ITの記事一覧
2020/04/19
【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第三話 対策と方針(前編)
最初は、ソーシャルハッキングではないかと考えていたが、事象を聞いてみると、実際の端末へのハッキングが疑われる。 そうなると、リアルに仕込まれたのか、ウィルスを混入させられたか、TwitterのSPAMアプリを踏んだ事も考えられる。この中で、SPAMアプリは除外していいだろう。Twitter 上で画像を公開していないと言う事や、二人が付き合っている事実を、裏アカでも公表していないという事から、脅迫者がその事実を掴む事は出来ない。 カマかけという事も考えられるが、その事実は、他を調べてから考えればいい。 …
続きを読む2020/04/19
【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第二話 問題発生(後編)
「その時に、金銭を要求するのか?」 「しないよ。するわけない」 「なんで?」 「え?頼まれたら嬉しいし、僕を必要としてくれているからね」 「そうだろう。ユウキに仕事を頼むときには、その”頼られて嬉しい”と言う気持ちが対価になっている。これは解るよな?」 「うん。なんとなく・・・」 「それじゃ、農家さんが何を対価に、野菜を渡してくれる?」 「タクミ。僕を馬鹿にしすぎているよ。そんなの、お金にきまっている!」 「そうだろう。農家は、お金を対価に、野菜を売ってくれる。それは、”…
続きを読む2020/04/19
【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第一話 問題発生(前編)
「タクミ。居るのでしょ?出てきなさいよ」 階段下から、俺を呼ぶ声が聞こえる。 声の主は、子供の時から聞いている声で、間違いようがない。ユウキだ。 「ユウキだろ。上がってくればいいだろう?」 「バカタクミ。昨日言っただろう!”先輩が相談したい事がある”と」 「あっワリイ忘れていたは、その先輩は一緒なのか?」 「時計を見ろよ。バカタクミ!もう12時を回っている。約束は、10時だぞ!」 「あぁ・・・もうそんな時間なのか?まだ、29時位だと思っていた」 そうか、まずったな。 もちろん…
続きを読む2020/04/09
【初級】約束と言い訳
とある大手家電系IT企業の部長が部下(メンバー)たちに向って宣言しました。 ”この仕事が終わったら、長めの休暇を取って遊びに行こう” メンバーたちは、部長の言葉が自分たちに向けられた言葉だと考えました。 この会社は、2-3日程度の休みなら部長決済で問題は無いのですが、4日を超えるような長期休暇は人事部に申請を出して許可をもらう事になっているのです。 この部署の仕事は、主に業務サポートで資料の整理や顧客対応だったのですが、この部長が来てから独自性が必要と言いだして、社内ツールの開発を行い始めたのです。…
続きを読む2020/04/09
【初級】ある職場の 1 週間
私が関わった多くの現場の中で、最強にして最悪な職場が最初に勤めた会社から派遣された部署でした。 そして、一番楽しかったのもこの現場だったと思います。 時期は、バブルが弾けたすぐ・・・。世間的には、システム投資をこれから行うと思っていて予算が組み込まれ始めた頃です。 仕事は途切れる事なく舞い込んできます。 その部署で作って売っていた物は、一式で買えば1億円程度はする物です。 それが月に何台かは売れていくのです。実際にはリース契約なのはわかっていますが、羽振りが良くなっていくのは当然の事です。 世…
続きを読む2020/04/09
【初級】今は1時間の睡眠を・・・
私は、病院での激務を乗り越えて、会社に送還された。 別に問題が有ったわけではない。もともとその予定だったのだ。事務所でパッケージ開発だけを行えばよかったはずだった。 怒号も聞こえない。誰かの呻き声も聞こえない。 怨嗟の声や呪いの言葉も聞こえない。そんな一般的で健やかな気持ちで作業を行っていた。 私が会社に提案して作成したアプリケーションが納入された。 売上なんて気にしていなかったのだが、会社に貢献できたのは単純に嬉しかった。 4ヶ月間の時間を使って作ったアプリケーションが一本とはいえ売れたのだ…
続きを読む2020/04/09
【初級】自分の結婚式
毎年3月末から4月中旬にかけて地獄の日々を過ごす現場がある。長い時には、5月末まで続く。 この時期は、自分の部屋で過ごす時間はほぼ皆無で殆どの時間を職場で過ごしている。 それは、システム屋に出された、お上からの命令だからしょうがない。 4月1日から会計システムを変更して、新しい料金体制で業務を行わなければならない。 その仕様を決めているのが、”東京都千代田区霞が関1-2-2”にある役所だ。そして、その仕様が出てくるのが、早くても3月半ば。しかもこの時点で最終稿ではない。 お役所の文章を読んだことがある人はわ…
続きを読む2020/04/09
【初級】パフォーマンスとしての徹夜
徹夜作業。 実際には、貫徹をする時は少なく、途中で仮眠を取る。貫徹しても作業が進むわけではないためなのです。 しかし、状況によっては、徹夜をしたという事実が大事になることがあります。 そんな時の話です。 客先常駐の作業で、1週間泊まり込みの作業が続いていたある日。 客筋の上層部が、視察に来る事が急遽決まった(らしい)。 システムの納期が遅れている現場に”客筋”の上層部が来る事は殆ど無い。遅れている現場に来ても、誰も幸せになれないからだ。 そして、その現場では特にリリースが遅れている原因が客筋…
続きを読む2020/04/09
【歴戦の勇者】作者の戯言と注意事項
本来こんな文章は必要は無いでしょう。 あくまでこれは”小説(フィクション)”であり”文章(想像の産物)”として公開しています。 しかし、何人かの人に遠回しに質問されました。 ”某有名企業の人ですか?” 違います。 ”あの話はあの会社の事ですよね?” 違います。 ”もしかして、自分の会社の事ですか?” 違います。 名前を挙げられた企業と仕事をした事はありますが、名前が通るような企業に在籍していた事はありません。 また、自分の周りに居た人に酷似していると言われても困ってしまいます。 それほど、…
続きを読む2020/04/06
【そして空を見上げた】あの日見た空
私は、今会社の屋上に登っている。 あの人が最後に見た空は、私が今見ている空とは違うのだろう。こんなに、滲んで居なかっただろう。 私は、あの人が最後に見た空を見たかった。 光化学スモッグで汚れた空だが、あの人にはどんな風に映っていたのだろう。 空を見上げていた、口元は笑って居た。ただ、もう二度と、話をする事も笑顔を見ることもできない。 溢れ出る涙を拭って、部署に戻る。 もう一度空を見上げる。見上げた空は、何も変わっていなかった。 ここは、川崎駅から、南武線に乗って何駅か行った場所にある会社だ。…
続きを読む