逃避行の記事一覧
2020/04/20
【第三章 秘密】第一話 部屋
六条晴海が、待っている場所まで、文月夕花を連れてきたのは、赤髪の女性だ。 エスコートしているというセリフが似合っている。 「ご主人様」 「夕花。綺麗になったね」 少しだけ俯いて頬を赤く染める。 「よろしいのですか?」 「問題ない」 六条晴海は、赤髪の女性から、文月夕花の手を渡された。 紙幣を丸めた物をチップとして渡す。一礼して女性が立ち去った。 文月夕花はどうしていいのかわからないようだ。 「夕花。座っていいよ」 「はい」 そう言われても、六条晴海はラウンジにあるバーカウンターに座っている。横…
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【第三章 秘密】閑話 夕花
私の名前は・・・。あんな奴の名字なんて名乗りたくもない。 考えただけで・・・気分が・・・。悪くなる。 父は、愚者だった。 お金が欲しいくせに、汚い癖に他人に悪く言われるのがイヤで他人には文句を言わない。母にだけは強く出られる小心者だった。 働き者ではなく、小心者と怠け者で自分で考えることができない愚者だった。 父は、知人から持ちかけられた共同経営の話に乗った。 最初は会社がうまく回ってかなりの売上が出ていた。歯車が狂いだした。最初は些細なミスだったのかも知れない。父は、他人から責められる事に我…
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【第二章 落札】第三話 合流
全身コーディネートコースまで存在している。 ケチってもしょうがないよな。 「下着や服を、夕花に選ばせる事はできるのか?」 「もちろんできます。ご予算をおうがいいたしますが、文月夕花様に予算内で選んでいただく事ができます」 全身を一番高い物で固めてもそんなに高くは無いな。 女性物の服は・・・あるにはあるが、あれを着せる事はできない。 「わかった。次の事を夕花に伝えてくれ、 ・換えの下着と服。7日分を140万以上200万以下で揃えろ。 ・靴は5足。カジュアルとフォーマルを一足ずつと街歩き用を一足と山歩き…
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【第二章 落札】第二話 契約
今、僕は落札が成立したとして部屋に通された。 部屋の中にいる執事風の男性がいて、これからの手続きを説明して貰った。 目の前にある端末には、僕が落札した本人が希望をつけた奴隷契約書がある。 内容の説明を聞いた。 — 奴隷契約書 法規で定められた云々から始まっている。 ん?条件が何も書かれていない。 執事風の男性に質問する事にした。 「これでいいのですか?条件が書かれていません。通常、解放の条件や待遇が書かれていると先程お聞きしました」 「はい。通常ではそうです。18番からの条件は口頭…
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