電脳の記事一覧
2020/07/01
【第九章 怪しいバイト】第五話 結局
きっちり30分後に、まーさんから連絡が入った。 連絡が来るだろうと考えて、生徒会室からパソコン実習室に移動していた。戸松先生と雑談をしていた。 『タクミ。遅くなったな』 「いえ、時間通りです」 『そうか?それでな』 「はい」 『タクミ。詳細は、あとで克己と桜に送る。それで、結論だけど、筋が悪い金主が居る』 「金主?スポンサーみたいな者ですよね?」 『あぁそう考えて間違いじゃない』 「筋が悪い?」 『自称IT屋だ。広告代理店で、フロントだ』 「え?」 『TVのCMや番組とかにも顔が利く。芸能事務所・・・。…
続きを読む2020/06/30
【第九章 怪しいバイト】第四話 出会い系のサクラ
放課後になるまでユウキから、調査に関する報告はなかった。 昼に食堂で会ったが、すぐに女子の方に戻ってしまった。同級生から部活の先輩を紹介してもらうのだと言っていた。 放課後になって、生徒会室に入ると、生徒会のメンバーが揃っていた。 珍しいこともあるのだと、話を聞いたら、どうやら、学校も生徒のバイトの実体を掴むために、生徒会に依頼を出してきたようだ。俺が生徒会を手伝うようになってからは、ペーパレスにしたが、過去に遡ってデータ入力をしていない。前会長(美優さん)も前副会長(梓さん)も仕事はきっちりとして…
続きを読む2020/06/29
【第九章 怪しいバイト】第三話 調査
もう一度、北山に話を聞いてから、処分を下すことになった。 特に、バイトの件は戸松先生も重く見ている。津川先生だけではなく、戸松先生も北山から直接話を聞くことになった。 パソコン倶楽部の廃部が決まった。残っていた、部員たちは、津川先生が預かっている。戸松先生の電脳倶楽部に移籍することも考えたのだが、北山がやっていた部費の流用に関与していた可能性があるために、全員からの聞き取りと北山からの証言との整合性を確認してから、問題がない部員から移籍の話をすると決まった。 俺は、そのまま大将の店で待っているユウキ…
続きを読む2020/06/28
【第九章 怪しいバイト】第二話 処分
何も成果が出ないまま2日が経過した。 放課後に、津川先生と話し合いが行われる。 「あれ?戸松先生?」 「篠崎くん。急に、来てしまって・・・」 「いえ、戸松先生が出席されるのは、問題は無いのですが・・・。なぜ?」 「それは、これです」 戸松先生が一枚の紙を俺に見せてきた。 最初から目を通す。 「え?これって・・・」 「北山くんの処分は、津川先生が一人で決められないのです。だから、学校側の代表として私が来ました」 「やはり、退学ですか?」 「どうでしょう。体育教師や機械科の教師からは、退学が相当だという…
続きを読む2020/06/27
【第九章 怪しいバイト】第一話 怪しいバイト
日常が戻ってきた。 戻ってきたと考えるのもおかしな話だが、戻ってきたが正しいだろう。 結局、ハッキング大会は俺たちの有志チームが席巻した形になった。2位のチームも、複数チームと連動して攻撃してきたが、堅牢なシステムは崩れなかった。 有志チーム以外では、パソコンをルータにしたチームはなかったようだ。 用意されているルータを使って、ネットワークを分断したのも、20チーム程度だと統計が出てきた。 大会が終了する直前で、終了の11時から構築したシステムを触らないで欲しいと通達が来た。レギュレーションの確…
続きを読む2020/06/26
【第八章 セキュリティ・キャンプ】第十話 引率の必要なかったな
俺がロビーで待機している最中には、誰も部屋から出てこなかった。 北山が出てきて、津川先生に何か怒鳴り散らしていたが、無視して差し上げた。ユウキを呼び出そうかと思ったが、悪趣味なので辞めておいた。 津川先生が、俺に何か言ってくるかと思ったが、何もなかった。 夕方まで俺が待機して、戸松先生と交代した。 「篠崎くん。何かありましたか?」 「何もありません。どのチームも問題はなかったようです」 学校で待機している後輩チームが管理している掲示板には、何やら質問が投稿されていたが、他のチームの人間が解決策を提案していた…
続きを読む2020/06/25
【第八章 セキュリティ・キャンプ】第九話 大会
大会が始まった。 俺とユウキはバイクで移動しようと思ったが、戸松先生から辞めて欲しいと言われた。俺たちの学校では、バイク通学は認められているが、他の学校では禁止されている。そこに、バイクで乗り付けるのは、ダメだと言われたのだ。一緒に移動しても良かったのだが、学校が用意したバスでの移動となるとパソコン倶楽部の面々と同じ空間で過ごす必要がある。持っていく荷物を見られたくなかったという理由もある。 そこで、俺とユウキは、頼りになる前会長と前副会長に連絡をして、”貸し”の一つを返してもらうことにした。 先輩たちは、…
続きを読む2020/06/24
【第八章 セキュリティ・キャンプ】第八話 北山からの要望
後輩たちがツールの作成を始めた。 津川先生は、パソコン倶楽部を中心に見ることにして、パソコン実習室には顔を出さなくなった。 連絡事項は、俺にメールで知らせてくるようにしてもらった。 参加の応募が締め切られた。 4チームとパソコン倶楽部の、参加は承認された。 問題なのは、元パソコン倶楽部の面々を引率としていたが、許可がおりなかった。 各4チームの引率になるように振り分けたのだが、却下されてしまった。 俺とユウキの引率は許可された。部屋もそれぞれで用意されるようだ。戸松先生も許可された。 連絡を受けて、戸松先生…
続きを読む2020/06/23
【第八章 セキュリティ・キャンプ】第七話 ツールとスクリプト
質問が途切れたので、レギュレーションで抜けている部分を質問する。 「そうだ。津川先生」 「はい?」 「時間制限とかはありますか?レギュレーションには書かれていませんでした」 「時間制限とは?」 「徹夜してもいいとか?休憩時間があるとか?です」 「去年の話ですが、いいですか?」 「はい」 津川先生からの説明では、徹夜は駄目。 夜は、21時までに作業を終了する。会場に施錠されるので、21時以降に、会場に入ることは出来ない。 朝は、7時に会場が開かれる。各チーム別に部屋が決められていて、鍵を渡される。7時以降なら…
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