満点が取れそうだ。 次点は、ラウラとイレーネとギルは、8~9割は答えられそうだ。 残り4人がそれぞれの得意分野はあるがそれ以外が足を引っ張る状態になっている。 不合格になったり、特待生から落ちる様な事はないだろうが、それでも心配は心配だ。 中等部の試験は、家庭教師に勉強を教えられていた貴族や地方で優秀だった平民も受ける事になる。 研究所のメンバーで中等部も同じクラスになりたいという気持ちで試験に望むことになった。 中等部は、全…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第十六話 幼年学校
結局、寮の中での”平穏”は訪れなかった。 ユリウスとクリスだけではなく、特待生クラス全員が引っ越してくるという状態になってしまった。 ルグリタの教えなのか、ラウラとカウラは皆が引っ越してくるまでに、全部の部屋の掃除を見事に終わらせていた。 一部助けてもらったとは言っていたが、見事な物だ。 俺達だけなら問題にはならなかったが、ユリウスとクリスが引っ越してくるとなると、学校内の施設だとはいえ安全確認やら、いろいろ必要になってしまったようだ。 エヴァのお付きの者も居たが、エヴァが強固に拒否していた。 …
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【第一章 少年期】第十五話 寮生活
寮というか、家と言ったらいいのか迷うが、便宜上。寮と呼ぶことにした。 昨日やっと準備が終わって、住める状態になって、宿を引き払って、寮の部屋に入った。 部屋数も、12人が住めると言っていたが、謙遜だった。実質的に、20名住んでも多分部屋数は余るだろう。部屋の改造は好きにしてよいと言われたが、暫くはこのままにしておく。 まずは、明日の入学式だ。 皇太孫がトップな成績だった。皇太孫と同い年という事になる。面倒事にならなければよいと思ったが、実は、クヌート先生の研究所に入る事が目立つ行動だと知ったのは、…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第十四話 入学試験
結論を言おう、意気込んでライムバッハ家を後にしたが、その緊張が持続したのが、最初の街までは3日間。 途中馬車で休む事もあったが、なんのイベントも無く出来た時間で、二人に算数を教えていた。 異世界転生者でよくあるお約束にも出会えていない。魔物に襲われている馬車を助けたら、それが皇女だったりする事もなく、野盗に襲われている行商人を助けるイベントもなく進んだ。 俺としてやる事はほとんどない状態が続いていた。 ただ違うのは、休憩場所で、魔法の訓練が出来た事だ。 父の配慮だろうか、護衛の中に、火/地/木/…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第十三話 王都に向けて
俺は、二人に名前を付ける事から始めた。 二人共、前の名前はあるが、置いてきた名前だから、新しく付けて欲しいという事だ。 23番と呼ばれていた獣人とのハーフは、顔の作りは、可愛いと表現しても良いかと思う。髪の毛の色が若干赤よりの色で短くしている。やはり気になるのが、獣人であることを示す猫耳があることだ。 尻尾がないことから、ハーフであることが解る。昔は忌み嫌われていたのだというが、今では一部を除いてそんなことはなく、受け入れられている。 「23番の名前は、カウラ」 「解りました。ご主人様。私は、今日か…
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