2021/09/15
【第五章 マヤとミル】第十九話 草案と説明
「ミル。マヤは?」 「うーん」 ミルが渋っているところを見ると、マヤはマヤで用事があるのだろう。 「無理なら無理でいいよ。ロルフ」 今回は、ロルフと話をして、神殿の草案を考えればいい。そのあとの拡張は、ロルフとマヤで行えばいい。 『はい。にゃ』 「神殿の入り口を、マガラ渓谷の挟む形で作って、そこから一直線に通路を作る。両側に、店舗になるような建物を作る。中間地点に、訓練所に向かを場所を作るようにしたい。訓練所の通路を挟んだ正面には、集会場になるような広場を作りたい」 アロイの街は、アゾレムが管理してい…
続きを読む2021/09/14
【第一章 スライム生活】第十二話 実験
うーん。 スキル:結界も、情報が伏(・)せ(・)られている。私としては、安全になる可能性が高いし、使えるようになりたい。 魔石は、ギルドが”買い取ってくれる”ことはわかったけど、私にはギルドに売りに行く手段がない。 魔物(スライム)が、ギルドの窓口で”魔石”を売っていたらシュールだ。考えなくても、無理だとわかる。 私はどうやら成長するスライムらしい。”らしい”と言って、断言出来ないのは、寝て起きたら、サイズが大きくなった・・・。ような、きがする。実際に体積を測っていたわけでも、体重を量っていたわけ…
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【第一章 ギミックハウス】第十二話 セバス登場
本当なのか? 引き戸になっている門を抜けるのに、4時間掛かっているぞ?罠じゃないぞ、ただの”引き戸”だぞ? こいつら・・・。頭は大丈夫なのか? いきなり、門を攻撃し始めたときには、何をしたいのか迷ってしまった。 急遽、引き戸への攻撃で、頭上から石が落ちる罠を配置する。これは、引き戸への攻撃がトリガーになって別の罠が発動するだけの物だが、効果的だ。罠の発動場所を、引き戸の近くではなく、一つの門と引き戸の間でランダムに発生するようにした。 奴隷っぽい奴らに引き戸を攻撃させていた奴らが、自分の頭上から…
続きを読む2021/09/14
【第二章 帰還勇者の事情】第二十二話 客人の事情
「ユウキ。明日の夕方に、富士山静岡空港に到着する」 今川が、ユウキが使っている部屋に入ってきて、予定を告げる。 「え?客人はフランスからですよね?」 富士山静岡空港に、フランスからの直行便はない(はず)。 どこかを経由する位なら、新幹線を使ったり、東名高速を使ったり、飛行機以外の交通手段を使ったほうが楽だ。フランスから来るのなら、愛知か成田か羽田だ。 「プライベートジェットだ。世の中、大抵のことは、金でなんとかなる」 今川の話を聞いて、”キョトン”とした表情をしてから、納得した顔をする。 「そうです…
続きを読む2021/09/13
【第一章 スライム生活】第十一話 裏山
やること(復讐)は、私の中で決定した事柄だ。 そのためには、私は弱すぎる。 幸いなことに、魔物(スライム)になってしまった。魔物(スライム)には、日本の法律、だけではなく、世界中のどの国の法律も、適用が不可能だろう。魔物に感情があり、知恵があるとは思われていない。そもそも、弱肉強食の世界だ。いつ、どこで、殺されても不思議ではないのが、魔物の世界なのかもしれない。 せっかく作った裏庭の池。 ビオトープではないが、水草や周りの環境も整えたい。本当なら、街に出て、ジャンボエンチョーとかで買い物をすれば、…
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【第一章 ギミックハウス】第十一話 【帝国】七番の目
「殿下!なぜ?」 「何故だと!貴様!何故と聞くのか!貴様が、自分が何を言ったのか解っているのか!」 「殿下。自分は、自分の権限で、撤退を進言いたします。この魔王城は、事前の準備をしていない状態で突破ができるほど、甘く有りません」 「門までの通路を見つけた手腕を認めれば、撤退だと!考えもしないことだ」 「攻城兵器も、カタパルトを1基しか持ってきていません。先程から、岩が門に当たって砕ける音だけで、門に被害が無いように思えます。殿下。あの門を突破するためにも、帝都に戻られて」 「うるさい!貴様は、俺に、負けを認…
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【第三章 帝国脱出】第二話 バステトの冒険
私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)と日本では名乗っていた。 異世界に勇者の一人として召喚されて、いろいろあって、名前を変えた。今は、カリンという。私が名乗っている名前だ。 まーさん(年齢不詳、本名不明)と、大川大地さんと、王城から脱出して、準備を整えて、王都を脱出した。 今は、辺境伯の領都に向かう馬車の中だ。 日本に居た時に、馬車に乗ることを考えていなかった。少しだけテンションが上がっている。 王都から離れるまでは、なるべく休まずに進んでいたが、王都から離れてからは、馬車の速度を落として進むよう…
続きを読む2021/09/12
【第十章 エルフの里】第十三話 立ち回り
「弟?」 ヤスに近づいてきたエルフ族は、目が虚ろになっている。 それだけで、ヤスが無視するには十分な理由だが、ヤスは”弟”という言葉に反応した。 「そうだ!俺の大切な弟を、貴様が攫った」 「は?」 「弟は、お前のような人族が持つには相応しくない物を回収しようとしただけだ。何も間違っていない。貴様が悪い!」 「あ!?」 ヤスのどこから出ているのかわからないような、威圧が含まれる声に男は気後れした。 しかし、自分が威圧で負けているのが気に食わないのだろう。さきほど以上の声でヤスに文句をぶつける。 「そう…
続きを読む2021/09/12
【第一章 スライム生活】第十話 里見茜
私は、里見茜。 ギルド日本支部で、働いている。英語が活かせる職場だと聞いて、応募した。学生の時に、機械学習を専門にやっていたことを認められて、喜んで居た。過去形だ。こんなに、ブラックな状態になるとは考えても居なかった。 「茜!今日・・・。も、無理そうね」 「うん。ごめん。無理」 「主任は?」 「おじさんたちとデート」 「それは、ご愁傷さま」 「貴女の部署の上司も含まれているのだけど?」 「え?聞こえない。聞こえない。あのハゲは、滅ぼしていいよ。誰も困らない」 「でも、次の会長選に出るのでしょ?」 「え?…
続きを読む2021/09/12
【第一章 ギミックハウス】第十話 前哨戦-温情
確保した子どもたちは、毛布に包まって寝てしまっている。 よかった、パンも干し肉も食べられたようだ。明日は、違うものを出してあげたい。そうだ、地下に部屋を作ろう。なんとなく、種族別にまとまっているから、種族別に部屋を作るのが良いのだろう。 ポイントの収支がおかしいように思える。 ”本”の中に記述が、存在したか確認してみる。チュートリアルの最中には、ポイントの収支に関しての記述はなかった。 ん?本が光っている? ”権限が拡張されました。新しい項目の閲覧許可を得ました” 閲覧許可? 新しい項目? …
続きを読む2021/09/11
【第一章 スライム生活】第九話 練習
僕が得たスキルは、ギルドで検索を行っても”未知”のスキルのようだ。 やはり、僕だけの素晴らしいスキルなのだ。 当然だ。魔物(スライム)にしてしまうという凶悪なスキルだ。もしかしたら、ギルドは、この偉大なスキル”魔物化”を知っていて、Aランクという規格外のスキルを隠しているのかもしれない。 そうなると、僕もスキルを隠したほうがいいだろう。 スキルを隠すようなスキルを取得すればいい。 なんだ、簡単なことだ。 僕には、魔物を作り出せる能力がある。 スライムを作って、殺せばいい。 どうする? 誰…
続きを読む2021/09/11
【第一章 ギミックハウス】第九話 【奴隷】
村が人族に襲われた。大人たちは、殺された。お父さんもお母さんも隣のおじちゃんも・・・。 私たちは、そのまま人族が治める国に、移動させられた。 妹と私は、奴隷にさせられた。国に治めるお金を誤魔化したとか言われて、殴られて、首輪を付けられた。。 奴隷にされて、首輪を付けられて、そして、違う国に・・・・。 そこで、私たち姉妹と同じように連れてこられた、子どもたちと、粗末な建物に押し込まれた。 一日一回、固くなったパンが与えられるだけの生活。 何人も死んでいく・・・。私たちが何をした!勝手に攻めてきて…
続きを読む2021/09/10
【第五章 共和国】第五話 原因
御者台に座っていたクォートが、俺の所まで来た。 「旦那様。本日は、このまま野営になると思います」 他の馬車も、野営の準備を始めている。馬車の前後に空間があるが、馬車を道と垂直になるように移動するのが、この辺りのマナーのようだ。 「シャープ」 「はい」 「数名で動いている行商人に、野営時のマナーを聞いてきてくれ、付け届けにホワイトベアーの牙を渡してみてくれ、あと、行商人と交渉して、荷物を売ってくれるのなら、買い取ってきてくれ」 「かしこまりました」 シャープが、ホワイトベアーの牙を持って、野営の準備を始…
続きを読む2021/09/10
【第一章 スライム生活】第八話 スキル
気持ちよかった。スライムボディは本当に優秀だ。 今になって気がついたけど、もしかしたら・・・。家に帰ったら試してみよう。たしか、丁度いい物があったと思う。私は興味が無かったけど、ママのママが買ってくれた。あまりにも興味がなかったから、天井裏に入れたままになっている。 まずは、アイテムボックスの整理だ。 アイテムリストを見る。 え?ほぉ・・・。並び替えが出来るようになっている。使っていると、レベルでも上がって、機能が増えるの? ゲームみたいだけど・・・。まぁ便利になるのだから、文句はない。 試し…
続きを読む2021/09/10
【第一章 ギミックハウス】第八話 開戦-前哨戦
スキル画面の右上の数字が、100を切った。 外に居る連中は、いきなり攻め込んでくるのか? ちょっとだけ外を見てみたい。 でも、俺には攻撃力も防御力もない。それに、服は日本からより寄せたものだ。この部屋から出たら全裸になってしまう。 それにしても、先頭にいる奴らは、薄汚れた格好をしているし、子供だけに見える。 奴隷とかなのか? 先代の日記にも、奴隷を戦わせている記述があった。 うーん。 ひとまず、落とし穴の水罠は止めておこう。 転移罠にして、敷地内に隔離する場所を作ろう。 鎧を身に着けて…
続きを読む2021/09/09
【第一章 スライム生活】第七話 ギルド日本支部
「主任!」 「どうした?」 主任と呼ばれた女性は、部下の女性からの呼びかけに、資料に落としていた目線を上げる。 「今日の会議での資料です」 「ありがとう。また、ハゲオヤジたちの相手をしなければならないのか・・・。代わりに出ては・・・」 部下の女性は、にっこりと笑ってから勢いよく首を横に降る。 「ギルド内の会議だけならいいのだけど・・・。なんで、利権にしか興味がない議員先生が出てくる必要がある」 「ギルドが利権の塊にでも見えるのでは?」 「赤字団体だぞ?私たちの給料だって、実動部隊を除けば・・・」 「主任…
続きを読む2021/09/09
【第一章 ギミックハウス】第七話 【帝国】ギルド
「面会?開戦が近づいている、この時期にか?」 白い壁が取り払われるのは、あと数時間だ。早ければ、1時間もしないで白い壁が取り除かれる。 あの異様な広さを誇る魔王城がお目見えするのだ。すでに、白い箱の手前に、15番隊から連れてこられた奴隷兵が並べられている。保管されている、魔王との戦いで、白い壁がなくなったと同時に、魔物が氾濫したことがあり、魔物への備えのためだ。 前回の魔王が愚かだったのは、間違いではない。 魔王がなんで産まれるのか、どういった仕組みなのか、解明はされていない。ただ、魔王城を放置する…
続きを読む2021/09/08
【第一章 スライム生活】第六話 家
うーん。 ソファーに座り?ながら考える。 学校に行けない(最終学歴は、中卒になるのか・・・)以外で、困ることがなさそうだ。 両親たちの保険が、口座に残っている。多分、前の生活を続けても、死ぬまで困らなかっただろう。 困るのは、食事くらいかと思ったが、スライムボディは優秀だ。一日が経過したが、食事をしたいとも、排泄をしたいとも、思わない。困るのは、睡眠が必要ないこと・・・。正確にいうとしたら、睡眠が出来ないことだろう。目を瞑っても、周りが見えてしまう。そもそも、目を瞑っているのかさえもわからない。 …
続きを読む2021/09/08
【第一章 ギミックハウス】第六話 拡張?
スキル画面の右上にあるカウントダウンを眺めるしか、やることがなくなった。 ポイントを利用して、地球から紅茶とジャムと砂糖と牛乳を、交換(お取り寄せ)した。カップは、この世界にも有るらしいが、まだ交換が出来ない。しょうがないので、高く付いてしまうが、地球から取り寄せる。 100均で十分なのだが、見栄で、ウェッジウッドを探したら出てきた。躊躇するポイントだ。割れてしまったら・・・。 ダメだ。100均を探して、食器類と日用品で必要になりそうな物を交換する。 料理は、するつもりは無いが、冷蔵庫や電子レンジ…
続きを読む2021/09/07
【第一章 スライム生活】第五話 魔物化
”なぜ、僕の呼び出しに、誰も・・・” 僕が、魔物化という素晴らしいスキルを得てから、何度も呼び出しているのに、奴らは、一人として呼び出しに応じない。 実験で、待ち合わせ場所に来ていた女子をスライムには出来た。 — 「よし!メッセージは送られた!」 彼は、覚えているアカウントに対して、呼び出しのメッセージを送った。 自分のアカウントだと、知られないように、フリーのアカウントを取得して使っている。 普通に考えて、知らないアカウントから、”お前の秘密を知っている。バラされたくなかったら・・・…
続きを読む2021/09/07
【第一章 ギミックハウス】第五話 【帝国】魔王城
俺は、第七番隊の隊長から直々に命令されて、魔王討伐部隊の輜重兵に紛れ込んでいる。 俺が指揮する部隊がそのまま配置されている。 表向きは、輜重兵の統率なのだが、それ以上に、大事な役目として、魔王城のギミックを見抜くことにある。聞こえてくる話では、奴隷兵を使って罠を食い破るつもりのようだが、ギミックが、魔物を絡めた物だった場合に、奴隷兵ではただ死ぬだけだ。我らが、ギミックを突破して、殿下を安全に魔王の下に届ける。 陛下の演説から、殿下の出陣の挨拶。 そして、殿下を先頭にして、討伐部隊が帝都から祝福され…
続きを読む2021/09/06
【第一章 スライム生活】第四話 魔物
遅かった。 私の考えが、足りなかった。 私は、このまま魔物(スライム)生を終えてしまうのだろうか? 山の頂上から、丸くなって転がった・・・。までは、よかった(と、思いたい)。木々にぶつかっても痛くは無かった。岩にぶつかって止まってしまったことは有ったが、問題ではなかった。 転がっている最中に、名前が把握できている草木を、取り込みますかと連続で言われて、面倒になって、自動で取り込めないかと考えたのも問題ではない。その結果、自動採取という項目が増えたのも、問題ではない。何も、問題ではない。アイテムボッ…
続きを読む2021/09/06
【第一章 ギミックハウス】第四話 拡張2
作成は、一瞬で終わった。 マスタールームに居たので、変化に気が付かなかった。 変化は、確実に実行されている。マスタールームが広がっている。 新しく作成した扉もしっかりと作られている。 次は罠だ。 ポイントは、まだ30億以上残っている。維持には、ポイントは必要ないが、再配置が必要な罠にはポイントが必要になる。 残念ながら、マスタールームには”家具”は置けるが、罠の配置が拒否されてしまう。地球から取り寄せる武器を配置するしかない。 罠は、基本な物以外では、先代や他のハウスの当主が設計した物も存在…
続きを読む2021/09/05
【第一章 スライム生活】第三話 自衛官
ドアがオックされる音で、部屋で書類を整理していた男は、顔を上げる。 「少佐。報告に来ました」 「入ってくれ」 「はっ」 ドアを開けて入ってきたのは、自衛隊の標準的な制服を来た。男性隊員だ。部屋の主である。少佐と年齢は同じだ。防衛大の同期なのだ。階級に差が出来てしまっているのは、中尉が”不良隊員”だと嘯いて実際に行動で”不良”を示してしまったからだ。 少佐と呼ばれた男は、報告に現れた男の顔を見て、一瞬だけ驚いた表情をした。 上から、本日付けで、少佐の副官が変わると通達が来ていたのを思い出した。上の考え…
続きを読む2021/09/05
【第一章 ギミックハウス】第三話 【帝国】派遣部隊
「殿下!殿下!」 「なんだ!俺は、今、魔王討伐の兵を編成するのに忙しい。くだらない話なら、お前を処断するぞ」 豪華な部屋に、装飾が施された机に、御前会議で、魔王討伐を言い渡された男が手元に視線を落としながら、部屋に入ってきた男に答える。 「いえ、その”魔王討伐”の任に、是非、我ら、第七番隊に参戦の許可を・・・。お願いいたします」 部屋に入ってきた男は、床に頭が付くのではないかと思うくらいに、殿下と呼びかけた男の前で、頭を下げる。 「そうか、貴様の部隊か・・・」 殿下と呼ばれた男は、考えるフリをしながら…
続きを読む2021/09/04
【第一章 スライム生活】第二話 山道
学校のなんとも言えない状況を知ってしまった、女子更衣室を抜けて、プールから山道に入った。 山道を、人の足で5分ほど歩けば、小屋が有るはずだ。まずは、小屋を目指す。スライムの身体での、移動時間の目安になるだろう。 私のスライム生は始まったばかりだけど、かなり慣れてきた。跳ねる移動方法も、最初は”うさぎ跳び”の要領で疲れてくるのを心配したが、歩くように移動できる。手が無いのも、触手?を伸ばすことで対応できる。もしかしたら、人だったときの感覚とスライムの感覚が混じって使いやすくなっているのかもしれない。今も…
続きを読む2021/09/04
【第一章 ギミックハウス】第二話 拡張1
本に書かれていた最後の指示を実行した。 それは、ポイントを使って、自分自身にスキルを付与することだ。 何か、罠があるだろうと考えて、その後を読み進めた。 推奨するスキルが書かれているだけで、その後は本当に、チュートリアルのような内容はなかった。 チュートリアル以降は、ポイントで交換できる”物”が説明と一緒に掲載されていた。 魔物やスキルだ。説明も細かく書かれている。 ”本”が勧めていたスキルは、”鑑定”だ。本の説明では、細かく書かれているが、俺が考えている鑑定と同じだと思って良さそうだ。チュー…
続きを読む2021/09/03
【第一章 スライム生活】第一話 移動
私は、どうやらスライムになってしまったようだ。 ”魔物になってしまった” なんて例は、掲示板にもギルドにもないだろう。 ”ぽよんぽよん” うーん。自分ながら、可愛い。是非、ペットにしたい。 現実逃避をしていても、何も変わらない。 私が持ってきていた荷物が無い。 そう言えば、着ていた服や下着は?誰かが持っていった?え?やだ! 私・・・。今、全裸? これって、もし、スライムから、人間に戻ったら、全裸になってしまうの? ここに居てはダメだ。 スライムになってしまった理由はわからないけど、ここに…
続きを読む2021/09/03
【第一章 ギミックハウス】第一話 【帝国】新しい魔王
帝国。 人類国家の中で最大の領土を誇る。名前は、プレシア帝国。大国と呼ばれる5つの国家の中の一つだ。 帝国の他には、王族が支配するプレシア王国。天子を名乗る者が支配するプレシア皇国。宗教国家で唯一の人族絶対主義を掲げるプレシア神聖国。商人たちが集まってできたプレシア連合国。 全てが、プレシアの名前を冠しているのには理由がある。 この世界を作った創造神の名前がプレシア神だと言われている。そのために、多くの国家は”プレシア”の名前を付けて、自国の正当性を主張している。他にも小国に分類される国家が多数存…
続きを読む2021/09/03
【第五章 マヤとミル】第十八話 神殿の拡張
ミルは、生き残れていないと判定されてしまうのではないかと考えているようだ。アドラの気持ち次第かもしれないが、多分ミルはまだ排除されていないように思える。アドラなら、負けが確定した時点で、無条件で白い部屋に戻すだろう。 「俺は、ミルはまだ大丈夫だと思っている。でも、たしかに、可能性は広げたほうがいいな」 「うん。僕もそう思う」 「マヤは?」 「うーん。まだダメ」 「そうか、マヤが活動出来るようになったら、話をしよう」 「うん。でも、瞳たちと協力体制は必須だと思うよ?」 「そうか?」 「うん。生き残るだけなら…
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