完結の記事一覧

2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅2 営業と開発

「ナベ!」 篠原は、客先から会社に帰る途中で、連絡を受けて病院に駆けつけた。 「篠原さん」 「どういうことだ!」 「それよりも、客先には?」 「それよりもだと!」 「篠原さん。貴方は営業でしょ?」 「あぁそうだ。だがな、その前に人間だ!ナベ。説明しろ」 真辺は、淡々と感情を殺した声で、倉橋の死が過労死である事。そして、苦しんだ様子がない事を説明した。 「篠原さん」 「なんだ」 「俺が、俺が居たからですかね?」 「なに?」 「俺が、居たから、倉橋さんは・・・」 「ナ・・・ベ・・・。お前?」 篠原は、この時点で…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅1 出会いと別れ

火消し部隊。この存在してはならない部署は、現在は真辺が率いているが、実際に立ち上げたのは別の人間なのだ。 倉橋という人間が、部署を立ち上げた。 元々は火消し専門の部署ではなかった。エキスパートが集まる遊撃隊だったのだ。当時のIT業界は、専門色が強くなっていた。汎用機を扱う部署。組み込みプログラムを扱う部署。ネットワークも、今のように標準化されたネットワークが存在していたわけではない。いろいろな会社が独自のネットワーク・プロトコルごとに部署が存在していた。 人は多くても仕事がある。 そのために、肥大化するシス…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第一話 火消し部隊

『火消し部隊』火消し専門の部署 それは、本来存在してはならない部署。しかし、いろいろな要因が重なり、納期に大幅な遅延が発生したり、重大な問題が発生したりして、急な対応を強いられた時は往々にしてある。そんな時にサポートを行う部署だ。 部署の性質上、その道のエキスパートが揃っている。そして、一癖も二癖も三癖も四癖もある連中が集まっている。 会社の中にあるが、組織図には掲載されていない。遊撃隊の様な位置づけになっている。社長が直接管理する部署となっているが、社長に命令権が有るわけではない。 全ての権限を持ち、この…

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